初めてのチュウ | 最新福祉脳!?夢想転生

初めてのチュウ

もちろん、題名に深い意味はない。『初めてのお泊り』が正しい。

夜中に出歩いている高齢者がいて、いつも心配で声を掛けると、『ばかやろう!』と言われる。この人はピック病なのだと、分かっているので、お会いする度に声を掛ける。顔見知りになったら、安心してもらえるだろうと淡い希望を持っていたが、常に僕に対して『ばかやろう!』だった。

訪問介護が入っているのだけど、訪問してもやることがない。ご本人がいない。そんなことが相次ぎ、業を煮やしたケアマネジャーが泣き付いてきたわけである。

ご訪問させていただくと、目の前に僕のことを『ばかやろう!』といつも言っている奥様が、しゃなりと座っていた。ばしばしと叩くのだけど、江戸の触れ合いのような叩き方だからそこはご愛嬌。『ばかやろう!』とは言われなかった。無事、ご契約を済ませ、ユアハウスの登録者と相成った。

一日数回の訪問である。訪問しないでも、近くで、いくらでも見かけることが出来たので、一日に何度もお会いすることになる。しょっちゅう顔をあわせていれば、ピック病の方ならすぐに覚えてくれるはずである。顔についているオプションが有能なのである。炭酸ヒゲ野郎万歳である。

夜中、その方に外でお会いすると『ばかやろう!』と言われることが多い。せめて、『ひげやろう!』とでも言ってくれればいいんだけどね。家と、外ではわけが違う。こいつもリロケーションダメージみたいなものだろう。恐らく、おかしな行動をしてしまう自分を分かった上で、他の人にそう思われるのが辛く、防衛反応としての精神症状が出ているのだと、僕は思っている。社会生活って怖いよな。僕も他人が怖く感じるときがあるからな。3ヶ月も、毎日訪問していれば、覚えてもらえるのである。髭や長髪が良いも悪いも、ご本人の覚えになっているのだろうか?

近隣にお住まいの娘さんが主介護者で、ご本人が寝付くまでの間支援されている。商店街のおかみさんだった為、近隣の商店の方たちは、ピック病の症状に戸惑いながらも、見守ってくれている。決して優しい声を掛けてくれるわけではないけどね。まだまだ、ピック病は一般的ではない。『物忘れじゃないから認知症じゃないでしょ?あの奥さん。』と言われる。認知症の宣伝活動もまだまだ足りないのである。日中はご本人、どこかに行かれているらしく、不在である。夕方くらいに帰ってくるのだけど、
たまに、千葉からタクシーで戻ってくる。タクシーに乗って、目的地までを告げることが出来るのだから、まだ、それなりに軽度なのだろう。

クソ暑い8月から関わらせていただき、のどが渇いているからと自動販売機で水分を買っている間に走ってどこかに行ってしまう。ふと気づくと祭りの御輿を担いでいる。全くもって、客観的に見たら世にも楽しい新喜劇、どたばた劇を続けた。娘さんから『ギブアップ』の訴えが出る前に一度泊まっておこうと、宿泊の打診をしてみた。ご本人にとって必然性のない宿泊。こいつは厄介だ。だって、理由がないけど、ユアハウスは嘘をつかない事業所なのだから・・・。

『娘さんの心配は、●●さんの心配をしすぎて、自分が倒れるって。気になって、しょうがないみたいですよ。』・・・僕は、ピック病の方はご自分がしたくない行動をしてしまうことを覚えていると思っている。短期記憶は正常で、記憶を引っ張り出して処理する能力が落ちてきているとするなら、おかしな行動をしている自分を止めたい自分が見ているような、二重の意識があるのだと考えているからである。ピック病の方に伝えることが出来るロジックであれば、きちんとコンセンサスを取ることが出来る。つまり、ここは状況を正確に分かりやすく伝えることがよい。ご本人の行動症状のために娘さんが介護疲れになっていて、それでも家で一緒に生活を続けたい旨をきちんと伝える。もちろん彼女は、ばしばしと僕を叩いて『そんなわけないじゃない』と言うんだけど。

もちろん、ご本人との信頼関係がないと出来ない芸当。よく、『本人の世界に合わせて演技をしよう』なんていう人がいるけど、あれは、大嘘だと思う。否定はしない。それは大事。見えている、感じている、考えているという事実と、実際に起こっている事象は別物である。事実ではない世界に共感したら、虚の世界に閉じ込めることになるだろう?それは、介護者のエゴである。僕らが目指すべきは認知症の人が、現実社会で生きていくことである。強い信頼関係があれば、自分の状態を自覚して乗り越えることが出来る。僕らは本人のあり方に寄り添うべきである。

レビー小体型認知症初期の方とお話させていただいたときのことである。
『僕は手から人が出てくるというのは理解できない。見えているのは分かる。でも、現実ではありえないから。そんなときに、一緒に、「ああ、人が出ていますね」って一緒に演技するのと、「人が出ていないけど、そう見えているんですね」って言うのとどちらがいいですか?』と聞いた。彼は『もちろん、ない、なら、ない、と、向き合って言ってほしいに決まっている。そうじゃないと、おかしくなりそうで困る。』と。まあ、普通に僕らが関わってほしい方法で関わってもらうのが一番よろしい。認知症の人と関わるに、初期段階から関わることの強みは、この信頼関係の取り方にある。重度化してから関わっても、それ以前の関わり方がご本人が保っている本当の世界を壊していることが多いように感じる。

話を戻そうか。そんな彼女は昨日、ユアハウスに泊まることが出来た。夜の2時から朝の9時までという、少しの夜更かしであったが、泊まることが出来た。きちんとお話をして向き合った結果なのだろうと思っている。朝、娘さんは心配そうにユアハウスに来る。『昨日は、久々によく眠れたんですか?』と聞くと、『あまり寝れなかったわ』と少し笑って答えた。

恐らく、今後、いつでも泊まることが出来るだろう。ご本人の行動障害が娘さんを苦しめているとご本人が知っていれば、ご本人は娘さんのためにユアハウスに宿泊することが出来る。これも、在宅生活を続ける為にご本人が出来る努力だと、僕は思っている。大抵の人は『介護状態になっても家族に迷惑を掛けたくない』と思っているからである。そんな皆の安心感が在宅生活を継続させるのだと、思っています。

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しばらく、サボっていたのだよ。書くのを。また、草野球やって・・・。
疲れたんだろうね。一応、1イニング、自責点0。守備機会6/6(サード)
バッティングは5タコ(泣)。
右のスリークウォーターから放たれる、
ナチュラルシュート回転の内角をえぐる球は出所が分からず、打てないらしい。
だからなに?って?いや。今日のドラフトで呼ばれますように・・・。
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