小池都知事と蓮舫議員は似た者同士ということを書くつもりである。褒めては書かない。どちらもファンの多い人だから、信者の皆さんは読まないでスルーしていただければと思う。

私は東京都民ではないので、二人との利害関係は間接的にも全くない。私にとっては関係のない人たちであり、自分の興味と勉強のために眺めているだけである。二人を褒める人がいたところで、「ああそうですか。好きにしたら。」程度のものである。

小池都知事も蓮舫議員も私の嫌いな人であるが、選挙で都知事と国会議員に選ばれたのであり、東京都民が選択をした結果である。東京は特殊な地域である。私の住んでいる田舎と違って、不安の少ない地域である。

不安が少ないというのは、まず、地理的に日本の中心にあることで、これだけでも安心感は大きい。東北北海道や、九州沖縄とは気分が違う。また、人口が多く経済的に発展していて豊かである。関東でも周辺部になると街が寂れていくことを実感できる都市があるが、東京は今のところそのような心配を感じなくてすむ。

地震や台風などの自然災害、それに今回の新型コロナウイルスなどは心配の種になるが、逆にいうとそのような非日常的、非現実的なことに不安を感じるくらい、実際的、現実的な不安を感じないで生活することができている。

政治家を選ぶにあたってこれが何を意味するかというと、切実な気持ちがないということである。些末なことはいろいろあるにしろ、総じて東京都民が何か困ったことに直面しているということはなく、政治家に対して真剣な気持ちで期待するものがない。

このような特に困ったことがない地域で、選挙をするとどのような政治家が選ばれるかというと、面白そうな人である。面白そうといっても、人を笑わせる芸人という意味ではない。人目を引く、刺激的である、見た目がいい、有名である、何か人と違うことをやりそう、人に自慢できそう、話題性があるなどである。要するに、政治とは無縁なところで政治家が選ばれることになる。

歴代東京都知事を眺めてみれば分かるが、政治家としてまともな人間はいない。当然である。政治家が必要とされていないのだから。そして遊び半分に興味本位で、際物、下手物ばかりが選ばれるのが東京である。

ある意味平和な日本の象徴でもある。これで東京都の知事に、政治的な手腕のあるまともな感覚の知事が出現して、行政に手腕を発揮し始めるようなことがあれば、それは東京に、そして日本に、危機的な状況が訪れたときである。

さて、小池都知事と蓮舫議員の共通点はいくつかある。まずは女性であり、以前はかなり美人だったということである。さすがに「かわい子ちゃん」という年齢ではなくなったが、昔美人だったという威力はある。

次に、疑惑があり、おそらく有罪ではないかと思われることも共通点である。小池都知事には学歴詐称疑惑、蓮舫議員には国籍詐称疑惑がある。安倍総理にも「もりかけ」疑惑があったが、もりかけ疑惑とは性質を異にする。

もりかけ疑惑は、無実の証明が不可能な疑惑であったが、小池都知事や蓮舫議員の疑惑は無実の証明が簡単にできる点で違っている。つまり、小池都知事は卒業証書や成績証明書、蓮舫議員は国籍資料を公開すれば、疑惑はたちどころに消えるものであるが、二人とも頑としてそれを拒否している。簡単にできるはずの無実の証明をしないのだから、有罪と疑われるのは仕方がない。

発信力が強く、注目の的になるというのも共通点である。マスコミが取り上げるから注目されるという面はあるが、それだけではなく、注目されるような過激な発言をあえてすることも影響している。パフォーマンスが得意なのである。嘘がうまいともいえる。

もう一つ、大きな共通点が挙げられる。それは、政治的な実績が皆無であるということである。小池都知事も蓮舫議員も、これ以上ないくらい注目を引くアグレッシブな政治的発言を行ってきた二人であるが、その結果なしえたことが何もないことはご存知のとおりである。

その原因は、おそらく男性と協調的な関係を持つことが、あるいは男を使いこなすことが、二人ともできないせいではないかと思う。世間一般に、女性の上司の下で働くことを嫌がる男は多い。これを男のプライドの問題、男尊女卑の風潮などと捉える向きもあるが、実際のところはそういうことではない。

女性の上司の下で働くのは難しいのである。気分で言うことが変わりやすい、好き嫌いでものを言う、理屈が通らない、指示命令の理由が分からないなど、仕事をする上で納得できないことにぶつかりがちなのである。

男は上司が女であるからといっても命令に従う気持ちは持っている。男の上司だって無理な命令を下すことはあるので、ある程度の許容力も持っている。しかし、命令の意図が分からない、昨日と矛盾する命令をされる、命じられたことをしただけなのに怒られるなどのことが生じると部下として生きていけないと感じる。

蓮舫議員はネット上でブーメランと度々言われる。上司が始終ブーメランを投げているようでは、優秀な部下ほど離れていってしまう。

小池都知事は、大きな花火を打ち上げるが、後のことは何も考えていないタイプである。部下とすれば、ほとんど不可能な仕事を与えられて、その後のサポートは一切なしという上司であり、とてもではないが付き合っていられないということになる。

 

女性が男性の部下を使いこなすことの難しさは、この二人に限らず、今後も社会的地位を得た女性の大きな課題となることだろう。


以上のように、二人とも、真面目に考えたときには政治家としての資質に欠けているが、しかし、そこは東京である。きちんとした、力のある政治家が求められているわけではないので二人とも当選することができ、また、それが誤りということでもない。

都知事選が間近である。今のところ、有力な対立候補がいないようなので、小池都知事の再選は間違いのないところだろうか。ホリエモンが立候補するのではないかという噂もあり、東京ということを考えると面白いが、さすがに東京といえども、あるいは平和な日本といえども、あそこまでぶっ飛んだ人を選ぶことができるだろうか。この点は、東京感覚を身につけていない私では何ともいえないところである。