安倍元総理が暗殺されたのは2022年7月8日のことだった。あれから1年7か月余が経過した。安倍元総理の暗殺に関しては、人の噂も75日が当てはまっているようで、語られることがほとんどなくなってきた。

 犯人とされる山上徹也容疑者の公判が始まったという話は聞かない。私は個人的に山上徹也容疑者を犯人だとは思っていないので、事件が解決されたようには全く思えない。公判が始まらないことに関しても、おそらく公判を維持できるほどの証拠に欠けているのではないかと勝手な想像をしている。

 今は検察も、裁判所も、すっかり権力の犬に成り下がりつつあり、日本が法治国家ではなくなってきている気配を感じる。現在それが誰にでも分かりやすい形で進行しているのが、自民党政治家の裏金問題になる。

 自民党の国会議員が違法行為を行ったのは明らかになっているのだが、一般の国民であれば間違いなく立件されて相応の処分を受けるはずのところ、曖昧にされたままの状態になっている。岸田総理が及び腰で毅然とした態度を示さないのは、自分も清廉潔白ではないせいだろう。逃げることしか考えていない。

 では、誰が事態を明らかにするのかといえば、検察も、国税庁も、右斜め上に視線を向けたまま正視しようとしない。政府も、自民党も、うやむやにしたまま人々が忘れるのを待つつもりだろう。そのうち、政治家であれば殺人を行っても見逃すような日本になりそうだ。いや実際問題として、新型コロナ用ワクチンでは十万人単位で殺人が行われたにもかかわらず、司法も国会も全く機能していない。

 話がそれたので、安倍元総理の暗殺に戻そう。SNSで情報を得ている方はご存知のことかと思うが、安倍元総理の暗殺には謎が多く、単純に山上容疑者が私怨で安倍元総理を射殺したとは考えにくい。そんなことを言うと人によっては陰謀論の一言で片付けてしまうのだろうけれども、今の世の中、新型コロナ騒動も、ロシア・ウクライナ紛争も、以前は陰謀論と嘲笑されていたことの方が真実味を帯びてきているのだから、決めつけるわけにもいかない。

 以下、安倍元総理の暗殺事件で腑に落ちないところを、思い出しながら脈絡なく羅列してみる。

・統一教会に対する恨みが動機といわれているが、そうであるならば安倍元総理に矛先が向くのはおかしい。統一教会の幹部の誰かを狙うはずだ。

・安倍元総理は誰もが知る日本の超大物政治家だった。仮に安倍元総理が統一教会と何らかの関わりがあったとしても、私怨を晴らす相手としては釣り合いが取れない。私が隣に住んでいるアメリカ人に恨みがあるからと、バイデン大統領を殺すようなものだ。

・山上容疑者が自作したという銃まがいのものは粗雑な作りで、散弾銃的な精度の低いものだった。それが、結果的には安倍元総理の急所に正確に当たっており、周囲にいた者に被害が及ぶこともなかった。確率的には起こりそうもないことが起きた。

・山上容疑者は海上自衛隊に任期制海上自衛官として3年近く勤務したというが、スナイパーとしてプロの訓練を受けたというのであればまだしも、その程度の経験で的確に殺人を行えるほどの技量を身に付けたとは考えにくい。

・銃撃直後に運び込まれた奈良県立医科大学付属病院は会見で、「前頸部に2カ所銃創があり、その傷の深さは心臓に達し、心室に穴が開いた状態」「左肩の前部に射出口のようなものがあった。そこから1発の弾丸が体外に出たのではないか」と発表している。山上容疑者と安倍元総理との位置関係を考えると、弾道をうまく描けない。

・大学病院とは別に行われた司法解剖の結果も報道されたが、医大の会見とは大きく食い違うもので、心臓の穴のことには触れられていない。心室に穴を開ける弾道を合理的に説明できないために、そのことを伏せた可能性を感じさせる。

