山陽電鉄の月見山駅に貼られてあった、須磨区のマスコットキャラクター

すまぼう。

 

 

「 ゆるキャラグランプリ 」 は、2020に終了したので、

ゆるキャラを全面にしたポスターというのは、最近では珍しい。

 

「 月見山 」 という駅名は魅力があります。

月見山駅には須磨離宮公園前という副名称が付いています。

この公園は月見山駅から北へ300mのところに在り、平安時代の歌人

在原行平が月見をした稲葉山に造られています。

 

 

稲葉山の別名が月見台で、この周辺には御覧のように 「 月見台 」 という

地名が複数あります。

地図の青マークが、在原行平耕が松風・村雨と住んだ庵 ( 現松風村雨堂 )。

この前の坂を北上すると、稲葉山の月見台 ( 現須磨離宮公園 )。

 

こうして眺めてみると、松風村雨堂にあった説明文や、行平公が詠まれた

百人一首第十六番の歌が、随分理解しやすくなります。

 

松風村雨堂にあった説明文。

 

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平安時代前期 ( 9世紀中頃 ) 在原行平が、須磨の地でさみしく暮らして

いた時、潮汲みに通っていた多井畑 ( たいはた ) の村長の娘である

姉妹に出会った。

 

その時、松林を一陣の風が吹き抜け、娘たちの頬を通り過ぎ、にわか雨が

黒髪にふりかかった。

そこで行平は娘たちに 「 松風 」 「 村雨 」 の名を与え、仕えさせた。

やがて許されて、行平は都に帰ることになり、小倉百人一首で有名な

 

 立ちわかれ いなばの山の峯に生(お)ふる 松としきかば 今かへりこむ

 

の歌を添え、姉妹への形見として、かたわらの松の木に烏帽子、狩衣を

掛け遺し、都に旅立った。

 

 

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行平公は、2人の美女を連れて何度も月を眺めた稲葉山を織り込み、

  ここで別れますが、

   稲羽山に生えている松と聞けば 

  (「稲葉山に居て待っていると聞いたら 」という意味と掛けている )

  すぐに戻ってまいりましょう。

という歌を詠んで別れを惜しんでいます。

百人一首を読むだけではわからない、やっぱり詠まれた現地を歩かないと。

 

月見台駅から一つ隣りの東須磨駅へ移動、降りて線路沿いに500mほど

北上すると、権現宮證誠 ( しょうせい ) 神社に到着します。

 

 

 

鎮座地:兵庫県神戸市須磨区権現町1丁目3-2

 

 

    

 

 

右に手水舎。

 

 

 

 

    

 

    

 

 

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権現宮證誠 ( しょうせい ) 神社 通称権現さん 旧郷社

 

御祭神           五十猛尊 ( いそたけるのみこと )

 

由 緒

 

永延元年 ( 987年 ) 第六十六代一条天皇の御代・須磨の浦の真南に

あたる紀州熊野の大神を勧請し、妙法寺川沿岸の大手・板宿・東須磨・

野田・駒ケ林の五ケ村の氏神として創祀される。

 

寿永元年 ( 1182年 ) 須磨の地に御遷都にあたり、大手の守護神として

平家一門の崇敬篤く、徳川の代に至りて須磨聖霊大権現と称せられた。

現在、神社境内に宝永五年 ( 1708年 ) 聖霊大権現奉献と刻された

石灯籠が安置・設置されている。

 

『 摂津誌 』・『 摂津名所図会 』・『 播磨名所図絵 』 等に所載せられ、

旧跡の一つに数えられ、応永年間 ( 1394~ ) 公文末重信、社殿を

重建し、天正六年 ( 1578年 ) に之を再建とある。

 

明治初年證誠神社と改め、明治六年 ( 1873年 ) 村社、同十四年

郷社 ( 須磨区内唯一の神社 ) に加列、大正五年神饌幣帛供進神社に

指定せられ須磨地域一円の守護神として、その御神徳を崇敬せられ

現在に至る。

 

御神徳

 

御祭神五十猛命は素戔嗚命の御子神にして、植林・植樹の祖神にして、

国中の風水被害を植林及び植樹により守護し、農・工・商業を繁栄せしめ

たる大神として尊崇され、又古事記に記述によると五十猛命は大国主命

の命を助けたとあります。

この事より 「 いのちの神 」 として大難厄除・大病平癒の信仰を集めて

います。

 

当神社の祭日には必ず少し雨が降るため

「 しょぼしょぼ権現降る長田生田は降らぬことなし 」

と今もなお言いならわされている。

祭日の雨は植林・植樹の御祭神にふさわしい由緒ある恵みの雨だと

いわれている。

 

                       ( 境内説明文 )

 

本殿に向かって左に境内社が鎮座されます。

 

 

左:蛭子命・大己貴命、 右:事代主命・素戔嗚命

 

 

本殿に向かって右に境内社 ( 大国主命 ) が鎮座されます。

その右には稲荷神社が鎮座されています。

 

 

 

稲荷神社の参道に、ライオンの狛犬、ただし対ではありません。

 

 

拝殿からの眺め。

 

 

 

以上。