≪高次制御システムとしての自律神経の活き≫ その7
実験医学 増刊
『超高齢社会に挑む 骨格筋のメディカルサイエンス』
Vol.36-No.7 2018
現代医学、東洋医学の生理学的な
課題の多くは宗教や哲学や芸術の対象と同じであった。
その自然観や生命観や整体観とは、
密接に関連している。
仏教の「重々帝網(じゅうじゅうたいもう)なるを即身と名づく(空海)」
という教義があるように、
自然界や社会に於ける現象や生命活動が我々のコントロールを
はるかに超えた多くの要素の複雑なネットワークによって
高次に制御されている。
人間を構成している60兆個の細胞も
自然界と同じように複雑にクロストークしている。
自然運動(風楽)と「重々帝網」の関係を、
ゲートウェイ反射の原因の一つである「重力」で診てみると
「無重力」を身心に導きだすことが
臨床の現場では必要であると考えられる。
この写真の自然運動をしている患者さんは、
無意識で逆立ちのポーズを取って無重力の状態になろうと動いている。
患者さんの主訴は、L5の椎間板ヘルニアによる腰痛と
顎関節症による身心の歪による疼痛である。
歯科の診察台は、全身をまるごと診るのには最適な姿をしている。コペル先生より
追伸:重々帝網とは、一即一切、一切即一である・・・・・。
※クロストークとは、
生物学で言うシグナル伝達系での「クロストーク」はまた別の意味です。
シグナル伝達系のパスウェイ(pathway)はそれぞれがまったく独立な一本道かというと、そうではないというのが一般的です。あるパスウェイの枝道が他のパスウェイに影響を与えたり、相互に影響しあったりして、複数のパスウェイが連携して細胞機能の調節を行います。これがクロストークです。
参考URLはWikipediaの「シグナル伝達」の項