こんにちは。不動産法務コンサルタントの中沢です。
不動産ファンドが物件を購入・売却する際には、実に様々な契約書・関係書類を作成します。
(例)
・売買契約書
・信託契約書
・信託受益権譲渡承諾依頼書兼承諾書
・マスターリース契約書
・プロパティマネジメント契約書
・金銭消費貸借契約書(ローン契約書)
・質権設定承諾依頼書兼承諾書
・精算覚書
・引渡証兼受領証 等
このような各種契約書・関連書類を作成する作業のことを、「ドキュメンテーション」といいます。
ドキュメンテーションを開始する際には、まず現状を把握することが重要です。
・売主は誰なのか。
・所有者は誰なのか(売主と同じか、異なるか)
・売買対象の現状は「現物不動産」か、それとも「信託受益権」となっているか。
・賃貸借関係はどのようになっているか。
・管理関係はどのようになっているか。
・債権者の有無と担保設定状況はどのようになっているか。 等
いかんせん関係当事者が多いので、下記のようなスキーム図(あるいはストラクチャーチャート)と呼ばれる図を作成することが通例です。
(下の画像は研修レジュメからとってきたものです。普通はイラストまで描きません(笑)。)
このように図にまとめたうえで、
・新たにどのような契約を締結する必要があるか。
・既存契約を解除する必要があるか、あるいは承継手続が必要であるか。
ということを検討し、具体的に作成すべき契約書・関連書類をリストアップしていきます。
このような手順を踏むことで、書類の作成漏れ等のトラブルを未然に防ぐことができるのです。