天は自ら助くる者を助く

——イギリス発祥の古い格言



 高市早苗は大変に不思議な人で、よく分からないのですよね。そのせいもあって、多くの日本人がコロリと騙されてしまったのでしょう。というか、今でも騙されている人の方が多いのかもしれません。

 一体、高市早苗という人間はどこがどうなっているのでしょうか。散々世間を騒がせてきましたが、彼女は何を意図しているのでしょうか。そのような疑問に対して、今回は"趨勢(すうせい)におもねる"という視点から高市早苗を見ていきたいと思います。

 ちなみに"趨勢(すうせい)"とは、「物事が移り進んでゆく様子。また、そのいきおい。なりゆき。動向。」のことをいいます(精選版 日本国語大辞典)。外来語でいえば「トレンド」ですね。

 また、"おもねる"とは、「他人のきげんを取って、気にいられようとする。追従(ついしょう)する。へつらう。おべっかを使う。」という意味だそうです(精選版 日本国語大辞典)。

 つまり、「趨勢におもねる」とは、流行に合わせることで気に入られようとするということでしょう。そういえば武器輸出に関して、高市早苗は国会答弁で「もう時代が変わった」と述べたそうですが、いかにも趨勢におもねる高市早苗らしい発言のように感じます。単に流行が変わったという指摘に過ぎず、本質を問おうとしていません。

 以前、NEWSポストセブンの記事「高市早苗首相が34年前に出版した“あけすけ恋愛エッセイ”〈ホテルで“飲みィのやりィの”〉〈思い出すと……ウフフフ〉再注目される著書に記された一人の女性としての思い」をご紹介したことがあります。

 これは高市早苗自身が書いた「30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる」(大和出版)というエッセイを紹介した記事でした。

 エッセイの中で高市早苗は「それまでの恋愛の中でも〈とびきり甘い思い出〉として、〈ワイン通の恋人〉と一緒にフランスのリゾート地・カンヌで過ごした日々を回想して」いるそうです。

 そこには〈彼がすばらしいテクニックを持っていることは言うまでもない。トコトン、快楽の境地におぼれられる相手じゃないと、話にならないわけ。いまでも思い出すと……ウフフフになってしまう〉と書かれているのだとか。

 何も高市早苗が性的に奔放である、ふしだらであると書きたいのではありません。この"のり"の良さに注目したいと思います。素晴らしいのりの良さだとは感じられませんか?

 カンヌは映画祭でお馴染みの、世界的に有名な高級リゾート地です。当時の日本はワインが大ブームだったはずです。ホテルの窓からはヨットが見えていたかもしれませんね。ヨーロッパにしては強い日差しと暖かい南風。素晴らしいテクニックを持っている彼は、白人のイケメン男性だったのでしょうか。何もかも一流で、なんだか映画の"007"に出てきそうなシーンですね。高市早苗が美人でないことを除けば、100点満点ではないでしょうか。

 なるほど、問題はそこなのかもしれません。彼女は能力的にも、外見上も自分が見劣りする存在であることをよく自覚していて、それを補おうとして行動している可能性がありますね。例えば、組閣する上でも表面的な人気の高い小泉進次郎や小野田紀美を持ってくる、能力的な面では片山さつきという東大卒ー大蔵官僚という秀才を当てるなどですね。そのような人事によって自分の凡庸さを隠し、のりを良くしようとするのでしょう。内容は関係ありません。

 ことによると高市早苗自身はのりの悪い人かもしれません。全体的なイメージとしては"無愛想"ですよね。仏頂面をしての国会答弁など、なかなかあれだけ無愛想な人もいません。愛嬌のなさでは石破茂もなかなかのものですが、高市早苗は不貞腐れますからねえ。石破茂は不貞腐れはしなかったように思います。

 おや? 書いているうちに矛盾してきましたね。高市早苗ののりの良さ、それは「昭和100年記念式典」において、天皇の前で酔っ払いのオヤジのように歌い始めるといった面でもそうなのですが、その一方では国会答弁で不貞腐れたり、国会への出席を嫌がったり、記者会見に応じようとしないなど両極端な面を見せます。どちらが本来の高市早苗なのでしょうか。

