「傲岸不遜」という言葉は、あまり聞き慣れないような気がします。早速辞書を引いてみましょう。「おごりたかぶって人を見下すさま。思いあがって謙虚さのないさま。「傲岸」はお高くとまって威張ること。「傲」はおごる意。「岸」は切り立った崖がけの意で、際立って高い、角立つさま。「不遜」は高ぶってへりくだらないこと。」(新明解四字熟語辞典)

 これだけ分かれば十分ですね。つまり私は、岸田総理が「おごりたかぶって人を見下している。思いあがって謙虚さがない。」と感じているわけで、今回はそのことを書いていきましょう。

 傲岸不遜といえば何といっても河野太郎ですね。傲岸不遜が人のなりをして歩いているかのような人です。2018年12月11日の記者会見においては、記者からの質問に対して何一つ返答せずに、「次の質問どうぞ」と繰り返しました。それが騒ぎになって一応は陳謝したという形で終わっています。
次の質問どうぞ」連発・・・河野大臣が陳謝(2018/12/15 ANNnewsCH))
ショート動画「太郎物語」@taromonogatari

 陳謝したというのですから少しは反省したかと思いきや、その後国会答弁ですら「所管外でございます」をツラッとした顔で繰り返し、テレビニュースにも取り上げられました。

河野大臣「所管外」答弁12回連発 外相時代の事実関係や原発政策の質問で」(2023.2.13 TBS NEWS DIG)

 その他にも「X」でのブロック連発や、官僚を悪し様に怒鳴りつけるなども話題になりました。傲岸不遜という言葉がこの人以上に似合う人はなかなか見つけられないのではないかと思います。おそらく能力の低さが原因になっているのではないでしょうか。つまり、相手が一般人であれ、記者であれ、国会議員であれ、質問をされても上手く答えるだけの能力がないわけです。

 しかし、積極的というか、前向きというか、スーパーポジティブというか、河野大臣は後に引くことを知りません。何も知らず、何もできないのに、態度だけは一端の大物大臣であるかのように振る舞いたいと思っています。そのギャップが河野大臣らしい傲岸不遜な態度に繋がっているのではないかと感じます。

 今の岸田内閣で、もう1人傲岸不遜な大臣がいます。武見敬三厚生労働大臣です。この人は見てくれが悪いですね。いかにも「俺は悪人だ」という顔つきをしています。どうやったらあのような憎々しげな顔つきになれるのでしょうか。ひょっとする若い頃役者を志望していたのでしょうか。

 武見大臣は、新型コロナ用ワクチンと、最近では紅麹案件で登場しています。いずれも嘘を連発しています。大臣になって最初のうちはオドオドしていたのですが、繰り替えし嘘をつくうちに肝が据わってきたのでしょう。堂々とした態度で悪人ぶりを発揮するようになりました。

 元々が、武見太郎という長年権勢を振るっていた悪徳医師会会長の息子ですから、父親の血も多分に混じっているのでしょう。恥じることも恐れることも知りません。

 しかし、河野太郎にしても、武見敬三にしても、どのようなつもりで悪役をしているのでしょうか。おそらく、悪役をしているつもりはないのでしょう。かといって、世のため、人のために働いているようにはとても見えません。ではなんでしょうか。

 私の推測では、2人とも忠犬であろうとしているのだと思います。忠犬とは「飼い主に忠実な犬。また、忠義な犬。」(デジタル大辞泉)であり、共に偉大な父親を持っていましたので、がっちりしつけられたのでしょう。

 そういえば、河野太郎が47歳の時、父親の河野洋平を救おうと、生体肝移植のドナー(臓器提供者)を務めました。私とのあまりの価値観の違いに驚いたものです。私は仮に自分が肝硬変になって余命が限られたものになったとしても、息子にドナーになってほしいとは思いません。また、仮に息子から申し出があったとしても断ります。

 なぜなら、私は自分の人生よりも息子の人生の方が大切だからです。だからといって猫可愛がりに息子を甘やかしたのではありません。息子は息子として、自立して充実した人生を送るべく自分を鍛えるべきと思っていたからです。

 しかし、河野親子はそうではないようです。親に孝を尽くすのが大前提になっているのでしょう。「忠犬ハチ公」ならぬ「忠犬太郎」が河野家の理想的姿のように見えます。もちろん、よその家の価値観がどうであろうが、それはそこの家の自由であり、他人がとやかくいうべきものではありません。

 しかし、国の大臣を務める人間、おまけに次期総裁選に立候補しようかとの噂の流れている人間とあらば、そうもいきません。1億2000万人の日本人の命運に影響を与えるかもしれないからです。そして、自分が父親を救おうとして自分の肝臓を差し出したということは、無視できることではありません。なぜなら、河野太郎は自分と同じように行動することを国民に求めるかもしれないからです。

 つまり、国を救うために命を差し出せと言い出しかねません。そのようなことは往々にしてありがちのことであり、自分が親不孝だと思っている人間が、他人に親孝行であることを求めることは通常しないものです。しかし、自分が親に尽くしてきたと思っている人間は、他人にも親孝行を求めようとしがちです。

 そんな人間が国の要職についた場合には、国を親として、国民を子として考え、国民は国に忠義を尽くせと指示するやもしれません。国と国民、つまり、政治家と国民であればそれに反発する者も出てきます。そこで、もう一枚天皇を噛ませ、天皇の権威を利用して国民に忠孝を要求しようとするものです。

