前回に続いてグローバリズムについて書いてみようと思う。前回は、グローバリズムがアメリカを儲けさせるための概念であること、その原点は大航海時代にあること、ネオコン(戦争屋)との親和性が強いこと、日本では岸田総理がグローバリズムとネオコンに支配されており、厚生労働省、河野太郎、小池百合子、上川陽子、医者、マスメディアなどと結託していることなどについて触れた。

 大航海時代は、最後に世界の東の外れにある日本にやってきた。それが1853年のペリー来航であり、「泰平の 眠りを覚ます 上喜撰 たった四杯で 夜も眠れず 」との狂歌に詠まれた。あの黒船4隻の姿はネオコンとグローバリズムそのものであり、象徴ともいえる。(現代ではそれが、巨大原子力航空母艦に変わっている。)その結果何が起きたかといえば、明治維新になる。英米をバックに付けた薩長土肥がクーデターを起こし、徳川政権を倒した。

 そのように書きながら気がついたけれど、「日本維新の会」というのはその名前だけで、アメリカの傀儡政党であることが分かる。やってきたこと、やろうとしていることもそのように考えて矛盾がなさそうだ。大阪都構想なんて、クーデターの一歩手前でしょ? このまま勢いを伸ばして、古くさい尊王攘夷にしがみついている安倍派を中心とした自民党政権を倒すか、乗っ取るかするつもりなのかもしれない。

 話がそれた。ネオコン・グローバリズムの傀儡政権である明治政府が何をしたかといえば、日清・日露戦争になる。英米というのは、極悪人の集まった国ではあるけれど、彼らのしたこと、その計画が遠大であること関しては正直感嘆してしまう。実行力のある誇大妄想狂たちといってもいいかもしれない。

 ちょんまげを結い、刀を差している日本人を見て、つまり未開人を見て、清国やロシアと戦わせようとしたその眼力には驚く。そして、それを実現するために、服装から、生活様式から、価値観から、産業から、日本という国を丸ごと変えさせたのだから。

 日本人もまた、馬鹿正直にグローバル化、ネオコン化を成し遂げようと努力した。つまり、文明開化と富国強兵を全国民に意識させ、日本国内の全てを西洋化した。おそらく日本人は、飛鳥時代前後に日本を中国化した経験があったことから、明治の人たちも国を丸ごと変化させることに強い違和感がなかったのかもしれない。

 面白いことに、英米が吹き込んだ日本のネオコン化、グローバル化だったれども、日本はその方向性に従って脇目も振らずに突き進んだ。つまり、日本という国自体も積極的なグローバリズムの国、ネオコンの国にすっかり変貌した。

 それがとりあえずは大成功だったことは、日清戦争や日露戦争の成果を見ても分かる。英米の狙いどおり、日本は清国やロシアを部分的には打ち破った。その後の、大正、昭和、平成、令和と続く日本の歴史の中では、一番輝いていたのがネオコン・グローバリズム路線を一直線に突き進むことのできた明治時代だったように思う。

 ところが、日本の国力が増して勢力を強めるにしたがって、元祖ネオコン、元祖グローバリズムの国である英米とは利害が相反するようになった。つまり、明治時代には日本を利用できた英米だったが、次第に日本が素直に従わないどころか、本来自分たちに落ちてくるはずの利益を奪ってしまう邪魔な国になっていった。

 そこで生じたのが、アメリカとの戦争(大東亜戦争)になる。アメリカやイギリスにしてみれば、飼い犬に手を噛まれたくらいの気持ちだったろう。英米は「誰のお陰で一人前になったと思っているのか」と言いたかったに違いない。ところが日本にしてみれば、「お前たちの教えを忠実に守って国を発展させてきたのに、なぜ文句をつけるのか」となる。

 華々しい戦争の結果は、これ以上ないくらいの日本の完敗だった。日本はアメリカにぐうの音も出ないくらいに完全にやっつけられた。その結果日本はどうなったかといえば、ネオコン的な姿勢を全て捨てさせられる結果となった。そして、グローバリズム一点集中の国になった。

 しかしそれは英米にとっては誤りだった。明治維新では大成功を収めた英米も、第2次世界大戦後の処理を誤った。どのように誤ったかといえば、日本やドイツから軍事力を奪ったのはいいものの、今度は経済力で太刀打ちできなくなってしまった。

 昭和50年頃からだろうか。英米は強くなった日本やドイツの経済力をいかにして削ぐかを大命題としなければならなくなった。おそらくその方法は2つあって、日本やドイツが稼ぐことを許さないことと、稼いで得た富を横取りするというものになる。

 週休2日制、新たな休日の制定、超過勤務の制限、終身雇用制の廃止、正社員の廃止、女性労働力の活用、女性の地位向上、人口の抑制、移民推進、インバウンド、環境保護などはいずれも、日本の国力低下を狙いとしている。日本の生産力を低下させ、移民を入れ、国を乱れさせ、出生数を減らすことはいずれも日本の国力低下につながる。

