とんでもない総理大臣が現われたものだと思う。やること為すことズレている。この "ズレまくり感" は一体何なのだろうと思う。

 「増税して軍備増強」なんて、常識のある大人であれば言えることではない。私からすると「これはもう狂人レベル」と言いたくなる。「殿はご乱心」と言っていいように思う。増税だけでも国民の抵抗は強い。所得が先進国の中では日本だけが伸びず、サラリーマンは1990年代の方が現在よりも給料が高かったという異常な国になっている。しかも、最近の物価高ときたら凄まじい。そんな日本で "増税" などとヌケヌケと言い出すその感覚。誰か岸田総理を叩き直してやってほしい。ちなみに "叩き直す" とは「ねじ曲がった品行や心構えを正すために再度鍛える。」こと。(デジタル大辞泉)

 軍備増強も大問題だ。ご存知のように、日本にはいわゆる平和憲法と呼ばれるものがある。そこには、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」と書いてある。これは様々な議論のあるところだけれども、はっきりそう書いてあることは事実。憲法はまだ改正されていない。

 ちなみに2022年の1人当たりGNI(国民総所得)を見ると、日本は33位になる。つまり2流国だ。また、GDP(国内総生産)も人口が日本の70%に満たないドイツに抜かれて世界第4位になる見通しであるという。所得が世界で33位なのだから、軍事力も世界で33位なのかといえば、これが違う。世界第7位だそうだ(世界の軍事力ランキング2024)。軍事力は立派に1流国だ。

 要するに、日本という国は、国民は貧しいのに、軍事力は分不相応に強化されている軍事大国であり、軍国主義の国であるといえる。であるのに、その上さらに「増税して軍備増強」するとあっさり言ってのける岸田総理という人間は、一体何を考えているのだろうか。日本人は貧しいのですよ、日本の軍事力は現在でも分不相応に強いのですよ、分かりますか? 北朝鮮じゃあるまいし。

  "無い袖は振れない" という言葉があるけれど、そんなことは無視して平気で無い袖を振ろうとするのが岸田総理になる。そんなデタラメをする岸田文雄という男は一体何者だろうか。

 岸田武雄という3歳下の弟がいる。岸田総理同様あまり優秀ではなかったようで、慶応法学部を卒業している。この弟の仕事はインドネシア人の日本就労を支援、東南アジアや中東からの訪日旅行を企画する会社の代表取締役であるという。おそらく、能登半島地震の被災者をそっちのけにして旅行支援をしようとする発想は、弟の存在があるがゆえだろう。さらに、移民に積極的な理由もうなずける。

 岸田総理の父親は優秀で東大法学部を卒業している。また、経済産業省の官僚をした後に、衆議院議員に5回当選している。麻生太郎や亀井静香が当選同期だったらしい。叔父(父の弟)はもっと優秀で、東大法学部を卒業後、大蔵省のエリート官僚になっている。退職後は、NTT常務取締役と広島銀行会長をした。絵に描いたような財務官僚の歩き方に見える。

 そういえば、岸田総理の妻である裕子夫人の実家は地元の旧家・資産家であり、銀行業を営んでいたこともあるという。なるほど、岸田総理の叔父と関係がありそうだ。縁談が成立するのも納得。

 岸田総理の母親も裕子夫人同様、日東製粉の社長令嬢だったという。母親が社長令嬢、妻も社長令嬢であり、母親も妻も子供は優秀ではないというところに共通点がある。分かりやすい。さらには、弟の妻も社長令嬢であり、ポテトチップスで有名な湖池屋の創業者が父だという。

 岸田総理の妹がこれまた、夫が財務官僚であるという。叔父といい妹といい、岸田総理が財務省寄りであるのは、当然といえば当然か。本来許されないことだけれど、あれだけ器が小さいとどうしてもそうなってしまう。あ、岸田総理には妹が2人いるけれど、2人とも夫が東大卒の財務官僚だそうだ。いやいや、驚くね。残念なことに、長女の夫は早逝したけれど。

 ついでに言えば、宮澤喜一という総理大臣がいたけれども、この人は東大(帝国大)法学部卒の大蔵官僚から総理大臣になった人。岸田総理の叔母の夫が宮沢喜一の弟になる。つまり、岸田総理というのは、今も昔も財務官僚に囲まれて生きてきたことになる。自分は能力が低くて財務官僚になれなかったけれど。

 さてと、ここまで調べてみると、正体がつかめてくるというか、想像がついてくる。岸田総理は「日本で一番権限が大きいから総理大臣になった」と言ったけれども、大きな権限で何をするかといえば、「こうあってほしいと思うことを先頭に立って実現をしようとか、やめてほしいと思うことを先頭に立ってやめてもらうとか」と答えている。

 例によって具体的には何も意味しない物言いだけれども、先頭に立って何を実現するのかといえば「自分の身内に便宜を図ること」であり、何をやめさせるかといえば「自分の身内を粗末に扱うこと」であるのはおおよそ想像がつく。

