今回は耕助のブログから「機械の中の幽霊」という記事をご紹介します。著者はJames Howard Kunstlerで、私の書きたいことを書いてくれることが多い人です。アメリカの作家、社会評論家、講演者、ブロガー、保守系論客であり、現在75歳。ニューヨークのハイスクール・オブ・ミュージック&アートを1966年に卒業し、ニューヨーク州立大学ブロックポート校で演劇を専攻したという変わり種です。

 大学卒業後は、いくつかの新聞社で記者や特集記事を担当し、最終的には『ローリングストーン』のスタッフライターとなりました。また、ハーバード大学をはじめとする大学などでの講義を行っていたといいます。

 その後は小説家として活躍したようで、最近では、新型コロナのパンデミックを「詐欺」と呼び、ワクチン接種に関しては初期の頃に「数週間から数か月にわたって着実に人々を殺す」と述べたそうです。また、トランプ及び共和党を支持しているようです。

 そんなKunstlerの今回の記事は「
機械の中の幽霊Ghosts in the Machine」(2024.9.6)で、よくまとまっていて分かりやすいので取り上げようと思いました。原題は「Ghosts in the Machine」ですが、私のイメージとしては幽霊ではなく、 " お化け " の方がいいかな。

 では早速内容をご紹介していきましょう。最初にEdward Dowdという人の言葉が引用されています。Edward Dowdは「X」でたくさんポストしていますが、引用されたのがその人のものかどうかの確認はできませんでした。

 「昔も今も、嘘というものには呆れるばかりだ。嘘に踊らされ続ける人々にはなす術がない。国民にばら撒かれた嘘という毒は、長い間私たちを苦しめるだろう。」

 2024.2.24プーチン大統領はロシア国民向けの演説で「いわゆる西側陣営全体が、まさに「嘘の帝国」である」と語っていますが、それを思い起こさせるフレーズですね。(「
【演説全文】ウクライナ侵攻直前 プーチン大統領は何を語った?」2022.5.25 NHK国際ニュースナビ)


 本文に入ります。以下訳文を青字、私の感想等を黒字で書きます。
 「
私たちの国アメリカが、テーマパークのお化け屋敷のようなものになってしまったのはなぜだろうか。あらかじめプログラムされた恐怖、わめき散らすホログラム、髪に火のついた幽霊、地獄を垣間見せるためにドアがバタンと開き、不吉な風と悪臭が漂い、そして、生きる屍による活人画(タブロー・ヴィヴァン)で最高潮を迎える。

 意味がつかみにくいのですが、アメリカという国が、テーマパークのお化け屋敷のような演出でアメリカ人を怖がらせているということなのでしょう。怖がらせているのは、民主党政権、ネオコン、グローバリスト、共産主義者などになると思いますが、先を読んでいきましょう。

 「
驚くかもしれませんが、そんな中にいながら正気でいることもできます。どうやって? 自分の仕事を誠実にこなす。真実の方向へ進み、偽りの方向から遠ざかる。自分の才能を発見し、それを他人に害を及ぼさない方法で使い、自分の存在意義を見つける。気の合う仲間を求める。一緒にいる人を愛し、安心できるように一生懸命働く。ここにいられることに感謝を表す。それがスタートです。

 このあたりは、常識的というか、旧来の価値観というか、アメリカ民主党や、グローバリストや、共産主義者などと一線を画するところでしょう。私は戦後の学校教育で、これと同様のことをいつも教わってきたように思います。今現在の日本では教えられていないのかもしれませんね。でも、時代が変わったとしても大切なことです。

 「
狂気の沙汰を好むなら、人々を追い詰め、国家を破滅に導くことに専念している民主党の現体制が常に存在している。もちろん、今や極限の状況において、民主党はただ動揺するインテリ・グローバリスト勢力のために妨害工作をしているに過ぎない。彼らの計画は、膨れ上がる債務と自身のプロパガンダを信じすぎたことにより挫折し、圧倒されている。その多くは犯罪行為に関わっており、それは常にその報いを受ける可能性を伴っている。

 抽象的な表現ですので、実際に何を意味しているのかはよく理解できません。アメリカ民主党とグローバリストの癒着や、彼らが狂っていること、民主党とグローバリストは自分で蒔いたプロパガンダに自分で酔って溺れており、行っていることは犯罪的であるとの指摘もされています。

 他人事とは思えません。なぜなら日本の岸田総理、河野太郎や小泉進次郎、上川陽子など、総裁候補者の中にもアメリカ民主党ベッタリ、ネオコンベッタリ、グローバリズムベッタリの政治家が存在しており、将来の日本を危うくしているからです。

