≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」その27(スライド38と39と40)

(スライド38)

スライドは、鍼の手技を示しています。

鍼を刺されると、「ひびき」を感じます。

正確な位置に「鍼」が刺されると、独特の感覚を覚えます。

だるい、しびれる、重い、突っ張る、少し痛いなどです。

ただし、不愉快な痛さはありません。

このような鍼治療独特の感覚を、「ひびき」(得気)といいます。

「ひびき」は、鍼の刺激で経絡の気が、反応している時に、あらわれるものです。

気がよく動いた場合は、鍼を刺した位置と離れたところに「ひびき」を感じることもあります。

施術者は、鍼を通じて「ひびき」を感じ、治療を受ける側も感じます。

「ひびき」の有無や、強弱をはっきりと術者に伝えることが重要です。

虚を補う「補の手技」、実を取り去る「瀉の手技」、などがありますが、詳しくは専門書をお読みください。

鍼を刺して、「ひびき」が確認されたら、治療目的にもとづいて鍼

を操作いたします。

目的は補と瀉に二分される。証が虚であれば補、実であれば瀉となります。

補は、不足している正気(せいき)を、鍼によって補い充実させることを言います。瀉は、邪気や停滞している気や血を取り去ったり、別の場所に移動させることになります。

補瀉の手技・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・鍼をあまり動かさない   〜静的補瀉

  ・鍼を積極的に動かす   〜動的補瀉

動的な補瀉には、鍼を上下に上げ下げする提そう補瀉と、

鍼を回転させる捻転補瀉 などがあります。

基本は、補であれば、強くすばやく鍼を刺し、そっと引き抜く。

気が逃げないように鍼を抜いた後は指で閉じる。

鍼は、正中線(体の左右中心線)に向かうようにまわす。

瀉は、鍼を勢いよく抜いて、気や邪気が鍼と共に出ていくようにする。

鍼を抜いても閉じない。鍼は、正中線から離れるようにまわす。

鍼の手技は非常に多様です。

通常は、鍼灸師自身が最も得意とする手技を選び、施術しています。

(スライド39)

病理信号としての「ツボ」。

変調している臓腑からは、病理信号が出て、経絡を伝わっていく。

病理信号を受けた「ツボ」は、色が変わったり、手触りがガサガサしたりと、反応があらわれます。

ツボを刺激する・・・・・・・・・・

鍼や灸でツボを刺激すると、その刺激が経絡に伝わり、経絡の中の気と血が動く。

変調していた臓腑は、気と血の動きが伝わることで、活性化して、自然に変調が修復されます。

鍼の補瀉の手技を行うには、正しい弁証(診断)が必要です。

次回は、「ツボの百会」についての説明とデモで

(スライド40)

補足資料

鍼の補瀉の手技には、人体マンダラ図を利用した弁証に

もとずく事が必要です