 おそらくそうやってしつけられ、育てられたのだろうと思う。立派に出世して、「岸田一族を盛り上げなさい」と。長男を総理秘書官にしたのがまさしくそれ。あまりに出来が悪くて不発に終わったけれども。能登半島地震の被災者などを放置して旅行支援にとりかかったり、移民を活発化さたりするのは弟のため。身内優遇政策。分かりやすい。

 何だか韓国の大統領を連想する。文在寅はまだだけれど、韓国の大統領は職を辞すると逮捕されることが多い。その理由の一つに、親族に対する便宜を図ったというのがしばしば挙げられている。韓国社会というのは、何かにつけて身内優先のコネ社会であるように感じるけれど、日本も同じようなものだ。それが今、岸田政権でより顕在化しているように感じる。

 現在、多忙を極めているのではないだろうか。岸田総理が面倒を見なければならない親族は息子や弟や妹の亭主ばかりではないからね。妻は広島財界の大物一家の娘だから、広島県内で口利きをしなくてはならないことが頻繁にあるだろう。妻の親族ばかりではなく、岸田総理自身も祖父の代から政治家だから、当てにしている地元の有力者は多いだろう。

 それらの者たちをどのように待遇するかで、岸田総理は大忙しのはずだ。とてもではないが国政どころではない。「能登半島地震? 俺は忙しい、そんなもの放置しておけ」というのが岸田総理の本音だろう。「被災者支援? そんな金があったら親族に回す」というのが岸田総理の本音だろう。

 きっと日本国憲法を知らないよ、岸田総理は。「第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と書いてある。 "全国民" の代表であって、 "親族" の代表ではない。誰かこの条文を読み聞かせてやってほしい。きっと言うよ「へえ〜っ、そうなの。知らなかった。」って。

 安倍元総理も岸田総理と似たところがある。つまり、名門の生まれであり、妻は社長令嬢だった。ただし、そのスケールの大きさが岸田総理とは違っている。安倍元総理の祖父は岸信介総理大臣、大叔父はノーベル賞受賞者の佐藤栄作総理大臣、妻の実家は森永製菓。

 ここまで大きくなると、それほど面倒を見る必要がなくなるのだろう。逆に利権温存と引き換えに面倒を見てくれる人の方が多かったに違いない。また、安倍一族と関係のある者たちが、全国に散らばっているだけに、ピンポイントで親類縁者だけの面倒を見るわけにもいかなかった。できの悪い子供もいなかった。

 その代わり、安倍元総理は日本全国を巻き込んでこれ以上ない利権政治を行い、国を大きく衰退させた。功績というのか、罪過というのかがそれになる。お陰で日本は今でも全く立ち直る気配を見せない。

 岸田総理は、そのあまりの政治的センスのなさから支持率が10%台にまで落ち込んでいる大手の世論調査もあるけれども、全く辞職する気配を見せない。常識的な感覚があるのならば総理の椅子に座ってはいられないだろうに。よほど面の皮が厚いのか、鈍感力をフル装備しているのか。

 ただ、岸田総理が親族代表として総理大臣をやっているとすれば、その気持ちが分からないでもない。おそらく、甘い汁を吸うために、一刻一秒でも長く総理大臣をしていてくれというのが、親族一同からの要求だろうから。

 何だか、昔の漫画「巨人の星」に出てくる「左門豊作」を思い出してしまう。いや、いくら何でもその例えはあまりに失礼かもしれない。「平清盛」ではどうだろうか。今の岸田総理が声を大にして言いたいことは、「岸田家にあらずんば人にあらず!!」だろう。分かりやすく言えば、岸田家でない者は人非人ということだ。

 だからだろうね、あの国民に対する冷たさは。能登半島地震で被災者がどれだけつらい思いをしていても、笑って放置することのできる人だ。国民は甘えすぎているからと、平気で増税で金を絞り取ろうとする人だ。親族さえ満足できるなら、日本という国が滅びたところで我関せずというところ。

 なぜこんな人が総理大臣になったかといえば、それはもちろん、自民党一党支配が長く続き過ぎたためだ。一党支配が続けば続くほど、政財界を始めいろいろなところで癒着が始まる。なにしろ、今日の権力者は明日も権力者なのだから、賄賂でも何でも渡して取り入っておいて間違いはない。

 今自民党議員等の裏金が問題になっているけれど、おそらくあれは氷山の一角だろう。もっともっと大掛かりな贈収賄事件が、表ざたになることもなくあちこちで行われていると考えた方がいい。それだもの、国民の所得は増えず、国の生産力も上がらず、日本は衰退していく一方の国になっている。

 栄華を誇り、向かうところ敵なしだった平家も終には滅びたのだけれども、平清盛の最後は凄まじかったと書かれている。あまりに高熱を発したために、水風呂に入れたらお湯が沸き、水を掛けてもすぐに蒸発してしまう。体にあたった水が燃えて、黒煙が屋敷中に広まり、炎が渦巻いていたという。

 コロナワクチンで多くの日本国民を殺したことも考えると、同様に業火に焼かれての死に様がふさわしいように感じる。しかし残念なことに、そのためには生まれてくる時代が1000年ほど遅かった。