前回の話

【わたしの世界観】

 

 



障害者施設での仕事。

1泊2日北海道旅行への引率。

ドラマチックな飛行機での移動が終わると
すぐさまバスへ乗る。

北海道はでっかいどう〜
バスの乗車時間がめちゃめちゃ多い。


っていうか、歩行が困難な人もいるから
自ずとあまり歩かなくても良い
バス移動だらけになる。


降りるのはほぼ
トイレ休憩とご飯のみ。


記憶に残ってるのは
バスから見た時計台と

トイレ休憩と散歩を兼ねた
湖。

実はあとは何も覚えていない。

ずっとずっと
利用者さんの顔ばかり見てたから。

バスから降り立ったら、
必ず利用者さんにくっついて歩く。

私が担当したのは
「Mさん」

Mさんはしっかり歩ける。
たけど、あまり会話が成立しない。

こちらの言ってることはわかるけど
脳内おしゃべりが全て口から出ている。

ずっとずっと何かを喋ってて
時々楽しそうに笑う。

そのブツブツ言ってる言葉が
きっちりと方言なのも
「あ、ちゃんと地元で生まれ育ってるんだ・・・」
って思える。


喜怒哀楽もしっかりしているから
私が「これ見てすごいねー」って言うと
ちゃんと視線を向けて笑ってくれる。


同じものを見て
一緒に歩いて

会話にならない会話を共有する。

私にはなんだかそれが
とても心地よくて
Mさんが好きだ。


おばあちゃんの年代のMさんと
手を繋いで歩いているのも
不自然じゃなくてなんだか
手を繋ぐって良いなぁ・・・

って仕事そっちのけで思っちゃったりした。



北海道だからじゃなくて
普段の散歩でも、
誰かと必ず手を繋ぐんだけど、

普通に生活してる中で
この「手を繋ぐ」って
子供が小学校に上がるくらいまでの限定だから


生涯のうちで
保育士さんや介護職じゃなければ
本当に数年だけだよね。


他人と手を繋ぐって
なんか、分かり合える気がして
結構、いいなって思う。


そんな経験とそう感じさせてくれたのは
この障害者の方達だったからだと思う。


そして、1泊だから大人数で
もちろんホテルに泊まるのだ。

まだまだ障害者さんと
引率職員たちのドラマは続く。。。。


次へ。。。。