・安倍総理に当たった銃弾は2発あり、1発は貫通して体外に出たようだが、体内に残っているはずのもう1発の銃弾のゆくえが分かっていない。消えてしまった。その銃弾が出てくると山上容疑者の有罪が消えてしまうのかもしれない。

・安倍元総理暗殺現場から90メートル離れた立体駐車場の壁に弾痕が3か所見つかり、そのうち1か所には金属片がめり込んでいたと発表されている。しかし、山上容疑者の自作の銃では、弾丸が90メートルも飛んで壁にめり込むとは思われない。

 ざっと以上である。私はあまり "オタク" っぽい人間ではないので、大雑把に憶えていることを書いたに過ぎないけれど、問題意識のある人が精緻に追求し始めると何十もの疑問点が挙げられるのではないかと思われる。

 疑問が生じるのは事件そのものばかりではない。暗殺後に起きた論争が国葬の是非だったように思う。私は冠婚葬祭に疎いというか、関心が乏しい人間であるために、やるならやればいいし、やらないのであればやらなくてもいいというスタンスだった。そんな私から見れば、ずいぶんこだわって争っているように見えた。

 論争が起きたということは反対派が大きな声を上げたためではないかと思う。普通に考えて、葬式を出すことに真っ向から反対することは難しい。「あんな奴の葬式など出す必要はない」とはなかなか言いにくいからだ。それがある程度大きな声として聞こえてきたことからは、背後に何者かがいたのではないかと感じさせる。

 その次に起きたのが、統一教会排斥運動になる。これも実に不思議な流れだ。なぜなら、真っ先に思いつくことが、「統一教会はダメで、創価学会はいいのか?」ということだからだ。この疑問に正面から答えた人はいないように思う。

 宗教がある政党の応援をするのは、統一教会や創価学会に限ったことではない。その他の宗教でもどこかしらを支持・応援しているのが普通だ。また、それは憲法に違反するようなことでもない。ここを理解していない人は多いようだ。日本国憲法には以下のように規定されている。

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 これは、国が特定の宗教を応援したり、阻害してはならないという規定であって、宗教団体が政治活動や政治家の応援をしてはならないという規定ではない。政教分離というのは国の都合で宗教を差別してはならないという意味でしかない。

 分かりやすくいうと、例えば戦前のように政府が国家神道を推進し、他の宗教を迫害するようなことを避けるための規定と考えていい。もちろん、宗教団体が組織として犯罪を行っているような場合には、宗教法人の資格が取り消されるのは当然であるけれども、宗教団体の政治活動を禁止しているのではない。

 これだけであれば話はそれほど複雑にはならないのだけれども、統一教会は同時に反共産主義団体(国際勝共連合)であることが話をややこしくしている。そこが創価学会との大きな違いだ。そして、自民党と結びついているのはもちろんのことだが、トランプ前大統領とも結びついていた。

 トランプ前大統領といえば、次期アメリカ大統領の有力候補であるけれども、バイデン民主党からは目の敵にされている。バイデン民主党はなりふり構わず、何とかしてトランプを引きずり下ろそうと現在も躍起になって工作活動を続けている。

 さらに、バイデン民主党は極めて共産主義に近い性格を持っていることも指摘できる。WHOやWEFも同様に共産主義を指向している団体であり、バイデン民主党と密接に結びついている。もちろん、新型コロナ騒動やワクチンにも積極的に関わっており、さらには、ロシア・ウクライナ紛争ではウクライナを支援する側として、莫大な金を流し込んで戦争を続けさせている。現在は、イスラエルのパレスチナ人虐殺の支援のほか、イエメンなどにも戦火を広げた。

 以上のことを、バイデン民主党の立場に立って考えてみよう。目指すはアメリカによる世界の一極支配であり、絶対的な権力を握ろうとして、現在 "新・共産主義" ともいえる政策を推し進めている。それは、これ以上ないくらいに "監視・管理・干渉" の強烈な社会になる。

 そのような目標を実現するためにまず取り除かなければならないのがトランプ元大統領で、今年行われる選挙で政権を奪取されないように、様々な策略を繰り出している。また、そのトランプと結びついている反共団体の統一教会も潰しておきたい。ついでに、統一教会と結びつきの強い自民党も叩いておきたい。