 私の経験上でいえば、そのような人は無愛想であるのが"素"のような気がします。その一方で、彼女の愛想笑いの気持ち悪さといったらありません。あれは、本来ニコリともしたくないところを、無理やり顔を歪めて笑顔を見せることから生じる気持ち悪さなのでしょう。見ていて虫唾が走ります。気持ちと表情が完全に乖離しているからです。

 高市早苗には自然に内面から滲み出てくるような人の良さとか、愛嬌、親切、おせっかい、気遣いなどといったものがうかがわれません。それに近い面を見せる場合は、すべて意図的に作られたもの、脚色されたものと考えていいでしょう。本来的には、シンデレラの継母のような人格と思っていいのではないでしょうか。

 今年の2月、太田光から質問を受けた高市早苗は「なんか意地悪やな」「うーん、これから必死でやろうとしている私に対して、すごい意地悪」などと返答する場面がありました。意地が悪いのは高市早苗ですね。だから他人も自分同様に意地が悪いように見えるのでしょう。

 とすると、また疑問が生じます。誰が"無愛想で意地の悪い高市早苗"を笑顔にさせているのかという疑問です。私はこれまで、高市早苗に日本人が見事に騙されているのを見ながらずっとイライラしてきましたが、そのせいで、誰が高市早苗を操っているのか考えたことがありませんでした。

 しかし、高市早苗の凡庸な能力で、あそこまで日本人を騙すことはできません。手口が大胆で思い切りが良過ぎます。今年2月の総選挙での大勝がそうでした。あれは大勝できると見通すことができていたために、常識では考えられないタイミングで解散総選挙を行なったと考えるのが自然でしょう。

 誰がそんなことを見通した上で、思い切りよく解散総選挙ができるでしょうか。そうやって考えていくと、高市早苗のバックについているのはCIA(アメリカ)であると考えるのが良さそうです。

 逆に考えると、CIA以外で誰がそんなことを考え、実行できると思いますか? いないでしょう。不正選挙の疑いも消えませんが、それもCIAならばやるでしょうし、できるでしょう。もちろん、高支持率を常に叩き出す世論調査もCIAの差し金です。

 例えば、高市早苗は何があったというわけでもないのに、国会の答弁を使って中国に喧嘩を売り、それっきり事態の収集を図ろうとしません。ロシアとはかねてより敵対的です。また、石油が不足しているのにイランとの交渉をしようとしません。誰がそんなことを高市早苗にさせるのかと考えた時、その答えはどうしてもCIAになるでしょう。

 日本もずいぶんと難しいことになっているようです。CIAが企画したシナリオに沿って、中国に喧嘩を売り、ロシアとの敵対関係を続け、洗脳とネット操作と不正選挙によって自民党が大勝し、イラン戦争もアメリカ側に付いて石油を拒否しています。CIAのやりたい放題であり、日本にはそれに抗う力がありません。

 しかも、アメリカは沈みゆく帝国です。そうやってアメリカの指示のままに都合よく動かされていると、使い捨てにされるか、良くてもアメリカと一緒に沈んでいくくらいしかできないでしょう。

 でもまあ、そんなに慌てる必要はないのかもしれません。明治維新で日本は、徳川幕府からイギリスに乗り換えました。昭和20年(1945年)にはアメリカに乗り換えました。自立(独立)することなどは最初から考えておらず、その都度一番良くしてくれそうなご主人様に隷属するというのが、日本の、あるいは日本人の生き方なのかもしれません。

 ちょっと情けないような気もしますが、特に男としては最低の生き方をしているような気もしますが、それは与党の政治家を見ても、野党の政治家を見ても分かることです。現在の日本人の、独立の気概どころか全くやる気のない顔つきをを見ると、打つ手がないような気がします。麻生太郎以下、情けない顔ばかりが並んでいます。そして、その筆頭が高市早苗でしょう。口では何か言うこともありますが、目ぼしい行動は何一つしません。

 いずれアメリカも衰退して日本から手を引き、中国やロシアが乗り出してくるときに、日本にとっていい方向への変化が起きることを期待するしかないのかもしれません。徳川幕府がダメならイギリス、イギリスがダメならアメリカ、アメリカがダメなら中国、中国がダメならロシア。そんなふうに宿主を変えていくのが日本人の生き方でしょうか。