結婚してからずっと元旦の日は、
昼は私の実家、夜は夫の実家でご馳走になり、
私はおせちなど正月料理を作る必要がなかった。
だが、8年前に父が亡くなってから、母はおせちを作るのをやめた。
それからは近くの和食の店での新年会→実家でオシャベリに変わった。
今は私一人で実家に行く分には気にしないようだが、
夫や息子たちを家に招き入れる準備をするのが面倒らしく、
去年から私の家に来て、息子たちへのお年玉を渡して少しおしゃべりしたら帰るというスタイルに変わった。
母が帰った後、今度は義実家。
義母は料理上手だったが、認知症を発症してから料理をしなくなった。
同居する義兄は一切、料理はしない。
なので、しばらくは近くの和食レストランで食事会をしていたが、
それも面倒になったらしく
「家で食べたい』と言い始めたので、ここ数年は夕食はすき焼きパーティーにしていた。
年末、夫に
「お母さんが昼から来て用意して欲しい!
雑煮が食べたい!と言っている!」
と言ってきたそうだ。
アラ還の義兄は一度も結婚したことがなく、義母の味しか知らないせいか、
「マザコンか!」と言いたくなるようなセリフを言う。
まだ子供が小さい時に、数ヶ月だけ同居していた。
基本的に義母が食事作り、私は子供の世話もあるので補助という感じ。
その同居期間に義母が旅行で1週間、家を空けた時、私が全部、食事を作ることになった。
決して不味いものを出したわけではないのだが、
「コレ、お母さんのと違う!」
と言われたことは今でも忘れない。
そんな発言をする義兄に義母とは違うお雑煮を出したら、
また「お母さんのと違う!」と言われそうだ。
義母の作っていたお雑煮に似せて作ることも出来なくはないが、私は実家の味が好き。
夫もそちらの方が好きになったので、我が家のお雑煮は父の故郷の味だ。
義母が作っていた関東風のお雑煮にするべきか、
私の実家風にしようか、
散々、迷った末、いつも通りの私の実家風の雑煮を作って出した。
義兄、義母共に一口、食べてすぐに
「あーこれ、美味しい!」
雑煮の他に、蒲鉾など切って並べただけのものもあるが、煮しめや伊達巻き等も作って持参したものも、一口、食べてすぐに
「あー美味しい!」
と言いながら食べていた。
義母が料理をしなくなってから数年。
家庭の味に飢えていて、何食べても美味しく感じるのもあるのかもしれない。
もしくは私が台所に行っている間、夫が義兄に入れ知恵したのかもしれないが、
義兄も歳を重ね、少しは成長したのかなーと思う元旦だった。