昨日、日韓首脳会談が行われた。中国・成都において日中韓サミットが行われたことから、会談を行いたがっている文在寅大統領を無視して日本に帰ってくるわけにもいかないというのがその理由であると推測される。
会談は、戦後最悪の日韓関係と言われている中でお互いの主張を繰り返しただけで終わり、具体的な成果は何もなかった。とりあえず話し合いの場が設けられたことや今後も話し合いを続けていくことを確認し合ったのは良いことであるという、消極的なプラス評価がなされた程度である。
ところで、この会談において安倍総理は、「両国関係がこのように困難な状況にある時だからこそ,両国国民間の様々なレベルの交流が重要である旨述べつつ,来年には東京オリンピックを控えており,その観点からも,両国政府が様々な交流の重要性につき発信していくことが重要である旨述べた。」ということである。また、「文大統領から,安倍総理の認識に全面的に賛同する旨の発言があり,両首脳は,様々なレベルでの交流が重要であるとの点で一致した。」という(外務省HPより)。また、NHK NEWS WEBでは安倍総理が、「こういう時だからこそ、議員間の交流、経済界の交流、地域間の交流、国民間の交流、特に若者どうしの交流が重要だ。」と述べたと報じられている。
しかし、私はこの安倍総理の発言の意味がうまく理解できずに困っている。どういう意味なのだろうか。分かるようで分からない。誰かうまく解説できる人はいるのだろうか。このことを考えるにあたって、まず現在の日韓関係を概括してみる。
昨年来、韓国は日本に次々とけんかを売ってきた。旭日旗問題、レーダー照射問題、慰安婦合意破棄問題、エセ徴用工問題、天皇侮辱発言などである。日本からアクションを起こしたものはなく、全て韓国が引き金を引いた問題である。韓国が日本に国際法を無視した無理難題を突きつけてくるという性質上、日本政府が受け入れられるはずもなく、いずれの問題も未解決なまま現在に至っている。また、今後何らかの解決が図られる具体的見通しもない。
日本国民も韓国の道を外れた言動を目にして、韓国に対して否定的な感情を持つ者が増えた。今年の10月に行われた内閣府の世論調査によると、韓国に対して「親しみを感じない」とする割合が71.5%、「親しみを感じる」とする割合が26.7%だったという。また、今年5月に行われた読売新聞社と韓国日報社の共同世論調査においても、日本人が韓国を「信頼できない」とする割合は74%になっているのと同時に、韓国人の日本に対する「信頼できない」とする割合も75%に上る。
つまり、けんかを売ってくる韓国政府、譲らない日本政府、お互いに信頼できない、親しみを感じないとする両国民という図式である。両国とも国を挙げての反目、国を挙げての不仲といって差し支えないだろう。100年前だったら日本が韓国に武力侵攻したとしても不思議はない。訳の分からないイチャモンをつけてくる相手には、それが一番手っ取り早い。もちろん、今の世の中そんなことはできないが。
さて、そのように政府も、国民もお互いに悪感情を持っている日韓関係において、私は安倍総理の発言が非常識に思えてならない。一体安倍総理は何を言いたかったのだろうか。「政府同士は仲が悪いので、それを国民がカバーしてね。」ということだろうか。
おかしいなあ。もともと日韓関係が悪くなったのは国民のせいではない。無能な外務省のせいである。その尻拭いを国民にしろというのだろうか。そんなことであるなら、その前に、外務省の職員は全員責任をとって辞職するか、あるいは外務省を解体するべきである。
大体において、「特に若者どうしの交流が重要」とは人を馬鹿にするにも程がある。韓国は反日感情に満ち溢れている。若者であっても反日教育をしっかり受けている。そこに物の道理も十分わきまえていない日本の若者を送り込もうというのだろうか。それでは日本の若者はまるで特攻隊員ではないか。日本の若者は外務省の使い捨て職員ではない。
私が若者の親であれば、子供が韓国に旅行に行くなどと言い出そうものならば待ったをかける。現在両国の関係が悪いからやめておいた方がいいと助言する。子供が韓国人と交流と持つと言ったならば、十分注意しろ、反日国家の国民だからと教えてやる。親ならば当然の配慮である。何か事故が起きてからでは取り返しがつかない。変な洗脳をされたり、韓国人から反日感情を剥き出しにされたりしても困る。
「こういう時だからこそ、議員間の交流、経済界の交流、地域間の交流、国民間の交流は十分慎重に行って欲しい。特に若者どうしの交流は控えた方がよい。常に不測の事態に備えておいた方が安全である。」というのが、国民のことを思いやる政府であるならば発信すべきことではないだろうか。
日本政府としては、今後も韓国との対立は続くことを見込んでいるのだと思う。それは私も支持する。無法者に屈する道理はない。下手に譲歩してしまうと、際限なく難癖をつけ、反省、謝罪、賠償を求めてくるのが韓国である。時間がかかってもここで断ち切るしかない。
しかし、両政府が対立したままでいながら、「国民は仲良くやってね」というのは無理である。無責任である。日本人は日本政府の主張に沿って韓国を理解している。その日本政府が韓国と折り合えない現状において、国民同士が仲良くできるわけがない。日本国民は韓国が嫌いであり、韓国国民は日本が嫌いなのは世論調査を見れば一目瞭然である。そのことを分かっているのだろうか。
きちんと、「日韓両政府は今後とも冷たい関係が続くと思われるので、国民もそのつもりで韓国に対応していってほしい。」と知らせるのが責任ある政府のなすべきことではないだろうか。
あるいはまた、国としてはどうしても国民同士の交流による日韓関係の改善を必要としている、アシストしてほしいというのであれば、まずはそのことを国民に知らしめてお願いするのが筋であろう。「ここはひとつ、工作員になったつもりで韓国を懐柔してほしい。」と率直に訴えるべきである。
長年外務省は土下座外交をやってきて評判を悪くした。親日国家が相手であれそれでいい。しかし、反日国家に対してまでも土下座をしてしまった結果が現在の日韓関係である。今回の安倍総理の発言は外務省の木っ端役人の書いた原稿の読み上げだろう。物事をなんとなく曖昧にぼかし、ほんわかムードを醸し出そうというのが外務省のこれまでの戦術であり、相変わらず土下座外交の域を脱していない。もっときちんと真剣に問題と対面し、問題を先送りせず、厳しい手を打つべきなのである。GSOMIA破棄問題で、アメリカがどれだけ韓国を脅して翻意させたことか、少しは見習ってほしい。
安倍総理の発言はひょっとすると単なる外交辞令にすぎないのかもしれない。しかし、そうであったとしても国民を出しに使わないでいただきたい。国民は外務省の奉仕者ではない。