○それにしても、日本はひどい国になったものだと思う。なぜこんなことになってしまったのだろうか。その原因の大本は、日本人一人一人が愚かであることには違いない。民度の低さは一朝一夕では変えようのないものであって、それゆえ発展途上国はいつまでも発展途上国から脱することができない。日本も、世界を1流、2流、3流の国に分けるとすれば、明らかに2流の国であって、しかも、2流を脱する見通しがない。

○安倍元総理が暗殺された。国葬がどうのこうのと、どうでもいいことで騒いでいること自体が2流国の証明のようなものであるけれども、それはともかく、現在の世界で元総理大臣が暗殺されるような国って、他にどこがあるだろうか。

○北朝鮮? ミャンマー? ウクライナ? イラク? 南米? アフリカ? 世界の政治経済に疎い私ではよく分からないのだけれども、元総理大臣や元首相などが暗殺されることは、世界でもよほど政情の悪い国でなけれは起きないことである。日本は治安の良い国であることが自慢の一つではないかと思うが、治安が良いなどと言えなくなった。犯罪は少ないかもしれないが、総理大臣等が白昼公衆の面前で殺される国になったのだから。

○まるで、昭和の初期に戻ったかのようだ。犬養毅総理が暗殺された五・一五事件は昭和7年。陸軍青年将校がクーデター未遂を行った二・二六事件が昭和11年のことだ。その後日本は正気を失い、どう考えたところで勝ち目のないアメリカとの戦争になだれ込んでいった。

○「戦わざれば亡国、戦うもまた亡国であれば、戦わずして亡国は身も心も民族永遠の亡国である。」と言ったアホな海軍大将が日本にいたそうだ。大嘘つきである。単に感情的に切れてしまい、戦争をしてみたくなっただけだろう。

○その海軍大将の意見が通ったから大東亜戦争が始まったのかどうかの知識は私にはないが、考え方としてあまりに無謀な上、単純・幼稚である。日本人の民度の低さを示す典型例であるように思う。どこが間違っているかというと、「戦わざれば亡国、戦うもまた亡国」としたところである。

○結果として、戦いには負けたのだが日本は滅びたのだろうか。もちろん滅びてはいない。また、勇ましく戦いに打って出たのだから、日本人はアメリカなどには隷属せず、自主独立の精神を誇り高く持っているのだろうか。とんでもない。日本の政治家は総理大臣以下アメリカの犬に成り下がっている。すっかりアメリカに隷属している。

○話が違うではないか、戦えば誇り高き大和魂は生き残るはずだったのではないか、と思う。大東亜戦争を正当化しようとする輩は愛国者ではない。戦争をするのではなく、戦わずに国力、軍事力を温存して、世界における日本の地位を高める努力を続けることが正しい選択だった。しかし、単細胞の日本人にはそれができなかった。おかげで、民族としてのプライドまで失う羽目になった。

○わざわざ日本を貶めるようなことを書き始めたのは、今となってみればGHQ(連合国軍最高司令官総司令部、実質的にはアメリカの日本占領司令部)は賢かったと書きたいためである。

○今でもそうなのだが、とにかく日本は暴走する。国民性なのか、民族性なのか、少し考えれば自分にとって損か得かくらい分かりそうなものだと思うが、そこが分からないのが日本人だ。明らかに損をするようなことにでも突っ走る。不思議な国だねえ。ワクチンを打てばコロナは防げるの? マスクをすればコロナは防げるの? そんな小学生にでも分かるようなことを理解できずに突っ走るのが日本人である。

○人間社会というものは、お互いに損はしたくない、儲けたいなどと思うことを前提にして成立している。楽しいことが好きで、苦しいことは嫌い、怠けていることが好きで、美味しいものを食べるのが好きで。それだからお互い安心して付き合える。

○そこを日本人ときたら、最初から「欲しがりません勝つまでは」「一億総玉砕」「ぜいたくは敵だ」「立派な戦死と笑顔の老母」「嬉しいな 僕の貯金が 弾になる」などと言わせようとする。あるいは喜んで言い始める。頭がおかしい。