 では、武見敬三厚生労働大臣の場合はどうでしょうか。父親は " ケンカ太郎 " として名を馳せ、医師会会長を25年間も務めた手に負えない人物でした。やったことは何かといえば、ひたすら医療利権、医師利権の強化でした。現在日本の医師は国益を害するほどに横暴な存在になっていますが、その礎を築いた人になります。

 武見太郎が息子の敬三をどのくらい仕込んだのか、訓練したのかについて私は全く知りませんが、現在武見大臣のやっていることを見れば父親の意思をそのまま継いでいるように見えます。国民がどれだけ死のうが苦しもうが、そんなことは委細構わず、医師の利権を拡張するために努力しています。その剛腕ぶりは父親を彷彿とさせます。武見大臣も父親の忠犬敬三であると感じます。

 さて、前置きが長くなりましたが、ここで真打ち " 忠犬文雄 " を登場させましょう。総理大臣については、最近の当ブログで、「大蔵官僚になりたかった総理大臣」「国民を大切にしない総理大臣」「増税大好き総理大臣」と3本の記事を書きました。このままいくとシリーズ化しそうな勢いです。ま、そろそろやめようかと思いますが。

 岸田総理にはそれほど「傲岸不遜」というイメージはないかもしれません。それは、河野大臣や武見大臣ほど憎々しげな態度をとらないためです。しかし、態度はそうであっても、やっていることを見ると両大臣以上に傲岸不遜です。それは、能登半島地震でものの見事に露呈しました。

 なにしろ、自然災害で死ぬや生きるやの状態にある人々に対して、一瞥もくれなかったのですから。その人非人ぶりは、人間らしい情があればしようと思ってもなかなかできることではありません。河野大臣や武見大臣は悪いことしているものですからいかにも悪人という態度をとりますが、そしてそれはある意味正直さの表れなのですが、岸田総理の場合は悪いことをしながらその気配を隠しますから一枚上手の傲岸不遜さかもしれません。

 また、河野大臣や武見大臣が、これ以上ないくらいの傲岸不遜な態度をとっているのを知りながら放置しているのが岸田総理になります。ということは、岸田総理が後ろで糸を引いている可能性もあるのでしょう。いってみれば河野大臣や武見大臣は使いっ走りで、あるいは岸田総理にけしかけられている犬になります。

 その岸田総理には、河野大臣や武見大臣と共通点があります。それは、父親が本人よりも優秀であったことです。河野大臣の父親は早稲田の政経学部を卒業したようですが、河野大臣は慶応大学をすぐに中退してしまいます。その後訳の分からない経路をたどって最終的にジョージタウン大学を卒業ことになっていますが、はたして・・・。

 武見大臣は医者の息子ですから、しかも医師会会長の息子ですから、当然医者になるのが自然ですが、慶応大学法学部にしか進学できませんでした。

 岸田総理については以前ご紹介しましたが、父親は東大法学部卒業のエリート通産官僚であり、岸田総理は父に連れられて小学校1年から3年までニューヨークで生活したといいます。ところが岸田総理本人は東大受験に3回失敗して、エリート官僚の道を断念しました。

 このような父親と本人の落差から、どうしても劣等感、卑小感を持ってしまい、その結果忠犬化するのかもしれません。それと同時に、劣等感の裏返しとしての傲岸不遜が随所に顔を出します。

 上述したように、それが家庭内に限られるのであれば何の問題もありません。また、国内に留まっているのであれば、それもたかが知れています。しかし、外交問題を担当し始めると大きく国益を損なう可能性が出てきます。

 なにしろ、基本的には"忠犬"です。その忠犬ぶりを外国に対して発揮するとエライことになります。日本の切り売りを始めます。日本国民の切り売りも始めます。スパイが総理大臣をしているようなものです。

 

 海外に対しては忠犬ぶりを発揮するのですが、その一方で国内対しては、傲岸不遜となります。災害救助なしです、増税・重税です、軍備拡張・戦争支援です、移民推進です、国民主権の憲法を変えようとします、NTTや水道などを売り払います、殺人ワクチン接種推奨です、殺人ワクチン開発推進です、強制接種が狙いです、あからさまな情報統制と検閲です、全体主義まっしぐらです。傲岸不遜も傲岸不遜、その面の皮の厚さは1メートルにも及ぶのではないでしょうか。これだけ国民の神経を逆なでする総理大臣がかつていたでしょうか。傲岸不遜にもほどがあります。

 実はこの傲岸不遜の流れは安倍元総理もそうでした。父は東大法学部、祖父は東大法学部、大叔父も東大法学部という家柄で、一人成蹊大学でした。おそらく、そのような家庭環境の中で忠犬化したものと思われます。新型コロナを煽り、ワクチンを導入して国民を売りました。その他にも、利権推進、アベノミクスというエセ景気対策などの害悪が数多くありました。

 しかし、このように見ていくと、子は親を乗り越えなくてはいけませんね。あるいは、親から解放されなくてはいけないというか。そうでないと、親に対する引け目から誰かの、あるいはどこかの忠犬になろうとしてしまいます。

 現在の国会議員は2世議員、3世議員、4世議員などがうようよしています。その中で、親の呪いを振り払うことのできた人はどのくらいいるのでしょうか。総理大臣になる、国の舵取りをするなどということになると、忠犬では国が沈没してしまいます。次の総理大臣は親を乗り越えた人、忠犬を脱した人を選ぶべきですね。そうでないと日本は売られて滅亡してしまいます。が、どいつもこいつも親の七光ばかりですね。親を乗り越えた国会議員がはたして存在しているものやら疑問です。