≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

筒井重行が提唱する「臨床自然運動学」

からだ日記と自然運動と白隠の環(メビウスの輪)その14

今回紹介している絵は、「布袋寿袋」「布袋解開」です。

作者は、白隠慧鶴です(江戸時代中期の禅僧)。

「布袋寿袋」には、袋を広げる布袋の顔と横向きに描かれた

「寿」の文字が強い印象を残す迫力の作品です。

布袋は、庶民に慈悲の愛を惜しげもなく配っているかたです。

この「寿」とはどのようなものでしょうか?

法句経204番には、以下の内容が書かれています。

  ・心の安らぎ(涅槃)こそは最上の幸せなり(安楽)

  ・健康は最上の利益(めぐみ)

  ・満足は最上の財産(宝)

  ・信頼は最上の知己(えにし)

これらを、他者に惜しげもなく与えることの必要性を描いているのでしょうか?

なぜ、「寿」が横向きに描かれているのでしょうか?

袋を口でくわえていますが、これは「幸福」は「口福」であり、

日々、安楽の言葉を唱えるとよいと言っているのでしょうか?

「いのちの流れ」と 自然運動

白隠禅師が「健康」という概念を初めて使ったかたです。

大自然と小自然の「風の道」の形状とはたらきが、健康に関係しているようです。

それは、東洋医学、仏教でも同じだと捉えて良いようです。

健康を自分のものにするには、自分自身の体と心の声を無心に聴く必要があります。

「健康」とは、「健」は(すこやか)と、「康」は(やすらか)から構成されています。

「病は氣から」と先人が表現しているように、

「今」というこの瞬間を豊かに楽しく紡ぐことが、病気にならず、

病気があっても元気に生きる、健康な生き方につながると感じています。

病気のみに気持ちを向けず、いのちの流れに意識を切り替えることで、

人生を活き活きと楽しく過ごすことができます。

長寿とは、先を心配するのでなく、

「今」、「今」、「今」・・・・・を体の声を聴きながら健康に過ごすことなのです。

健康を日々、無意識に活き活きとコントロールする高次制御システムを人間は生まれた時から自然に持っているのです。

このシステムを動かすスイッチが、「自然運動」なのです。

この行為は、医学・医術であって呪術ではありません。

未病の早期発見による養生、病気の早期発見による治療の二つを実践することが生活の中で必要です。           凡夫なコペル