「今世界と日本で起きていること」という題目で書き始めたのだけれど、それにしてはちょっと格調が低いと思ったもので、「余談・放談」に変更です。まあ、その程度の記事です。(^^;)

 

 日本政府が、つまり岸田総理があまりにも次々と不手際をさらすものだから、私もこのところのんびりとブログを書くという感じがなくなってしまった。なんだか、2009年からの民主党政権を思い出す。民主党政権は野党の長年の願いがかなった画期的な政権だったけれども、やることなすことあまりにも素人過ぎて、あっという間に国民から見放されてしまった。明らかに政権を維持する能力に欠けていた。

 頑張りすぎたのだろうねえ。長年野党の立場に置かれて、政府を批判することは大得意の民主党だったけれども、その批判を生かして自分たちが政治を動かそうと思っても、空回りするばかりだった。

 まずは従前どおりの政治を行って、できることから一つずつゆっくり改革していけば良かったのだろうけれど、一挙にひっくり返そうとしたものだから収拾がつかなくなった。民主党のやることを見ながら、「一体この国はどうなってしまうのだろうか」と不安に思ったものだ。

 それで民主党も反省したのだろうね。しかし、それは決して良い結果をもたらさなかった。自分たちが批判するようには物事は運ばないと理解したのは良いけれども、批判そのものをやめてしまった。実は、批判が悪いのではなく、批判が的を射ていなかったのが問題であると考えることができなかった。

 そこをきちんと見直すことができれば、日本の政治も少しは良くなっていたのだろうけれど、批判の質を高めることができず、攻撃を弱めてしまったものだから、すっかり政府・自民党の応援団に成り下がってしまった。

 今では野党の国会質問を見るよりも、SNS上の方がよほど的確で鋭い自民党批判が行われている。立憲民主党などは、もう党として機能していないのではないだろうか。これだけ、自民党のふしだらが表に出てきているのに、野党が主導権を握ることに失敗しているように見える。

 さて、2009年からの民主党政権顔負けなのが、現在の岸田自民党政権になるのだけれども、その理由は一体なんだろうか。私の目には、政府・自民党がすっかり時代の流れについて行けなくなったように見える。彼らは今でも、55年体制の単純で難易度の低い政治しか念頭にないようだ。

 55年体制とは、1955年からの日本の政治体制で、自民党と社会党の2大政党による政治のことであり、社会党はいつも自民党よりも勢力が弱い位置にあった。これがとっても座りが良く、紆余曲折を繰り返しながらも結局は2009年まで続いたと考えていいのだろう。

 座りが良かったのは、世界の情勢とマッチというかフィットというか、調和が取れていたせいではないかと思う。第二次世界大戦後の世界は基本的にアメリカの一極覇権だった。経済力も軍事力もアメリカが群を抜いており、いろいろなところでアメリカがモデルというか、目標にもなった。アメリカを見習っていれば間違いはなかった。

 それでも、アメリカより力は劣るが、ソ連という強大な勢力も安定して存在しており、アメリカを脅かしていた。日本の自民党対社会党という構図は、世界のアメリカ対ソ連という構図と似たようなものだった。つまり、日本の国会は世界の縮図のようなものだった。そして、強力なアメリカが世界の過半を支配していたのと同様に、自民党が日本の過半を支配していた。

 もちろん、ソ連の勢力もアメリカほどではないものの強大であり、社会党など日本の野党も労働組合などを従えて、国会でも、社会でも、大きな影響力を行使していた。現在の全く無力な野党とは別物だった。

 ところが、1991年にアメリカの対立軸であるソ連が崩壊してしまい、世界はアメリカの一極覇権体制というか、アメリカの独裁が通用する世界になってしまった。日本も第2次安倍政権以降は、これ以上ないくらいの自民党一党独裁体制になって現在に至る。

 と思っていたら、「おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし」であって、最近はアメリカが怪しくなってきた。原因は、アメリカが世界の中で相対的にその地位を下げてきたことにある。地位を下げたといっても、世界一は世界一なのだけれども、BRICSとかグローバルサウスと呼ばれるような、非米諸国が力を伸ばしてきた。その結果、BRICS等と親米諸国との総合力を比べるとアメリカ側が必ずしも優位とはいえなくなってきた。経済力においても、軍事力においても。

 世界一の座を追われ始めたのだからアメリカも苦しいだろう。私なら落ちぶれていくのも世の常と思って我慢してしまうところだけれど、アングロ・サクソンの獰猛な血が流れているアメリカ人にはそんなことはできない。必死でもがき始めたありさまは見苦しい。

