全国各地でインフルエンザ警報が発令中のようだ。

 

私はインフルエンザが大嫌いである。

といってもインフルエンザにかかるのが嫌いなのではない。インフルエンザで関係者、関係企業、関係省庁が儲けることや大騒ぎすることが嫌いなのである。

たかがインフルエンザである。エボラ出血熱が大流行するのとは訳が違う。

 

思い起こせば、平成21年のことだったらしいが、新型豚インフルエンザが世界的に流行し、パンデミックがどうのとか、フューズがどうのとか、WHOを先頭として世界中で馬鹿騒ぎ、から騒ぎした後から、それに味をしめた関係機関が夢よもう一度とばかりに盛んにインフルエンザ対策に乗り出すようになったように思う。

 

まずはワクチンで大儲けである。あんなに手軽に医者や薬品会社が儲かるものは余りない。ところが効果ははっきりしない。天然痘や結核などのワクチンは効果がはっきりしているが、インフルエンザのワクチンに関しては、一所懸命宣伝してどうにかこうにか納得してもらわなければならないくらいの根拠薄弱なものである。

ちなみに私個人の話で申し訳ないが、インフルエンザのワクチンを接種したことは一度もなく、ここ30年間もインフルエンザに罹患したことはない。喉が痛いとかくしゃみ鼻水鼻詰まりとかが起きることはあり、実はそのとき罹患しているのかもしれないが、会社を休まなければならなかったり高熱を発したりするなど重症化したことは一度もない。風邪の諸症状がある場合でも風邪薬を飲んだことはなく、放おっておけば治ってきた。

 

マスクなどというのも日本独特のものだという話を聞いたことがある。以前アメリカのテレビドラマを見ていたところ、盛んにくしゃみをする人物が登場した。それを見ていた同僚が「おい、マスクでもしたらどうだ?日本人は風邪をひくとマスクをするっていうぜ(笑)」というようなからかいのセリフを発した。アメリカ人はマスクをしないということを知って愕然とした。であるにもかかわらず、日本では場所によってマスクを強制される。全部医療関連企業のボロ儲けである。

 

生活が不自由になるのも不快である。インフルエンザが流行しているので見舞いはできませんと、母の入院している病院から連絡があったそうだ。不自由である。インフルエンザにかかったら元気であっても仕事は休めとか、老人施設でインフルエンザが流行し死人が出てはいけないとか、いずれも大きなお世話である。

特に驚くというか笑ってしまうのは、例えば老人介護施設でインフルエンザ感染のために90歳代の老人が5人亡くなったなどのことを、許されないことであるかのように扱う報道があることである。どっちにしたっていつ亡くなってもおかしくない高齢の老人たちである。だから死ねとは言わないし、あえて病気に感染させろとも言わないが、インフルエンザのために手を尽くしましたが残念ながらお亡くなりになりました、で何の問題もないだろうに。

 

インフルエンザは感染症であり、毎年流行するのものである。その流行を止めることは今のところ絶対にできない。だからインフルエンザに罹患することは正常なことである。無駄な抵抗はやめたほうがいい。同じ金をかけるなら、警報が出ていてもワクチンも打たずに何十年もインフルエンザという自覚なしに生活している私のような人間はどこがどうなっているのかや、インフルエンザにかかっても簡単に回復できるための方法などを研究するべきである。

 

しかし、これには根本的な大問題がある。医療関係者がこれだけ増え、医療関連企業もこれだけ増え、医療関係予算がこれだけ増えた現在、健康な人間が増えたり簡単に病気が治ったりすると困るのである。適度な病気が存在し、適度な薬品や医療が必要とされ、医療関係に従事する者が適度に潤うことが必要とされるのである。そのために、インフルエンザごときで大騒ぎし、各種検査データの正常値が狭まり、余り効果のない予防手段が世間にヒステリックに叫ばれる。迷惑である。

 

このような考えが頭の隅をよぎることは不快である。病気(命)と金儲けとの関係を疑うのは気持ちの良いものではない。猜疑心を働かせずに安穏とのんびり暮らしたいものだ。