皆さんこんばんは。今日はこれまでも何回かご紹介したことのある「The China Academy」という中国の雑誌に載っていた「How China Won the Soybean War Against the U.S.(中国はいかにして米国との大豆戦争に勝利したか)」(2025.2.28)という記事をご紹介しようと思います。

 著者は「中国版YouTubeとも言われるBilibiliのコンテンツクリエイターで、48万人のフォロワーを持つ」人だそうです。しかし、ありがたいですねえ。日本をはじめとする西側マスメディアは、「真実の報道」などというものはもはや考えようともしなくなり、ひたすら自分たちに都合のいいプロパガンダを行なって、読み手を洗脳しようとします。

 しかも、日本人ときたらあっという間にそれに引っかかります。あまりにも簡単に騙されてしまい、その結果が、政府発表では国民の80%もが毒ワクチンの接種という数字に表れました。この騙され方はウクライナ戦争でも同じで、日本人はいつでもどこでも騙されるチョロイ奴らと思って間違いないようです。

 西側、特に日本の報道に接していると、あまりにも自分たちに都合のいい報道ばかなのでうんざりしてきますが、そんな時に中国の雑誌の記事は最高です。私も騙されやすい日本人の一人ですから、中国人の書いた記事がどこまで本当なのかはよく分かりません。案外真っ赤な嘘かもしれません。

 しかし、大切なことは、中国の雑誌の記事は中国からの視点で書かれていますから、西側のプロパガンダ記事ばかり読んで食傷している私にとっては、大変に新鮮に映ることです。「下から見て真ん丸だったものを、横から見たら三角だった、どっちが本当?」みたいなことですよね。そして、正解は円錐だったというような。

 それにしても、皆さん中国のことがとても嫌いみたいですね。政治家が中国に行こうものなら「X」では批判する声で溢れます。まあ、自民党の政治家は誰であっても胡散臭いのでそれでもいいかと思いますが、でもですね、日本の1番の貿易相手国は中国であることを忘れているのではないでしょうか。

 先入観なしに考えるならば、貿易の相手国としてNo. 1の国であるならば、もっと大切にしてもいいような気がします。おまけにですよ、中国との貿易をするためには、商取引を行う上でも、工場が進出して生産を始める上でも、中国人との意思疎通を図り、お互いに納得した上で仕事を始める必要があります。また、それは1回で終わりではなく、何年もコミュニケーションをとりながら付き合いを続けていくことが普通です。

 日本か中国か、どちらかが無茶なことをすると長続きはしません。中国進出の初期の頃は、中国で起業しても身ぐるみ剥がされて戻ってくるだけというような噂もありましたが、また、それに近いようなことがあったということも聞きましたが、それでも、現在に至るまで盛んに貿易が行われているということは、なんだかんだ言いながらうまくやっているということでしょう。

 企業活動を行いながら、何年にもわたりお互いに利益を得ているのですから、日本と中国とは歩み寄れる関係、共存できる関係であることが分かります。決して敵ではないはずです。そこを敵国であるかのようにプロパガンダを行うのは、アメリカのネオコンであり、日本政府であり、マスメディアになります。そして、日本人は赤子の手をひねるように騙されます。

 私は中国のファンでもなければ、応援しているのでもありません。しかし、私の身の回りは中国製品であふれています。アップルのコンピュータ、それに繋がっている4Kディスプレイ、スマホも、充電器も、乾電池も、その他数え出せばきりがないでしょう。

 どうなんでしょうか。みなさんは嫌いな国の製品を渋々使っているのでしょうか。そんなことありませんよね。「安くて結構いいもの作るじゃないか」と思っているはずです。(たまに粗悪品にぶつかりますけど。)それなのに、皆さんなぜ中国のことが嫌いなのでしょうか。

 右翼の人は尖閣諸島の問題を気にしているかもしれません。しかし、右翼の人には申し訳ありませんが、それも見当外れです。尖閣諸島は、石原都知事が騒ぎ始めるまでは、小康状態だったのですよ。田中角栄と、周恩来との間で、尖閣問題は棚上げするということで合意がなされていました。

 それを騒ぎ始めたのは、おそらくCIAからの指示があったのでしょう。そして、中国に直接喧嘩を吹っ掛けたのは、故石原都知事と、島を買い取って国有化した増税大好き人間の野田佳彦(当時総理大臣)です。以来、現在に至るまで日中関係はすっきりしません。日本が約束を破ったせいです。

 もちろんそれはアメリカの対中国戦略でした。アメリカにとって日本とドイツは同盟国でありながら、敵国という側面もあります。その日本が、中国と険悪な関係にあるというのは、アメリカにとって実に旨味のある話です。中国を牽制できますし、日本の繁栄を防ぐこともできます。一粒で2度美味しいということですね。

 そのような意味では、アメリカは大変にずる賢くて、日本の隣国である、韓国、北朝鮮、ロシアとも紛争の種を蒔いて、融和させないようにしています。実に見事です。日本が綺麗に嵌められているように思えます。

 前置きがずいぶん長くなりましたが、今回の記事はアメリカがいかにして中国を騙そうとしたか、中国がどのようにしてそれを回避したかという内容になります。最近の日本のコメ騒動を連想させるような面もあります。

 ではご紹介していきましょう。話題は中国の大豆の輸出入に関してです。もともと中国は人口に比べて大豆の生産量が少なく、輸入に頼っていました。しかし、かねての希望どおり、2001年にWTOに加入することが認められたために、主にアメリカ産の安い大豆が大量に中国に輸入されたそうです。そこまでは大変に平和で、文句のつけどころがない話になります。(ちなみに、2001年の中国の大豆の生産量は1540万トン、輸入量は1390万トンだったといいます。一方、日本の2020年の大豆生産量は約21万9000トン、自給率はたったの7%だそうです。)