○「本当はそんなことをしたくないのだけれど、今の国の状態ではそれも仕方がない。」となぜ言えないのだろうか。「ワクチン打っても、マスクしても、さっぱり感染は防げないし、ワクチン打って死んでしまう人もたくさんいて、ワクチン後遺症に悩まされる人も多いけど、今の国のことを考えると必要だと思う。」となぜ言えないのだろうか。ついでに書けば、ワクチンを打つことも、マスクをすることも、今の日本では全く何の必要もない。

○どうして日本人はこれほどまでに話の分からない国民なのだろうか。話が分からないばかりではなく、とんでもない方向違いに暴走を始めるものだから、とてもではないが一人前の人間として付き合うことができかねる。何を始めるのか分かったものではなく、気が気ではない。

○今のアメリカはすっかり崩れてズタボロになってしまったけれども、昭和20年のアメリカは国としての最盛期というような時代で、経済力も軍事力も余裕しゃくしゃくだったのだろう。そして、日本をどのようにして暴走できない国にするかを真面目に考えたのだろうと思う。その結果、大変に適切な手立てを講じた。

○今批判の多い憲法9条はその一つだ。私はGHQが憲法9条によって、本来であれば国が持つべき交戦権を日本から奪ったことは大正解だったように思う。なぜなら、今の日本政府に戦争をするかしないかを判断する能力など全くゼロだからだ。

○田中角栄は私の好きな政治家ではないが、アメリカからベトナム派兵の要請があった時に「どんな要請があっても、日本は一兵卒たりとも戦場には派遣しない」と答えたそうである。(田中角栄が「憲法9条」を盾にベトナム戦争への派兵要請を断っていた 2019.6.21 デイリー新調)

○正しい判断だった。どこにベトナム戦争などという、下衆の行う戦争に参戦する馬鹿がいるものか。あ、韓国は参戦して散々醜態を晒したんだったかな。政府というものは、あるいは総理大臣というものは、常に日本の国益を考えながら決断をしていくことが必要とされる。これはものの分かった人間にとっては当然の常識である。

○しかし、今の日本政府にはそれだけの能力がない。ただただ、アメリカの下僕、アメリカの奴隷を務めて、飴玉の一つ二つ舐めさせられて喜んでいるような政治家ばかりだ。仮に、憲法が改正されて日本軍ができたとしたら、アメリカはここぞとばかりに「中国に攻め込め」と日本に命令するだろう。今の日本にそれを拒否できる政治家はいない。拒否できる政治家がいなければ、日本はウクライナの二の舞となる。

○新型コロナも同じことだ。日本には新型コロナ詐欺や新型コロナワクチンを拒否できる政治家がいなかった。尻尾を振って、「どうぞ日本人を、人体実験のモルモットとして使ってください」と差し出すばかりだった。そのせいで一体日本人が何万人殺されたことだろう。目をそむけてはいけない。

○新型コロナ騒動を見ると、日本の官僚制もいよいよ地に落ちた印象を受ける。民主党政権の前くらいからだろうか。日本の官僚制がしきりに叩かれるようになった。無理もない。私にとって官僚のイメージといえば、 " 規則 " と " 前例 " である。規則と前例を盾に取って、仕事を前に進めないことおびただしい。「ここをちょっとこう変えるだけで、万事うまくいくのに」ということをしようとしなかった。

○官僚の示威行為であり、既得権益保護であり、職務怠慢だった。上は霞ヶ関の官僚から、下は役場の窓口係までがそうだった。私の住んでいる小樽市のような田舎だと、今でも市役所の窓口係は偉そうである。

○しかし、この官僚主導国家も今となってみれば大きな利点があった。一つは、政治家よりも頭が良かったことである。政治家にとって頭がいいか悪いかはほとんど意味を持たない。頭を働かせる職業ではないせいだ。そのため、たとえ東大卒であっても、政治家を続けるうちにそこらのFラン大卒と変わらなくなる。その点、官僚はある意味専門家であり、職務の熟知度には高度なものがある。