 「
ロシアはウクライナの残党を滅ぼすところだ。アメリカ国務省のネオコン部門は、2014年にウクライナでちょっとした行動を起こし、ロシアを挑発してNATOとの破滅的な戦争( " あなたと彼を戦わせよう " というゲーム)に引き入れた。さらに甘い見通しの下で、ロシアを破壊し、プーチン氏を退陣させることが極めて賢明であると考えた。しかし、うまくいかなかった。その理由をご存知だろうか? それは実に単純な話であり、ロシアの指導部はアメリカの指導部よりも賢く、精神異常者ではないからだ。ロシアは、アメリカが自滅しているだけであると正しく認識した。

 おや、ロシア・ウクライナ紛争の話題になりました。Kunstlerの表現は身も蓋もありません。「ロシアの指導部はアメリカの指導部よりも賢く、精神異常者ではない。彼らは、アメリカが自滅しているだけであると正しく認識した。」のだそうです。私もKunstlerと同じことを感じているのですが、なかなかこのように端的に表現することができません。

 「
2014年から10年たった現在、ウクライナ紛争はアメリカのネオコンにとって屈辱的な結末を迎え、NATOとEUにとっては破滅的なものとなった。今年これまでのところ、「ジョー・バイデン」の政党はウクライナへの関心を失っているようだ。きれいな黄色と青の旗はほとんど消えた。ただし、合衆国で最も「教育(洗脳)水準」が高く、最も狂気に満ちたマサチューセッツ州を除いては。火曜日の大統領討論会でカマラ・ハリスがアメリカのウクライナ戦争政策をどう説明するか興味があるが、民主主義を守るためと言い逃れるだろう。

 日本と同様に、アメリカでもロシア・ウクライナ紛争の話題は下火になっているようです。少しでもアメリカに勝ち目があるとなれば、プロパガンダに輪をかけて大宣伝を行うはずですが、もはや話題にもできないくらいに負けが込んでいるということでしょう。とはいえ、自分たちが自業自得のバカな真似をしたと認めるところにまでは至っていないですね。

 「
EU 主要国の政府は、愚かにもアメリカの精神異常者ネオコンの命令に従ったが、国民が EU 諸国の経済の破壊に目覚めるにつれ、その責任を取らなければならなくなる。早晩選挙が実施され、グローバリストの傀儡政権は一掃されるだろう。この混乱は、革命の年である 1848 年の混乱と重なるだろう。NATO は、目的がないだけでなく、ヨーロッパの幸福にとって有害であることが判明し、周辺諸国が脱退し、BRICs経済圏への参加を求める中、解散せざるを得ない。ドイツ、フランス、英国は、何百万人もの敵対的な移民と闘いながら、新たな大恐慌と社会的混乱になすすべもなく巻き込まれる。

 いやはや、胸が空くような大予言ですね。アメリカネオコンに従ったヨーロッパは全滅すると言っているようなものです。ヨーロッパ各国で政権交代が起き、NATOは解散になると予測しています。また、移民を積極的に受け入れているドイツ、フランス、英国は、何百万人もの移民と闘いながら、新たな大恐慌と社会的混乱になすすべもなく巻き込まれるのだそうです。

 これがヨーロッパだけの問題であれば高みの見物と洒落込みたいところですが、残念なことに日本の自民党政権も、アメリカネオコン、そしてグローバリストの傀儡政権です。自民党だけならまだ救いがありますが、野党も多くが自民党同様にアメリカネオコンとグローバリストに買収されています。下手を打つと、ヨーロッパ以上の混乱が日本に生じることも考えられます。日本人の無自覚さも、いい方向で働くことをあまり期待できないように思います。

 「
ここアメリカでは、すでにメリック・ガーランドの偽司法省から「ロシア、ロシア、ロシア」という偽の悲痛な叫びがこだましているのが聞こえてくる。ロシアが我々の選挙を狙っていると言いたいようだが、実際に陰謀を企てているのは民主党であり、法廷闘争の幹部であるノーム・アイゼン、マーク・エリアス、アンドリュー・ワイスマン、メアリー・マッコード、リサ・モナコらが密かに率いている。彼らのトランプに対する法廷やらせの多くは失敗している。今週、ワシントンの連邦裁判所でチャトカン判事はMSNBCで少しばかりの注目を集めようと大言壮語していたが、彼女の訴訟には心臓に木の杭が刺さっており、目があった場所にはX印が刻まれている。

