いつものことだが、ホテルの予約もなく、キューバへ行った。
ガイドブックも持たずに行ったキューバ。
ハバナ空港に着き、とりあえずタクシーに「旧市街の安いホテルに」と告げる。
事前の情報で、キューバのホテルはおおむね50ドルはすると聞いていた。
安いところでも。
はっきり言って高い。
周辺の中米諸国と比べ群を抜いている。
現地の生活水準、物価水準と比べると考えられない。
また追って詳細を書こうと思うが、キューバは、「外国人からお金をしっかり取る」という方針がある(ようだ)。
色んなものに、現地人料金と、外国人料金が設定されていて、当然、外国人料金が高い。
ホテルは外国人向けのものだから、現地物価の水準より高くなる。
さて、そんなホテルに覚悟を決めて向かった私。
外から少し覗くと、ホテルマンは暇そうにしている。
カウンターの向こうには、たくさんのカギがぶら下がっていて、ほとんど空室、ガラガラのようだ。
そんな様子を確認して中に入ると、ホテルマンから予想外の一言が。
「満室です。」
そして、続けざまに
「でも、私の友人の家に泊まれるから、紹介しますよ。一晩15ドルです。」
社会主義経済の、表と裏。
ホテルマンにしてみれば、自分が働いているホテルが満室になろうが、空室だらけだろうが、給料は変わらない。
それが社会主義。
だから、裏の経済が動く。
旅行者を自宅に泊めて宿泊料を稼ぐ人。
そこに旅行者を紹介して紹介料を稼ぐ人。
私はこのホテルマンが紹介する個人宅に泊まった。
かなり小慣れていて、宿泊先として何の不満もない。
中米の安宿よりも綺麗なくらい。
宿泊先の主人は「次はどこの町にいくのか?」と聞いてくる。
「◯◯だ」
「そこなら友人の家を紹介するよ」
「あ、やっぱり△△にしようかな」
「そこも友人がいるから紹介するよ」
どこの町にも友人がいる、、、わけもなく、そうやってビジネスネットワークが構築されているのだ。
こんなことを繰り返しながら、キューバ旅行はすべて個人宅の宿泊で完結する。
あとで聞いた話では、個人宅でも、政府公認の民宿と、そうでないのとがあるそうだが、旅行中はそのどっちなのかはわからなかったし、どっちにしろ、紹介ビジネスの中にあり、宿泊料の相場はあってないようなものだった。
ざっくり言えば、ハバナが15ドル、それ以外と都市は10ドル、それに食事付きだとプラス5ドルといったところか。
ボロい家ならもう少し安かった。
ちなみにこの個人宅でちょっと辛いのは、夕食時。
その家族と一緒に食べたりすると、「プラス5ドル」を払う私は客人であり、ちょっとした肉料理(鳥モモとか)がついたりするのだが、家族にはそれがなく、子供たちが恨めしそうに見たりするのだ。
こうやって紹介ビジネスで小銭稼ぎをするお宅でも、やっぱりキューバの庶民の生活は苦しいのだ。
いずれにせよ、見知らぬ個人宅を泊まり歩くキューバの旅行。
たぶん世界でここだけだと思う。
旅人ふちがみ
HP→