「美しすぎる」なんて、もうやめましょう | ふちがみ猛志ブログ『堺から世界へ』

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堺市議会議員ふちがみ猛志の日々の活動・政策やふと思ったことをつづるブログ。

このニュース記事をご覧になられて、、、
 
いや、このニュース記事の「タイトル」をご覧になられて、皆さんはどう思われますか?
 
 
 
これは怪しい出所不明の記事でも、週刊誌の記事でもありません(週刊誌の関係者には失礼ですがお許しを)。
 
日本では「4大紙」あるいは「5大紙」と呼ばれ、それなりの方々が信用を置いているであろう『産経新聞社』のネットニュースなのです。
 
 
◾️資質ではなく外見
堺市議会で起こった1300万円にのぼる、政務活動費の不正事件。
 
その渦中にあるのが、維新の会にいた小林由佳議員です。
 
これまでこの問題が発覚し、問責決議がなされ、百条委員会が発足し、本人を二度にわたり証人喚問し、議員辞職勧告決議がなされ、リコール運動が始まり…
 
と、たくさんの段階を踏んで今日に至り、それが都度都度に報道されてきました。
 
そして、産経新聞社はネットでのそのニュース記事のすべて(私が見た限り)に、
 
『〝美しすぎる〟堺市議』
 
というキーワードを付してきたのです。
 
 
 
議員の外見って、そんなにニュース価値があるんでしょうか?
 
この問題の本質に、彼女の外見が関係あるんでしょうか?
 
 
 
いや、ひょっとしたらあるのかもしれません。
 
もし、あるのだとしたら、それは(彼女に限らず)こうしてメディアが議員の外見をいちいち囃し立て、そうした空気の中、少なからぬ有権者が「資質ではなく外見で」彼女を選んでしまったことではないでしょうか。
 
私はそう思っています。
 
 
私もこの世界にいて、「資質ではなく外見で」判断する有権者がいることを否定はしません。
 
選挙はイケメン・美人の方が絶対に有利です。
(もちろん、逆に「イケメンは信用できない」などと、外見によってそういう判断をする人もいるかもしれません)
 
しかし、それは本来の選挙のあるべき姿ではありませんし、『少なくとも』メディアがそれを助長してはならないと思います。
 
 
◾️社会によるセクハラ
そもそも、この表現は彼女にとっても失礼です。
 
彼女自身もこうした形でレッテルを貼られたくないでしょう。
 
外見がどうかに関係なく、この問題では彼女は批判をされるべきです。
 
一方で、例えば、堺市の病児保育で空室状況がネットで見られるようになりましたが、これは彼女の提案によるところが大きく、この点は評価されるべきだと私は思っています。しかしこの提案に「女性議員であること」は関係していたとしても、「美しいかどうか」は全く関係ありません。
 
 
このニュース記事がネットに出た時には、必ずと言っていいほど、彼女の外見に対する極めて主観的なコメントが、ネットユーザーから投げかけられていました。当然、彼女の目にも触れていることでしょう。
もはやこれは、「社会によるセクハラ」と言っても過言ではありません。
 
そしてその発端が、事もあろうに大手新聞社である産経新聞なのです。
 
 
◾️モラルよりもお金
産経新聞の社内では、「美しすぎる〇〇記者」とか、「美人の総務の〇〇さん」とか、そんな呼び方がオフィシャルな場で認められているのでしょうか。
 
よもやそんな会社は、この日本社会には存在しないはずです。
 
自分たちの社内では認められない呼び方を、社会に向かって発するとはどういう魂胆でしょうか。
 
 
私はある時、産経新聞の記者(それも女性記者)と会話する機会があったので、この件について抗議しました。
 
「恥ずかしくないのか?女性として、ジャーナリズムに関わる者としてどう思うのか?」
 
と。
 
彼女は言葉を返すのに苦労し、忸怩たる思いが滲み出ていました。(このタイトルを決めた記者ではない)
 
しかし、そこで彼女がなんとか発したのは、
 
「(インターネットの)アクセスを上げなければなりませんので…」
 
というものでした。
 
 
アクセスを上げる、つまり、ニュースサイトの広告収入を増やすためなのです。
 
たしかにこう書けばアクセスは上がるでしょう。
 
単に「維新の会 堺市議」とタイトルに書いても、たいていの方はあまり興味を持ちません。
まして、堺市外、大阪府外ならば。
 
しかし「美人すぎる堺市議」と書けば、多くの方が「え?どんなに美人なの?」とそのサイトを覗き、写真を見たくもなるものです。そしてアクセスが上がり、広告収入も増えるのです。
 
 
ニュースの本質や真実を伝えることよりも、無関係な部分を脚色し、いわば彼女を見世物にすることによって、産経新聞はお金を稼いでいるのです。
 
そこに、ジャーナリズムとしてのモラルはあるのでしょうか。
 
 
◾️メディアの社会的責任
メディアは大変大きな社会的責任を背負っています。
 
個人が情報発信できるようになったネット社会でも、政治に関する情報の圧倒的大部分が、大手メディアを通じて届けられています。
 
政治家を持ち上げるのも、落としてしまうのも、大手メディアにとってはワケもないことです。
場合によっては政権を崩壊させるくらいの力ももっています。第四の権力とすら言われる所以です。
 
 
国民の政治に対する意識を醸成するのも、メディアの大事な役割です。
 
イロモノとして政治を捉えるのか。
あるいはそうではないのか。
 
 
できる限り市民の皆様には、上っ面の事象ではなく、(私に対しても含めて)政治家の本質の部分、政策、信条、人格、実績等々に、少しでも目を向けてもらいたい、そこで判断してもらいたいと思っています。
そう見てもらうために、私なりにも努力はしています。
そして多くの政治家が、そんな努力をしています。
 
ですが、なかなかそこは私たちの努力だけでは市民には伝わりにくいものです(公選法による限界もあります)。
 
だからこそ、私たちと市民とを繋ぐメディアの皆さんには、、
 
「政治家の本質の部分を伝えて!」
 
と言いたいのですが、一市議会議員でそこまでは言えません。
 
だからせめて、
 
「本質を捻じ曲げて伝えないで!」
 
とだけお願いをしたいと思います。
 
 
産経新聞さん、「美しすぎる」なんて、もうやめにしませんか。
 
 
 
 

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