 国力を低下させるための手段として、新型コロナ騒動や新型コロナ用ワクチンはアメリカにとってみれば大変に優れた戦略だった。コロナ対策によって経済を疲弊させた上、タダ同然のワクチンを高値で売りつけることによって日本の富を盗むことができた。同時に、ワクチンの副作用によって日本人の身体的、精神的健康を損ねることもできた。これ以上ないくらいの敵国衰退策となった。

 地球温暖化対策や温室効果ガス防止対策などと呼ばれるものも露骨だ。日本やドイツはそれで縛られるが、アメリカは自分たちの都合で無視できる。要するに日本やドイツ(EU)を衰退させることが目的になっている。

 

 ロシア・ウクライナ紛争も同様だ。日本はウクライナとはほとんど何の関係もない。その何の関係もない国が戦争をするのに、日本は巨額の援助を強いられている。しかも、ロシアと敵対させられている。今のところロシアが寛容だから何とかなっているけれども、これでロシアが日本を締め上げにかかると、日本はあっという間に干上がってしまう。


 おそらく日本は、西側親米諸国の一員となっている限り、この先も低迷を続けるだろう。というか、それしか許されない。米英は日本の位置を、欧米白人の国々のその下に置いておきたいようだ。G7であれば、その中で経済力最下位の国が日本の定位置になる。

 それだけであれば、まだケガの程度は浅いけれども、今や米英の狙いは、いかにして明治時代のように、日本を中国やロシアと戦わせるかということに移ってきている。というのも、日本やドイツが繁栄することはアメリカにとって許せないことであるけれども、それ以上に中国やロシアが繁栄することを許せない。

 そのようなときに、一番効率的で手間の省けるやり方は、日本やドイツを中国やロシアと戦わせて、共食いさせることだ。それは、アメリカにとってみれば一挙両得、一石二鳥になる。おいしいことこの上ない。できるだけ派手に殴り合いをさせて、お互いが大けがをすればするほど、アメリカにとっては旨味が増す。日本人には中国やロシアを嫌う人が多いが、それは戦争をさせようとするアメリカのプロパガンダにきれいに引っかかっているせいだ。

 それにしても、アメリカには "共存共栄" という考え方が全くないようだ。全部アメリカが独り占めしなければ気が済まない。どういうことなのだろうか。それがアングロサクソンの血ということだろうか。

 その点、中国やロシアは鷹揚だ。どちらの国も多民族国家であることがその証明になる。中国の新疆ウイグル自治区に関しては、一時的に大騒ぎをしていたけれども、今はほとんど話題に上らない。ウイグル人が皆殺しにされたという話も聞かない。そういえば、香港も一時はずいぶん騒いでいたけれどどうなったのだろうか。案外、ロシア・ウクライナ紛争がアメリカの侵略だったのと同様に、中国のウイグル問題や香港問題も、針小棒大に見せかけようとしたアメリカのプロパガンダであり、中国敵視政策の一つに過ぎなかったのかもしれない。

 その一方で、アメリカが支援しているイスラエルはパレスチナ人を虐殺しており、今現在ジェノサイドの真っ最中だ。アメリカはイスラエルのジェノサイドを否定しようとせず、停戦も促さない。アメリカは建国後現在までの248年間で、231年間も侵略戦争を行ってきた国であり、人殺しの数なら断トツ世界一だろう。かつてのアメリカはアメリカインディアンの生存を許さず、皆殺しにしてしまった。中国やロシアと比べると、その凶暴さ、残酷さにおいてアメリカは群を抜いた存在といえる。

 そのアメリカが推進しているのがアメリカ流グローバリズムの押し付けになる。具体的には
WEF(世界経済フォーラム)が推進しようとしているものであり、WEFの下部組織の一つが日本の「G1」になる。「世界を一つに」なんていうと一見理想的なように思えるが、その心は「全部アメリカが独占する」「全部アメリカが支配する」というものだ。そのために、各国の文化や歴史を否定し、アメリカ文化を強要し、アメリカ以外の国を弱体化させようとする。

 そして、それに協力しているのが岸田政権であり、現在進行形で日本を破壊し、アメリカに売り渡しつつある。現在日本で大騒ぎしている裏金問題などは、実は瑣末なことであり、一番重要なことは岸田内閣の売国政策であるのだけれども、日本人という民族はなぜか本当に大切な問題からは目をそらし、瑣末なことで騒いでいたいようだ。

 とはいえ、岸田政権は支持率が異常に低い状態で推移している。案外愚かで鈍く見える日本国民も、岸田政権の売国ぶりに何となく気がついているのかもしれない。だとすると、まだ希望はあるだろうか。自分たちの生活に直接関わってくる問題なのだから、そうでなくては困るのだが。

 岸田政権は、アメリカと財界に取り入ることしか眼中になく、国民のために政治を行うことには無関心だ。まずは岸田政権を抹消することが日本にとっての喫緊の課題であると考えていいように思う。