 しかし、そこからアメリカの作戦が始まりました。まず何が起きたかというと、アメリカからの安い大豆が大量に輸入されたことによって、中国の大豆生産量が激減したそうです。価格競争に負けるためです。そうやって中国大豆の生産量を減らすことが作戦の第一段階だったようです。

 そのようにしておいて、2003年8月の大豆収穫の1か月前になって、アメリカ農務省は突然「干ばつにより大豆の収穫量が大幅に減少する見込み」と発表したそうです。お分かりになりますよね、もう笑ってしまいます。

 中国は安いアメリカ産大豆をあてにして、国内生産をストップさせたというか、自然にそうなったのでしょうが、そうした途端に、アメリカは「アメリカにも大豆はない」と言い出したということです。それで何が起きたかといえば、もちろん大豆の高騰です。それまで、1トン300ドルだった大豆が、600ドルという倍の価格に跳ね上がり、翌年には750ドルの高値をつけたといいます。

 しかも、アメリカはさらに手の込んだことをします。大豆が足りない事態になって、中国の企業は大慌てでアメリカの大豆を高値で長期契約したそうです。その頃合いを見計らって、アメリカ農務省がしたことはといえば、「大豆不足は統計上の過ちであり、実際には特段の不足はしていなかった」と発表したそうです。

 いやあ、ますます笑ってしまいます。中国が損をする話なので無責任に笑ってしまいますが、もしこの対象が日本だったのであれば、2回目の真珠湾攻撃をしたくなるところです。気をつけなければなりませんね、アメリカには。

 さて、中国にとって問題だったのは、とりあえず大豆があるということは判明したものの、高値での大豆購入の契約をどのように処理するかです。アメリカに在庫があると分かったのですから、大豆は再び安くなりました。ですから、契約どおり大豆を購入しては大損です。しかし、契約を破棄すると、その契約不履行でやはり莫大な違約金を払わねばならず、これも大損です。

 アメリカの穀物商社は、54億ドルの違約金を要求したそうです。その結果、中国に1000社ほどあった大豆加工会社のうち、倒産しなかったのは90社ほどだったといいます。生き残った会社のうち、64社は外国投資家が支配していたそうです。

 おまけに、大豆が足りないという情報で、中国の農家は大慌てで大豆の作付けを増やしたそうなのですが、その大豆の収穫時期には価格は元の安値に戻っており、高値を見込んで作付けした農家は大損をしたそうです。

 まるで絵に描いたような詐欺ですね。そんなことを、世界一の覇権を握っているアメリカがやったのですから、本当にアメリカは下品な国ですね。このような話を聞くと1991年のソ連が崩壊後、アメリカ資本がロシアに入り込んで実質略奪をしたために、ロシア人男性の平均寿命が10歳も短くなったという話も、あり得ることのように感じられます。ひどい国です、アメリカは。

 さて、そんな詐欺被害にあった中国はどうしたのでしょうか。在庫の量を増やしたそうです。2008年までは、アメリカは大豆の供給を減らしたり増やしたりして価格を操作をしようとし、中国は負けじと備蓄されている大豆を放出して価格の安定を図ることで対抗したそうです。

 そのような中でも中国は大豆の備蓄を着々と増やし続け、現在は必要十分な在庫量を確保しているといいます。そこで何が起きたと思いますか? 大豆の価格が安定したのはもちろんですが、アメリカの自然災害がなくなったそうです。お分かりになりますでしょうか。

 それまでアメリカは自然災害名目で、大豆の供給を絞り、価格を吊り上げていたのですが、中国が十分な備蓄を持ったせいで供給量を操作しても儲からなくなりました。その結果、嘘の自然災害を持ち出す必要もなくなったということです。

 こんな話を読むと、ああ、中国も大変だなあと同情してしまいます。やはり世界の悪はアメリカですね。他の国はみんな被害者です。私は、BRICSなどは「アメリカ被害者の会」であると思っていますが、あながちハズレではなさそうです。

 ところで、ここまで読んだ方は思い当たることがあるかと思います。そうです。日本のコメ不足と価格の高騰です。いまだに理由は不明です。あれこれ推測はありますが、なぜこんなことになっているのか、分かりやすい説明はないように感じます。

 しかし、今回この中国の大豆戦争の記事を読んで、私は「はああ、アメリカにやられたな」と感じます。どこをどう考えたところで、不作でもないコメの価格が一挙に倍になることは考えられません。そして、そんなことをするのはアメリカ以外に考えられません。

 日本政府も、特に農林水産省は真相を知っているでしょう。しかし、「アメリカにやられてしまった」などということは口が裂けても言えないのでしょうね。すっかりアメリカに支配されて、ウクライナ戦争からでさえ退却することが許されない日本です。コメに関しても、抵抗するとその報復が怖くてできないのでしょう。

 あるいはことによると、日本政府とアメリカが結託してコメの値段を吊り上げ、儲けを折半している可能性もありますね。日本にとっては実質増税したも同然です。絶対に真相は明かさないでしょうが・・。

 まあ、その辺りは私の想像でしかありませんが、せめて今年は米不足が起きないようにしてもらうことと、作付けを増やして、価格の高騰を抑えてほしいものです。しかし、米の高騰がアメリカとの共犯で行われたものであったとすれば、日本政府は今年も何の対策も打つことなく、米の価格は高止まりしたままでしょう。さあ、どうなりますことやら。日本政府の犯罪はばれるでしょうか。