本年の試斬ですが、
当初の予定では春先に行う予定だったはずが
人が揃わなかったり、天候が悪かったりで
気づけば秋になっていたという・・・
うーん・・・いつぞやも聞いた話だなぁ・・・

今回、ようやく行う事ができたわけですが・・・
全員が揃ったわけではなく
参加できる人は参加しましょう形式で決行となりました。
全員が参加できる機会を待っていては、おそらくやらず終いとなってしまう・・・

今回は
20161010A
不伝流の傾奇者こと、ワタクシ藤原。

20161010B
ノン氏

20161010C
トシゾー教授

20161010D
武斉氏

20161010E
我らが宗家、戸田不伝(お手本斬り)

しかし、開始まもなくアクシデント!
20161010F
剃刀節丸(かみそり・ぶしまる)の異名を持つ
凄まじい切れ味の我が愛刀、節丸清光が
なんと
20161010G
曲がってしまったよ

えええええ!?
嘘でしょーーー!?
マジかよ・・・こんなんで簡単に曲がっちまうんかい・・・

この時、切り下ろしながら
「やっぱりもう少し下側を浅めに斬ろう」とロクでもない事を思い付き
切り下ろしながら角度を変えたがために刃筋がズレる!そりゃ当然だ!
その結果ベチッと当たってまさかの大ダメージ!

力任せに叩き斬ろうとして刀を曲げてしまったとかよく聞く話ですが、
んなアホな事はしません!
本当、軽く鎬に当たっただけなんですが・・・

そういえばかなり昔に
この清光については後ほど語ろうみたいな事を書いてた気がする・・・
(参照:http://ameblo.jp/fudenryu/entry-11941293569.html
これも良い機会なので語りましょうか。
実はこの清光、かなりの難アリで・・・

長船清光と言えば元幅3.2cm、先幅2.4cm、元重0.8cm
という様な豪壮な作りのはずだが、
我が節丸清光は元幅3.0cm、先幅1.8cm、元重0.55cm
と、本来の姿からは大きくかけ離れている。
こう聞くと贋物ではないのかと疑いたくなるかもしれませんが、
清光の特徴がよく出ており、初代清光ではないが末備前の清光である事は間違いないと鑑定済(金さえ払えば×××な怪しい鑑定士のテキトー鑑定ではなく信頼できる鑑定です)
では、何故こうも姿が違うのか・・・?

まずはこれ
20161010H
「ところで このハバキを見てくれ こいつをどう思う?」
「すごく・・・スッカスカです・・・」

20161010I
そして、茎・・・
なんと、この位置までずらすと丁度良いんですw
元幅5.5cmに対して、この部位は0.8cmもあるという。
つまりは研ぎ減っているのだ!
元々は0.8cmもある豪壮な作りだった事は間違いないでしょう。

20161010J
反りも深さも手伝って平安刀を思わせる細さ。
(平安刀の様な優美さとは言っていない)
これ、よく見ると反り具合に何か違和感を感じないでしょうか?
反りの中心部が痩せています。

20161010L
茎を見ると何かおかしい・・・
普通は刃側に向かうにつれて幅が太くなっていくのですが、
これはあまり太さが変わらない・・・

20161010K
側面を見ると新しい研磨跡が。
生ぶ茎なので磨り上げ跡ではありません。

20161010M
そして刃紋。
清光と言えば広直刃だが、どう見ても広直刃には見えない。

大きくかけ離れた身幅・・・
イビツな反り・・・
茎に研磨跡・・・
糸直刃と化した波紋・・・

つまりは刃側も修復されている。
はい。再刃されてますこれ。
茎の錆び具合からしておそらく凄まじい錆刀だったのでしょう。
再刃しなければならない程の。

まぁ・・・これを購入した業者はマトモな鑑定できない業者だったから仕方ないというのもあるが、
元々が試斬用にと買った物なので、斬れりゃええわって事で良しとしました。
確か「再刃してある刀は返金します」とか書いてた気がするが見なかった事にしようw
その鑑定眼じゃどうせ見抜けなかったんだろうし・・・

考えてみればそういう事なんです。
元重0.8cmもあったものが0.55cmまで研ぎ減り、
元幅は3.0cmまで痩せ、先幅に至っては1.8cmまで激痩せしてしまった。
更には再刃されている。
最初からこの姿ならば強度的にまったく問題ないが、
研ぎ減ってここまで瘦せ細ってしまった物が本来の強度を保っているはずがないだろう。
そりゃ、軽く当たっただけで曲がってしまうわなという話です。

いくら研ぎ減ってるといっても古刀だし、そんな簡単に曲がったりはしないでしょ?なんて考えてたが、
そんな簡単に曲がってしまいましたとさ。
それよりも一番恐ろしいのは、今までよくこんなもんで斬ってたね自分・・・という事。
動画サイトなんかで渾身の力を込めた魂の一撃で叩き斬ろうとしてるの見るけど(そして斬れない)
節丸であんな事したら一発で曲がるか、下手すると折れるかもしれないね。

因みに節丸の由来は、
大きく姿を変えてしまうほどに研ぎ減り、

それは
宛らかつお節の如く削られる・・・
こうして節丸の号を頂くのだったw
で、数珠丸恒次に肖って節丸清光・・・と。



節丸語りでかなり長くなりましたが、気を取り直してw
危険なので節丸は封印し、師より軍刀を拝借(この他は形稽古で振るのですら躊躇してしまうレベルの名刀ばかり。気軽に使えるのがこれくらいしかないというw)
軍刀は軍刀でも軍刀鍛冶の作刀だが、それでもやはり重量がある。
大丈夫かなーと思いつつも、これが切れる!案外切れる!
重くて切り上げは難しいかと思われたが難なくバッサリ。
今まで軍刀など小馬鹿にしていたが、考えを改めねばならぬ様だ(鑑賞用とは言っていない)

20161010N

20161010O

20161010P

20161010Q

20161010R


そして、そんな最中、新必殺技へ開眼するのだった・・・

秘技 衝体圧潰剣
20161010S
相手に向かって抜刀しつつも体当たりを食らわせ、
続けざまに袈裟斬りを放つ大技である。
(距離が近すぎて試斬台にぶつかる)

秘技 地流螺旋斬
20161010T
相手の攻撃を受け流しつつ、
後方へ流れるが如く袈裟斬を放つ速攻反撃技である。
(自分で斬った畳に足を取られて滑る)

衝体圧潰剣、地流螺旋斬
不伝流とは一切関係ありません。


おまけ
当日、近所の神社で縁日があったので人通りが多い。
20161010U
ガン見する少年たち(弓矢装備)

20161010V
近寄ってガン見する少年。



後編へ続く。




-御案内-
不伝流 -居合道・小太刀術・剣法組太刀・体術-
場所 :札幌市中央体育館3階(廊下から向かって右側のフロアです。)
練習日:毎週金曜日
時間 :19時~21時まで(片付けの時間も含めてなので、実際の練習時間は20時30分頃まで)

見学も随時受け付けております。 
以下のリンク先よりお気軽にお問い合わせ下さい。
不伝流web