 日本でも検事総長が政府・自民党に買収されましたが、アメリカはそれ以前から、司法関係者が政府に取り込まれていて、機能を発揮できないようになっています。悪いことであってもアメリカの後追いしかできない日本というのは、本当に情けない国ですね。いかに戦後の自民党が何も考えずに楽をしてきたか、ぬるま湯に浸かってきたかが分かります。アメリカに従い、アメリカの真似さえしていれば、政権与党だと威張っていられたのですから、そんな楽な仕事はなかったでしょう。

 「
ニューヨークでは、フアン・マーチャン判事が、9月18日にトランプ氏をライカーズ島に送還することで、第2次南北戦争を始めるかどうか葛藤しているふりをしている(そんなことは起きないと思うが)。しかし、もしそうなった場合、トランプ氏は単に「お断りします」と言い、大統領選に出馬するという自分の仕事に戻るのではないかと思う。それは、私がぜひ見てみたい反撃だ。行動を起こすのは誰だろうか? 連邦保安官か? FBIか(へっ!)? 最高裁の任期は10月の第1月曜日に始まる。アルビン・ブラッグとマシュー・コランジェロの事件という、とんでもない馬鹿げた事件について、彼らは何か言うかもしれない。(ワイスマン、アイゼン、モナコ、マッコードの事件についても。)」

 詳しいことを全く知らないのですが、そういえば、最悪の場合トランプは監獄に入れられたまま大統領選を迎えなければならないという情報をネットで読んだような気がします。司法関係に関しては、アメリカという国がここまで狂うのかという見本を示しているような気がします。アメリカには正義という概念がありませんね。あるのは " 強い者が勝つ " ということだけです。歴史がない国であるが故の悲劇でしょうか。それともユダヤ人の基本哲学なのでしょうか。いずれにしても、それが間違いであることは、今のアメリカと、今後のアメリカを見ていけば自ずと判明することでしょう。

 「
来週火曜日の大討論会の後、事態がどうなるかは神のみぞ知るだ。ルールはかなり厳格だ。候補者同士の質問は禁止。観客はなし。コマーシャル中にスタッフと話し合うことも禁止。ミュートボタンはオン。ハリス氏は「今、話しています」という決まり文句なしで、… ゾッ。トランプ氏が本当にすべきことは、90分間礼儀正しく振る舞うことだけだ。

 今月10日に行われた、トランプとハリスのTV討論会のことですね。「トランプ氏が本当にすべきことは、90分間礼儀正しく振る舞うことだけだ。」と書いてあるのを見て、なるほどと思いました。それも一つの視点ですね。トランプはKunstlerの期待には沿えたのではないでしょうか。今回の大統領選挙は、最初からトランプの優勢が伝えられています。そういう意味ではトランプは受けて立つ立場ですから、攻撃は必要ないと考えたのかもしれません。横綱相撲を見せればいいいということで。

 それにしても、日本を含めたマスメディアのあまりの腐敗ぶりも、アメリカ民主党、ネオコン、グローバリスト、そして自民党といいとこ勝負ですね。事実も公平も正義も吹っ飛んでいます。どんな汚い手を使っても勝てばいいとしか考えていません。特に許せないのはNHKです。見たくもないのに視聴料を強制的に取って、偏向報道を見せているのですから。

 「
一方、「ジョー・バイデン」は、仕事を免除され、ほとんどをビーチで過ごしている。閣議に出席したり、彼の名の下に行われている多くの事柄について相談を受けたりすることはない。そのため、アメリカを誰が運営しているのかと疑問に思う人も少なくない。アメリカ政府が自動操縦で、 " お化け " によって運営されている巨大で恐ろしい機械だと知ることは、あなたを安心させるだろうか。

 まあ、あの痴呆老人に仕事をさせようとするのは端から無理なことで、一番被害が少ないのはビーチで昼寝をさせておくことであるのは間違いありません。では、現在のアメリカを誰が取り仕切っているのかということになると、アメリカ人のKunstlerに分からないものが私に分かるはずもないですね。

 ただし、アメリカは行政も司法もマスメディアも崩壊途中であることは何となく伝わってきます。これまで散々悪事を働いてきたアメリカがどうなろうが、私の知ったことではありませんが、どうやら日本もアメリカ同様崩壊途中にあると考えていいようです。それも、政治・経済の両面で崩壊してきています。

 しかし、自民党は権力を手放したくありません。権力の座から降りようとはしません。その気持ちは分からないでもないですが、「あなた方これまで楽な思いをして、たらふく私腹を肥やしてきたんでしょ? そろそろ年貢の納め時ではないですか?」と言ってやりたいような気がします。