○もう一つ官僚の長所は、欠点でもある規則と前例に従うことである。これは、どうにもこうにも形式的で融通が効かず、日本を沈滞させる原因になることだが、良くいえば法治主義である。私的な感情に左右されにくい、賄賂やハニトラに負けにくい、公平であるなどの利点を持つ。

○そんな官僚の、国を支える上での利点や長所が、もうすっかりなくなってしまった。政治主導が行き渡ってきたせいである。政治主導になってしまうと、政治家という存在がここまででたらめを平気で行い、失敗をしても責任を取らず、それどころか失敗そのものを認めず、私腹を肥やすことさえできれば国は滅びても気にしない人間の集まりであることが判明した。目先の都合のために超法規的措置の連発である。まだ、規則だ、前例だと、頭の硬いことを言っている方が傷が浅い。

○おそらく政治主導そのものが、アメリカの指示なのではないかと思う。強い官僚がいては日本を食い物にすることができにくいために、政治主導などという概念を持ち込んで、外敵に抵抗する日本の官僚制を潰した。

○そのことに関する論より証拠が、新型コロナ用ワクチンの認可である。新型コロナ騒動が持ち上がる前であれば、認可されるはずのないワクチンだった。なにしろ、安全性が未確認のワクチンなのだから。

○安全性が未確認なばかりではない。実際に使用を始めたところ、ワクチン接種後に亡くなったと厚生労働省に報告があっただけで1,835人を数える。官僚制が機能していたならば数十人が亡くなった時点で、このワクチンは使用中止である。そんな危険なものを国民に打たせるわけにはいかないからだ。

○しかし、時代は政治主導であり、官僚は権限を奪われている。あるいは、政治家に秋波を送る官僚ばかりになった。その結果、人口動態速報を見ると、ワクチン接種で亡くなった人は10万人以上に及ぶのではないかとの推測ができるほどになっている。

○そしてアメリカは儲けた。ワクチン会社のファイザー社はかつてないほどの利益を上げている。ビル・ゲイツは大喜びである。日本の政治家はビル・ゲイツに日本人の命と莫大な利益を、勲章とともに渡した。これが、アメリカの意図した政治主導である。

○どこの国であろうが、いつの時代であろうが、絶対にうまくいかないのが権力を集中させてしまうシステムである。おそらく、これまでの日本は野党が育っていないせいで、官僚と政治家の綱引きによって国を維持、安定させてきたのだと思う。それなのに、官僚の力を弱めたものだがら、国がひっくり返るような混乱をきたしているのが現状ではないかと思う。

○官僚の力を強めた方がいいというのではなく、権力を政治に集中させるのは誤りだと書いている。仮に政治に権力を集中させるのであれば、健全な野党が権力の暴走を防ぐ必要があるのだが、今の日本は、野党も政府と一緒になって暴走している。マスコミだって本来であれば、政府の暴走を止める役割を持つはずのものだが、もはや政府やアメリカの広報組織、国民洗脳組織に落ちぶれた。

○憲法が権力の暴走を止めることができるのであれば憲法でいい。野党でもいい。官僚でもいい。マスコミでもいい。アメリカでもいい。ロシアでも中国でもいい。何でもいいと思うが、現実に今の日本政府の考えていることはといえば、さらに政治主導を強め、国民もろとも日本を暴走させることである。いかにしてアメリカにとって都合のいい下請けになるかしか考えていない。

○今の日本ときたら、未熟で幼稚で単純で過激で、一体どこに行くつもりなのかさっぱり分からない。日本という国が正気であれば核武装も選択肢の一つなのだろうが、とてもではないが恐ろしくて核兵器など持たせられない。もう少し落ち着いて、自分たちのしていること、他の先進国のしていることを観察して分析し、自分を律することはできないものだろうか。

○現在の政府・自民党は、まるで幕末の江戸幕府のようにしか見えない。井の中の蛙がオロオロと右往左往するばかりだ。そして、幕末の志士にあたるような者たちはまだ出てきていない。日本が生まれ変わるのには、日本がもっともっと混乱し、これではいけないと立ち上がる日本人を待たなくてはならないのだろう。この先20年や30年でけりがつく問題ではないのかもしれない。