ボケの要因はいろいろと多いけど 前回のような刺激や変化を求めない人は 誰が見ても若くしてボケてしまう典型例でしょう。

 

 

 

が、身近に『こんな人でもボケるのか⁉』と思うケースがありました。 それも過激に。

 

(それは私がその人のことをそこまで深く知らなかったからというのもあります)

 

 

 

 

それは私の義理の妹の『姑(70歳)』です。

 

 

 

義理の妹(Sさん)が嫁いだ先は まあまあ大きな会社を経営してたんですが 経営者のご主人が亡くなってから後を継いだ息子(Sさんの夫)が無能だったために 会社はあっという間に衰退していったようでした。

 

 

 

姑は後妻なので Sさんの夫は後にできた息子に当たり ご主人(先代)が40代半ばの時に生まれたので 

息子は私の一つ下の42歳ですが 先代は2年ほど前、80代半ばで老衰で亡くなられました。

 

 

 

 

 

その姑ですが それはそれは料理が上手で 私が以前宴会に呼ばれた時は 凄まじく豪勢で丁寧な料理を出されており

 

聞くところによればパン作りもされて 私と同様、お手軽なイーストを使わない”自家製酵母”まで使われてるというので

相当凝り性な人なのだろうと思ってました。

 

つまり、ボケにくい性質ではないか?と思ってた訳です

 

 

 

 

 

Sさんは長らくウチの店には来てませんでしたが つい最近、私がさせていただくようになり 

その施術の間に聞いた内情は壮絶かつ意外なものでした。

 

 

 

 

その姑は『こんな奴、ドラマでも出て来んやろ⁉』という 人として腐った人物だったんですが

息子が継いだことで 最終的に会社を畳むことになってから あっという間にボケが始まったようです。

 

 

 

 

Sさんは普通に公立の高卒で仕事も良く出来る方で 自立心が高く 自分の実力だけが信じられるという考えですが

 

姑はそこの2人の孫を幼稚園の時から私立に入れるよう強要し まだ結婚して間もなかったのでそこまで反発しなかったものの 今では金銭面も含め『無駄そのもの』と深く後悔してるそうです。

 

 

 

 

認知症が始まったことで本宅に同居するようになり 家の中をよく見るとティーカップや食器類は聞いたこともないような高級なメーカーで揃えられており 調理器具は”ティファール”一択など やたらとブランド志向が高い。

 

 

 

好きで仕事を掛け持つことで食事の用意はそこまで完璧にしないSさんに 専業主婦で時間を持て余す姑は

『お菓子は手作りすべし』とのたまう。

 

 

 

聞いてると、自家製酵母を作ってのパン作りは 決して探求心に因るものではなさそう

”良いもの”とされるものを義務感で揃えて作っているような感じに見受けられ 私とパン作りで深い話ができそうなタイプではなさそうでした。

 

 

 

 

そこまではいいのだけど 根本的に考え方が合わないというより ド平民で”田舎の娘”なSさんのことをそもそも好んでいなかったようで

 

息子の目の前で『ちゃんと(孫を)塾に行かせんと Sさんみたいな学歴になるよ』と 聞くに堪えないようなことまで言い出す始末。

 

ボケるとどうやらリミッターが外れてしまうようですね。

 

 

 

 

そういう姑に反発せず 奥さんを守れない息子は 悲しくも母親の気質を受け継いだマザコンで 本質の欠けた言動は経営に致命傷を負わせました。

 

 

以前ウチの子供をご飯に連れて行ってくれた時に 息子(夫)は私の子供に『~~も ちゃんと家の墓を守っていかなあかんぞ』などと 寒気のするような時代錯誤なセリフを吐いてたらしく

 

もし私がそこにいたら『人んちの子供にくだらん価値観教えてんじゃねえぞボケ!』と言っていたでしょうね。

 

 

 

 

で、先代が亡くなってからしばらくは 特にボケるといったことはなかったけど

会社を畳んでからというもの もの凄い勢いでボケ始めたので 最初は私も『ご主人の形見を失ってショックだったのかな?』と思ってました。

 

 

 

機械仕掛けのように正確な行動パターンで過ごした私のおじいさんは おばあさんが想定外に早く亡くなったその瞬間に 一撃でボケてしまったので(幻覚を見るまだら病になった)

大事なものを失うショックは さぞかし影響が大きいのだろうと思ってましたから。

 

 

 

 

話しを聞いていると そんな理由とは全く違うのだろうと感じました。

 

 

 

おそらく ”恐怖”による脳の萎縮 ではないでしょうか。

 

 

 

『もう、自分は何も持っていないのだ』ということを自覚しているのでしょう。

 

 

 

 

姑はボケてから育ちや学歴のことを これ以上なく分りやすく口にするようになりました。

 

『自分の父親は船の船長だった。 ”ただの”船乗りじゃないのよ』 とか。

それを聞くと『で、あんたは何ができんの?』と言いたくなります。

 

 

 

他には『自分は音大を出てる』とか。 

『てか、偉そうなこと言う割に 結局早くボケちまってるじゃねーの?』と またまたツッコミ所満載ですよね。

それに卒業しても その後大したキャリアがある訳でもないんですよ。

 

そういう実力の部分は見ずに 履歴書にかけそうなことだけを強調する。

 

 

 

 

そう思うと、先代との結婚も 会社と結婚したんじゃないか?などと勘ぐってしまってもおかしくはありませんよね。

 

 

 

 

だから怖いんでしょう。

会社は無くなり 残された息子は無能で 自分のキャリアも言わないだけできっと自信はない。

 

あれだけ料理が上手かったのに。  自分でできることに自信や楽しみをもっと見いだせていたら もっと有意義な老後を送れたと思うのだけど、、、。 

 

 

 

認知症について書かれた本には『プライドの高い人はボケやすい』とありましたが

これほど教科書通りボケるのも珍しいくらいじゃないでしょうか?

 

 

 

周りを固めてきた 自分以外の見栄が無くなることを何より恐れ

それが無くなった途端に恐怖でボケる。

 

 

 

子供でも言わないみっともない言葉を10分置きに吐いて さっき入った風呂も食事も覚えていない自分の崩壊っぷりに気付かないのが ボケのせめてもの効用ですかね。

 

ま、”等身大”がいいってことですよ。

 

 

 

 

私の母親は完全にその(姑の)真逆のタイプで 直接の身内にもそういう人がいないのは救いです。

 

 

もしいたら、、、どうしてるでしょうね??驚き