≪今日のコペル先生独り言≫

こんな本『カラー版 ベアー コノーズ パラディーソ 神経科学 脳の探』を読んでいたら、

数年前読んだ論文が記載されていた。

それは、情動のボディーマップ(情動の色分け地図)です。

フインランドのアールト大学の生物医学チームが全米科学アカデミーに発表した論文。

      Bodily maps of emotions

  (PNAS) 2014 Jan 14;111(2): 646-651

人間の各感情(情動)が体のどこで感じられるかを視覚化した「Bodily maps of emotions 」をまとめた。

https://www.pnas.org/content/111/2/646

被験者はそれぞれの人種から集められた701人のボランティアが感情変化のきっかけとなる実験①は、以下の単語そのものを提示、怒り、恐怖、嫌悪、幸せ、悲しみ、驚き、不安、愛、抑うつ、軽蔑、誇り、恥、嫉妬。

実験②は、上記の単語を想記させる短い物語を読んでもらう。実験③は、動画を見てもらう。実験④は、上記の単語想記させる顔の表情を見てもらう。それが、自分の身体のどこがどう反応したかを答えることで情動と身体の反応を関連づけた。

答え方は、コンピュータ画面に提示された全身を表す2つのシルエットの片方に強くなった、もしくは速くなった部分を“暖色”で、もう一方のシルエットには弱くなった、もしくは遅くなった部分を“寒色”でマウスで色づけするもの。

その結果が、14タイプの人体画像です。

幸福感は体全体の活動性がかなり上昇し、暖かさが広がっている。悲しみでは特有の極度の減少を示した。

パニックは文字通り「真っ青」。はらわたが煮えくりかえるとよく「怒り」の表現として使われるが、実は全くお腹では感じられていなく、日本人にとって「嫌悪」のほうが近いのかもしれません・・・

罪悪感(嫌悪)に対する体の反応は、“消化管”と“のど”の周囲で活動性が高まった(咽頭反射?)。

同じ情動では、人種(文化的)な違いを越えて共通のパターンが表れたそうです。

また、「恥 / 羨望/ 驚き」、 「愛 / 不安/ 怒り」には見た目の共通点が意外にあるようだ。

心の表裏にある関係を明らかにしているようにもみえる。

「幸福」の反対は、怒りや憎しみではなく「パニック」のようだ。

これらは、自律神経の知覚と活動性と中枢神経系が関係しているのかもしれない。

われわれは、色んな感情の存在を “感じて” きたが、研究チームは、この視覚化によって感情の違いや関係性を客観的に知ることが可能になり、からだのいたるところにある “ 感情(情動)のトリガー“ が、各感情(情動)の発露に「重要な役割を果たしている可能性がある」と結論づけている。

コロンビア大学の精神疫学のマーナ・ワイズマンも「私たちの脳は、実は臨時的な器官で、体をコントロールするだけでなく、コントロールされている」と語っています。

「体の感情」が我々の「心の状態」に影響を与えているようです。

動画

https://www.bing.com/videos/search...

『カラー版 ベアー コノーズ パラディーソ 神経科学 脳の探』

https://www.amazon.co.jp/%E3.../dp/4867060186/ref=sr_1_3...