修理に出せば 新品を買うより高く付いてしまうものもあれば ある程度は自分で補修できてしまうものもあります。

 

 

 

電子機器(デジタル系)になると手が出ませんが 物理的補修はアナログ的な工作感覚で出来てしまうので 

壊れた時はイラっとするけど 直し始めると意外と楽しんでる自分がいることに気付きます。

 

 

 

 

とはいっても 今回の物件は自分史上 最も手強い物件でした。

 

 

 

 

 

とある日 普通に車で走っていると 後ろから低いエンジン音が聞こえてくる。

バックミラーで見ると 車種は分からないけどヴィンテージっぽく 地に這うような低いボディにオープンカーという もの凄く珍しいシルエットだった。

 

 

 

右車線で横を過ぎていくときに どんな人が乗っているのか?と興味深く見ていると

『ガガッ』っと 車の左側に振動が走った。

 

 

 

 

どうやらちょっとよそ見した間に 左に寄ってしまってたようで ガードレールに車体を擦ってしまったようだった。

 

それだけなら良かったが(良くないけど) サイドミラーが折れて首が下を向いていた。

 

 

 

 

丁度こないだ 友人が接触事故で同様にミラーが根元から折れたとのことで

対物の保険に入ってなかったので ¥5万かかったと泣きそうな顔で教えてくれた。

 

自分のもおそらく修理に出せばそれくらいはかかるのだろう。

 

 

 

次に車を替えるまで どれくらい乗るのかは全く考えていなかったけど 

普段、節電のために『暖房中はドアは開けたらすぐに閉めろ』と言っているのに

こんな糞しょーもないことで¥5万も捨てたら 家族に申し訳が立たない。

 

 

家族用のなら修理に出すけど 自分一人用なのでまあいい。

 

 

 

 

 

幸いミラーの電動のケーブルが繋がったままで 機能しているので(だから道路に落として来なかった訳なのだけど(笑)

『折れた』という所さえ直せば とりあえずは乗れるだろうと思った。

 

 

 

というより、最初に車を降りて確認するまで 『どうやって直そう、、、?』としか考えておらず

ハナから修理に出すという頭がなかった。

 

 

 

 

ということで 直すためのプランを組み立てるために ”患部”を観察してみると

 

 

 

 

破片が飛び散って繋がらない訳ではなかったが やはり根元の方から折れているようだ。

 

 

 

 

 

 

なかなか厄介なので 猛烈に考える。

 

 

 

 

↑左の図 壊れる前に対して 

 

右のように途中から折れてくれていれば 『土台』があるので繋ぐのはいずれ容易いことだけど

 

 

 

こんな風に根元から折れていると くっつけるための土台がないので繋げようがない。

 

 

おまけに、意外とサイドミラーは重いので 中途半端な接着では重みですぐにちぎれてしまうに違いない。

 

 

 

が、幸いなことに

 

 

 

 

ここに僅かな引っ掛けるところが無くはない。

 

 

 

 

↑ この僅かな引っ掛かりに 赤の『土台』を作って接合し 

青のように強力なステンレスの針金で固めてしまえば 強度としては申し分ないはずだと思った。

 

 

 

 

この度、かなりお世話になったのが かの有名な『ゴリラテープ』

 

多種多様な用途に合わせて シリーズ展開されており 

今回はこれと

 

 

 

粘着力  強度  耐天候性 全てMAXで幅広いタイプ。

 

¥4000かかったが素晴らしい性能だった。

 

 

 

 

かなり肉厚なので 凹凸にも強いだろう。

 

 

 

が、テープで補強したり 土台を作ろうにも ↑こういった空洞ができていては 接着面が少なくすぐに剥がれてしまうことは明白。

 

 

 

なので 微細な2種類の砂と小石を乾燥させて 強度MAXの接着剤スーパーXで練ってパテを作り この空洞を塞いでしまう。

 

パテは市販でも売ってるけど おそらくこれの方が信用できる。

 

 

 

 

というわけで ゴリラテープの薄い方で仮止めして 底の空洞を埋めて2晩寝かせて固める。

 

 

 

 

問題は、、、 最も肝心な唯一の引っ掛かりと ミラーを繋ぐ頑丈な土台を何で作るか?(代用するか)ということなのだけど、、、

 

 

ここさえ押さえれば 力学的に強度は確実にクリアできるけど 丁度いいサイズの鉄板とかは無い。

 

 

、、、

 

 

あった。

 

 

 

かなり長いステンレスのビスがあり 根元が丁度、ボディの引っ掛かりにぴったりと収まるし

 

 

ここに青のようにグルっとステンレスの針金で巻いて補強すれば 絶対にフラフラとゆるむことはないであろう。

 

 

 

というわけで 叩いても、ある程度の力を上から加えても 

ビクともしないくらいの強度で繋げることができた。

 

 

 

パッと見はあまり分からない仕上がりで 電動の開閉は普通に使える。

 

 

 

ゴリラテープは二つで¥5500くらいだけど 実際に使用したのは総量の50~100分の1くらいで 

今後もコレじゃなきゃ直せないものは出てくるだろうし 何かと使うだろうからコストとしては決して高くはない。

 

 

 

 

 

自分が小学校一年の時 不注意でクラスの子の水筒を壊してしまったことがある。

 

 

といっても 底が少し割れただけなので破片は一つだけで

今の自分の発想と 現代の進歩した道具があれば 補修など造作もないことなのだけど

幼稚な子供には難しい件だったのだろう。

 

 

 

母親にはなかなか言えずに ひとり放課後遅くまで残って 教室にあったセロハンテープで直そうと試みた記憶がある。

 

 

 

 

それは、試しても試しても思うように部品が嵌まらないことの繰り返しで 賽の河原に石を積んでは崩されるような絶望感に泣きそうになった。

 

 

 

 

結局その時は完全にギブアップで 恐る恐る母親に伝えると一緒に違うものを買いに連れて行ってくれたけど

 

 

その時のトラウマのような焦りは それ以降、自分が何か難しい手作業に見舞われた時に 何度もフラッシュバックし

その度に、過去の自分へのリベンジを果たそうとしてきた。

 

 

 

小さいながら あの時に解決できなかったことはいつまでも悔しく残り

その後の自分のアイデンティティの一つを決定付けたのだろうと思う。

 

 

 

今では、 釘と針金一本あれば ほとんどのことはできる。

 

 

 

タイムマシンがあったら あの時の自分が諦めたあの水筒が どれほどの物件だったのかを もう一度見てみたい。

 

意外と難しかったりして、、、(笑)