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明治維新のころ
 
1866年 ( 慶応2年 ) の遷宮では、第121代孝明天皇は 「 格別の御社柄 」 と
仰せられ、弁官 ( 行事役 ) が遣わされて斎行いたしました。
1868年 ( 明治元年 ) 6月、第122代明治天皇は王政復古の奉告に、伊勢の神宮
と当神宮にだけ勅使 ( 天皇のお遣い ) を御差遣になりました。
 
天皇は同年9月27日、当神宮ご参拝の後、八丁畷 (現在の瑞穂区神穂通 ) の
神田で農民が新穀を収穫する様子をご覧になり、農はわが国の基であることを
お示しになられました。
 
                             ( 境内説明文 )
 
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明治天皇収穫叡覧図 ( 森村 宜稲 画 ) 宝物官蔵
 
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明治期 ご改造
 
1871年 ( 明治4年 ) 明治政府から官幣大社に指定され、その後1893年 ( 同26年 )
尾張造の社殿から神明造の社殿に改造されました。 
 
これは時の宮司角田忠行が、三種の神器を奉斎するにふさわしい当神宮の在り方を
考えて、伊勢神宮と同様な社殿とすることを政府に建言した結果、国費により、尾張造り
から神明造りに社伝が改められたものであり、勅使参向のもと同年4月遷座が厳粛に
斎行されました。
                                 ( 境内説明文 )
 
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大正期 勅祭社となる
 
1917年 ( 大正6年 ) 例祭に勅使が参向される勅祭社となりました。
これは1893年 ( 明治26年 ) のご騎亜像ののちも三種の神器奉斎の由緒に
ふさわしいご待遇の働きかけが行われた結果です。
 
さらに国費と御内帑金 ( ごないどきん、天皇よりのご寄付 ) を賜り、境内の拡張
整備工事が始まり、1927年 ( 昭和2年 ) に竣工しました。
1935年 ( 昭和10年 ) には、ご改造後最初に遷座が斎行され、年々増加する
参拝者に対応する境内と社伝が整えられました。
 
                              ( 境内説明文 )
 
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大正天皇と献詠祭
 
1906年 ( 明治39年 ) 皇太子時代の第123代大正天皇はご参拝の折に、樟を
折上になりました。 このことが契機となり、1911年 ( 同44年 ) 11月18日に
「 寄樟祝 ( くすのきによりていわう ) 」 と題して第一回の献詠会が盛大に催され
現在も9月第四日曜日に恒例祭として斎行しています。
 
天皇は先帝に増して熱田神宮を厚くご崇敬になり、数度ご参拝遊ばされました。
お手植えの樟は、現在本宮前で大きく繁っています。
 
                              ( 境内説明文 )
 
献詠祭、披講風景 於神楽殿
 
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拝殿前のお手植えの樟 ( 現況 ) 左:大正天皇 右:昭和天皇
 
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大正期 日本武尊 千八百年祭
 
日本武尊は、当神宮の創祀に深く関わる古代の英雄で、古代日本の統一に多大なる
功績を残されました。
 
1941年 ( 大正3年 ) は日本武尊が113年 ( 景行天皇43年 ) 能褒野 ( 亀山市 )
で亡くなられ、白い鳥となって天高く昇ったときから1800年に当たり、当神宮では
「 日本武尊千八百年祭 」 を執り行いました。
 
それから100年後の2013年 ( 平成25年 ) に 「 御鎮座千九百年祭 」 を賑々しく
奉仕致しました。
 
                              ( 境内説明文 )
 
日本武尊、宮簀媛命に宝剣を授ける図 ( 尾張名所図絵より )
 
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戦後の復興
 
戦争が激しくなった1945年 ( 昭和20年 )、空襲に遭い境内の神楽殿や鎮皇門等の
建造物の大半が焼失し、御神体は御無事でしたが、本殿も被災したために、やむなく
解体されました。
 
戦後、多くの人々から社殿の復興が望まれ、1949年 ( 昭和24年 ) に造営会が
結成され、全国から多くの浄財が寄せられました。
1955年 ( 昭和30年 ) 11月11日に皇大神宮 ( 内宮 ) の御正殿を譲り受け
当神宮の本殿として遷座を斎行いたしました。
 
                               ( 境内説明文 )
 
 
内宮古殿材、熱田神宮に到着 ( 昭和30年遷座写真帳より )
 
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本殿遷座祭 遷御 1955年 ( 昭和30年 ) 11月
 
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未来へ
 
本殿は先の造営である1955年 ( 昭和30年 ) から50年が経ち、修復の時期に
来ていました。 これに併せ神楽殿や授与所等の造営、そして境内整備をも含む
大規模な事業に着手しました。
 
本宮は、耐震の備えをも施して万全とし、2009年 ( 平成21年 ) 10月10日に遷座を
斎行し、神楽殿や授与所も時代に即した設備を伴って竣工しました。 
 
一新した当神宮は、草薙神剣をお祀りするにふさわしいお社として、厳粛に祭事を斎行し
社殿等の整備を行い、先人たちが築き上げた伝統を後世に継承するよう、たゆまぬ
努力を続けてまいります。
 
                                 ( 境内説明文 )
 
本殿遷座奉幣祭 2009年 ( 平成21年 ) 10月11日
 
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続く。