 ロシア・ウクライナ紛争、イスラエル・パレスチナ戦争、さらにはイエメンやイランとの戦線拡大など、アメリカは戦火を広げ始めた。しつけのできていないのがアメリカ人であるから、その戦い方の汚いこと、残忍なこと。国際司法裁判所からジェノサイドをやめるように命じられても、「そんなもの知ったことか」という調子だ。もう自暴自棄というか、ヤケクソというか、盲滅法というかそんな状態に陥っている。

 さて、世界が風雲急を告げていても、その動きが速いものだから日本の政治は全く世界の流れについて行けずにいる。アメリカが世界の一極覇権を失いつつあるように、自民党も一党独裁体制を崩すべきなのだけれど、目を覚ますことができない。相変わらず大船に乗ったつもりでチンタラチンタラやっている。あの〜、その船沈んできているんですけど・・・。

 自民党の末期症状は最近特に目立ち始め、能登半島地震では無様な対応を見せ、裏金問題でも右往左往するばかり。何一つ毅然とした対応ができない。おまけに、世界情勢が現在のように危機的な状態になっているときに、岸田総理という凡庸な政治家がトップに座っているものだから何の見通しも示せない。混迷は深まるばかりという状況になっている。

 難しいのは、現在のアメリカ民主党政権が、バイデン政権が、実質共産主義政権であることだ。人によっては、グローバリスト、ディープステートなどというようだけれども、その実質は共産主義者の集まりだろう。

 共産主義は私有財産を否定して、貧富の差のない世界を目指すものだけれども、アメリカ民主党が目指しているのは「新・共産主義」とでもいうべきものであり、身分制度を想定している。アングロ・サクソン族を世界の頂点に置き、彼らはこれ以上ないくらいの豊かで文化的で自由な生活が保証される。スーパーリッチたちを思い浮かべるといいだろう。その一方で大多数を占める一般市民は徹底的に管理され、市民同士では平等であるかもしれないが、豊かさも、文化も、自由も、アングロ・サクソン族の残り物で生活することになる。中間層として、一般市民の管理に当たる者たちを置く。

 もちろん日本人は劣等人種とみなされるから、締めつけが厳しくなるばかりであり、岸田総理が増税、増税と連呼するようになった。まるでアメリカの "パシリ" 状態、 "貢ぐ君" 状態であり、日本が植民地であることや日本人が奴隷であることがはっきりし始めた。

 日本の国会が世界の縮図であるのがいいのであれば、野党が勢力を伸ばして過半を占めなければならない。現在のBRICSやグローバルサウスなどが、どこか一国の強大な力によってではなく、トータルするとアメリカをしのぐようになったように、野党はそれぞれが弱小勢力であっても、トータルすると自民党を上回るという姿が適当であるように感じる。それが世界の縮図になる。

 不思議なことに、自民党は安倍元総理が暗殺され、統一教会騒ぎで勢力を減じ、今また裏金問題で批判を受けている。まるで、「自民党を小さくして、日本の政治形態を世界に合わせなさい」と命令する力が働いているかのようだ。

 そして、アメリカはますます大混乱に陥っている。バイデン民主党という共産主義政権が、その座を追われそうな気配になってきた。しかし、共産主義者というのは一筋縄で行かない。見苦しいというか、汚いというか、往生際が悪いというか、分をわきまえないというか、しつけができていないというか、はたして選挙でトランプが勝ちましたとあっさり政権交代になるかどうか。

 火の粉が飛んでこない限り、見せ物としてはこれ以上ないくらい面白い。対岸の火事であってほしいと祈るばかりだが、岸田総理を見ている限り、喜んで火中の栗を拾いに行きそうであり、日本も危険な状態にあると考えた方がいいのかもしれない。

 ところで、「タッカー・カールソン」という "アメリカの保守派政治コメンテーター" なる人物が、ロシアのプーチン大統領に直接取材(インタビュー)を行ったことが話題になっている。アメリカがすっかり共産主義政権となったせいで、言論の自由や行動の自由が失われており、プーチン大統領への取材はアメリカ政府の妨害をかいくぐって実現したものであるようだ。

 それにしても、プーチン大統領の発言は、彼が "常識人" であることを思わせる。常識人というと、凡人と受け止めるかもしれないが、常識は英語で "コモン・センス" となる。そして、コモン・センスには "
常識、判断力、良識、社会人として分別のある行動や判断ができる能力" というニュアンスがある。

 

 プーチンのような常識人が強力な行動力を持ち、権力を握った場合には、天才的な成果を挙げられることを示しているように思う。しかし、権力者はあちこちに存在していても、また、常識人もあちこちに存在していても、常識を持った権力者というのはめったなことでは現われない。日本の権力者で誰かいるだろうか。アメリカの権力者で誰かいるだろうか。少なくとも今の日本やアメリカを動かしている権力者の中には一人もいないように思える。