ウチの店にはお客さん用の雑誌棚に こんなものがあります。

 

 

 

 

手に取る人が最も多い雑誌で 行ったことある人とない人は半々くらいでしょうか。

 

 

自分はというと 業務スーパーにも置いていない海外製品が充実しているので非常に興味はありますが

年¥4000の会費、元を取る自信がないので会員になるには二の足を踏んでおります。

 

 

 

 

そう言うと『コストコは賢い買い物をしに行くとこじゃないですよ。』 と言われたことがあります。

 

 

 

その辺のスーパーでは見かけない珍しいものばかりが並び 高いのか安いのか分からないけど”買うことそのもの”を楽しむ 

言わば『購買のエンターテインメント』として行くべきなのだと。

 

 

 

世間やその方の心理がそうであることは理解できるけど 

買い物や購買(実際に買うこと)のスイッチが入るポイントは本当にそれぞれだと感じます。

 

 

 

 

私も、自分は賢い買い物をしたつもりでも理解されないことが多いです。

 

 

その筆頭がこれでしょう。

 

 

 

 

 

いつも行く『魚に強い』スーパーにフラッと寄ると カゴを丸々占拠してしまいそうな マグロの頭が

なんと¥980で売っていたのです。

 

 

これを買うのは3度目なのですが(笑) 曜日限定なのかレアアイテム並みに出没率が低く 遭遇した時は悩みつつも必ず買ってしまいます。

 

 

 

昨年10月 築地に行った時に見かけたマグロの解体図によると 『頭肉』 『頬肉』は希少部位らしく

写真の『稀少丼』は¥1800という価格です。

 

 

 

このデカい頭を切り開いたら 一体どれだけの稀少丼が食べれるのか⁉

 

 

 

 

その日は朝から うどん を打とうと

 

 

 

 

粉の仕込みをしていたのですが 急遽、献立の変更となりました。

 

 

 

 

 

しっかりと身の詰まった様子が伺えます(当たり前か)

 

 

切り方も何も知らないし YouTubeで調べてるうちに時間が経って行くと鮮度が落ちそうなので

とりあえず指で触りながら骨に沿って切っていく。

 

(冬で良かった。 夏なら猛ダッシュで切らないといけない)

 

 

 

 

 

シンクは水が捌けやすいように僅かな勾配が付いていて これがまた脂で滑って安定しない。

 

 

重さは10㎏近くあり 切りたい方向へ向けて安定させるにはかなりの力が要る。

 

 

 

それにしても外側の皮の硬いこと、、、。 

 

 

基礎もテクニックもない自分は 勘と根性のみで挑む。

 

 

 

結構なサイズの頭肉をゲット。  

 

これは片側だけなので 写真の量×2です。

 

 

 

 

続いて、隣の『目玉』に移ります。

 

 

小さい魚は目玉の部分は目玉のみですが このサイズのマグロは奥の脂の量が半端なく多いです。

 

 

そして、眼球周りの『眼輪筋』が またしっかりとした肉質でそそられます。

 

脂は炊き込みご飯とかにすると美味しそうなのですが 一般的にはどう使われてるのでしょうか??

 

 

 

 

 

上の写真にも写っていた『頬肉』。  

 

ステーキのようで切りたての赤さは美しいのひと言。

 

 

 

一時間半ほど奮闘して 頬肉を含む400gの赤身と

 

 

 

 

356gの頭肉。

 

 

 

 

 

350g と 370gの 眼球と脂 眼輪筋

 

累計1476gを取り出しました。

 

(写真に撮り忘れたけど 『のど』の部位が250gはあるので1700gくらい)

 

 

これだけで¥980です。

 

 

 

 

が、これを捌くだけでなく 切っては冷凍庫に出し入れして

脂を拭いて 台も拭いて シンクの後片付けをしてると 

4時間くらいかかってしまった。

 

マグロの脂は落ちにくいので洗うのも大変です。

 

 

 

 

時給¥1000で換算すると ¥4000くらいにはなるので 単に¥980であの量を食べれるという訳ではないのですね。

 

 

オマケに

 

 

 

身を取り尽くした残骸の処理があります。

 

 

これは庭に埋めるには大きすぎるので 近くの海まで捨てに行けば良いのですが 

とにかくここまでの作業まで含めるとヘトヘトになるので 買う以上は最後までやり切る覚悟が要ります。

 

 

 

それでも、『かしこい買い物』をしたかどうかよりも 素人なりに夢中で魚を捌く時間を楽しめたので 

実際には食材の価格以上の付加価値までいただけたことになります。

 

購買のエンターテインメントとは違うけど 始めたら止めれないノンストップのアトラクションみたいなもんですかね。

 

 

 

人によっては『時間をお金で買う』という考えの方もいて 

こんな作業など絶対に手を出さないと思いますが

慣れると結構早くなっていきます。

 

 

 

 

 

 

1日目は頬肉のにんにく醬油テリヤキ丼と

 

 

 

頭肉の刺身。  大トロのような柔らかさだけどサッパリしてる。

単に希少部位というだけじゃなく しっかりと美味い。

 

 

 

二日目は

 

 

頬肉も刺身で マグロの希少部位尽くし。

 

 

築地のよりも新鮮ですよ。

 

 

↑これで1人前。 3人分あります。

このためにスパークリングワイン開けました。

 

 

 

エグ味を残したノンフィルターオリーブオイルとレモンでカルパッチョも乙。

 

 

 

まだまだ残ってるので 明日は何にしようか、、、?

 

 

 

 

こういうのを売ってる店によっては 値段がマチマチだとは思いますが

美味しさとお得さが 作業の大変さの10倍は上回ってるので また遭遇したら買うでしょう。

 

 

 

皆さんだったらスルーしますか?ウシシ