 さらに強敵なのがロシアになる。中国はアメリカから見て、「馬鹿とハサミは使いよう」というイメージがあるが、ロシアは正面から抵抗する。これは過去何百年もの歴史から派生していることだけに、ロシアを懐柔することは難しい。おまけに、プーチン大統領になってからは国力を増し、一層対等の関係をアメリカに要求するようになった。

 そのためにアメリカはロシア・ウクライナ紛争を画策した。ロシア・ウクライナ紛争によってロシアの国力を弱め、プーチンを追い出し、アメリカの意のままに操ることのできるロシアに変えようとした。

 と、そこにヒョコヒョコと現われたのが安倍元総理になる。つい最近、タッカー・カールソンというアメリカのジャーナリストがプーチン大統領に直接インタビューを行い、その映像を公開したことで、欧米はかなりの騒ぎになっている。なにしろ、再生回数が10億回を超えたというのだから。

 しかし、安倍元総理はすでに28回もプーチン大統領と面会を重ねていた。タッカー・カールソンが引き出した情報以上のことをプーチン大統領から教えてもらっていただろうと推測できる。

 安倍元総理がロシア・ウクライナの関係についてどのように認識していたかについては、YouTubeの「ロシア・ウクライナをめぐる情勢について」という動画を見るとよく分かる。これだけの情報を持っていたのであれば、停戦を妨害したイギリスジョンソン首相の代わりにウクライナに出向き、停戦交渉をまとめたかもしれない。

 そこで思い出すのが、かつて安倍元総理がなぜか突然イランに出向いたことだ。2019年6月のことになる。成果は何もなかったが、ひょっとすると成果が何もなかったということが大成果だった可能性がある。つまり、アメリカとイランとの戦争を未然に防いだという意味で。

 もちろん、そのようなことは単なる素人の想像でしかないが、イランにのこのこと出向いていった総理大臣であれば、和平交渉を買って出て、ウクライナにもロシアにも行って停戦の仲立ちをした可能性はあるように思われる。

 しかし、ロシア・ウクライナ紛争はアメリカの世界戦略であり、100兆円単位の儲け話も付随している。和平交渉をバイデン民主党が許容するはずがない。よって "邪魔者は消せ" とばかりに、CIAの一流スナイパーグループを差し向けた。

 以上、報道された中で私の知っている情報から、安倍元総理暗殺のシナリオというかナラティブを作ってみたが、これといった根拠や証拠を握ってのものではなく、基本的にはフィクションと思っていただければいい。当たるも八卦当たらぬも八卦のレベルになる。

 ただし、新型コロナ騒動、そして、3発目の原爆を投下したにも等しいワクチンを導入した安倍元総理が、一所懸命和平交渉を行おうとしていたとすれば、日本人にとっては幾分かでも慰めとなるように思える。

 最後に一つ思い出したことがある。2023年4月15日に、安倍元総理と同じシチュエーションで岸田総理の襲撃事件があった。安倍元総理暗殺後9か月余りでのことだった。犯人は24歳の若者だったというが、動機や経歴など、ほとんど何も公表されていない。ネットを検索しても情報を得られない。

 おそらく、公表すると岸田内閣の評判がさらに落ちるような理由が犯人の口から語られているのだろう。やはり今の日本はすっかり闇社会になってしまったようだ。都合の悪い情報は全て隠蔽されてしまう。自由もなければ、民主主義も行われていない。

 

 とはいえ、岸田総理の襲撃事件が広い視野から見れば、アメリカバイデン政権による岸田総理に対する警告、脅しであったことは明らかであるように思う。以後、岸田総理はアメリカへのポチ度を一層強めて現在に至る。ポチ度が強くなった最初の出来事は、2023年5月のG7広島サミットにウクライナのゼレンスキーを参加させたことだった。広島もずいぶん馬鹿にされたものだ。