≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫
筒井重行が提唱する「臨床自然運動学」
からだ日記と自然運動と白隠の環(メビウスの輪)その10
今回紹介している絵は、「布袋吹於福図」です。
作者は、白隠慧鶴です(江戸時代中期の禅僧)。
「布袋吹於福」は、身の丈ほどもある絹本に描かれた双幅です。
右幅では、煙管を手にした布袋が煙を噴き出し、左幅ではその煙の中からお福が現れています。
お福は、美醜の判断を超越し、人々に福をもたらす象徴です。
白隠布袋が人々の「福寿」を願って、精一杯吹き出しているところです。
信頼と慈悲は、最高の知己なのです・・・・・・・
「いなばのしろうさぎ」の物語の、うさぎとワニと大黒様の関係で出てくる「ガマの穂」が参考になります。
自我のガをとると「ま=間」が残ります、これを禅感覚で読み解き、間合いの稽古が「無心」の足がかりになるようです。
唱歌「大黒様」 作詞:石原和三郎
1.大きな袋を肩にかけ、大黒様が気かかると
ここに因幡の白兎、皮をむかれて赤はだか
2.大黒様はあわれがり、きれいな水に身を洗い
蒲の穂綿にくるまれと、よくよく教えてやり
ました
3.大黒様の言うとおり、きれいな水に身を洗い
蒲の穂綿にくるまれば、兎は元の白兎
4.大黒様はだれだろう、大国主のみこととて
国をひらきて世の人を、たすけなされた神様よ
禅感覚(感性) と 「間」と「間合い」と 自然運動
禅感覚(無心)は、天地同根・万物一体感覚です。
この問題をほどくには、「間」、「間合い」、「自我」の色の
あわいとの関係性をよく理解する必要があります。
沈黙とは、「間」のことを指します。古くから日本では沈黙や静
寂と言った時間や空間の「間」を大切にしてきました。
武道で「間合い」が重要視されるのも一つです。「間合い」とは
相手との時間、空間、心理的距離のことを言います。
「間合い」が合わなければ、どれだけ強い人でも怪我をしたり威力
が半減したりします。
コミュニケーションでも同じことが言えます。私たちはどこまで相手に踏み込めるかを無意識に計っているのです。沈黙とは相手の存在を感じ、同じ時間を共有する中で、お互いが適切な距離を探していることかもしれません。〜人間関係・武術・自然〜
緊張状態が強い人は、人や仕事との「間合い」がうまく取れず自分の中心点と中心軸を、揺らされ不安定になります。
これを解決する方法としては、各自が持つ高次制御システムを活用することが必要です。
それは、調身・調息・調心の中心点(重心)と中心軸(重心軸)を基盤とした「間合い」です。調身は空間、調息は時間、調心は人間の間(あわい)を整えることです。それは、お薬の調剤と同じです。コペル