昨晩は飲み過ぎたな…。

2時半頃に起きてから2度寝したらスッキリ起きれた。

無事にチェックアウトして積み込みが終わるとホテルの裏にある川が気になる。

この川が和歌山一の大河、紀の川かと思ったら和歌川って言う川らしい。


この川は北に流れてるの?南に流れてるの?

どっちが上流でどっちが下流なんだろうって釣り師ならではの疑問で調べたら驚愕した。

ほぼ平坦な場所にある為に潮の満ち引きにより北にも南にも流れる稀な川らしい。

うーむ。朝からトリビア。


今日から帰路につく。

帰りも鳥羽から伊良湖へフェリーだな。

昨晩一緒に飲んでたお姉さんの話しによれば紀の川沿いにしばらく走れるらしい。

それで三重県に向かえば良いと。

帰路に寄りたいところがあり。それを考えてもそのルートは良さそうだ。

走り出してから気がつく。

朝食食べて無いや。




走り始めたばかりなのに。

朝食休憩。

暑いな。 

通勤ラッシュに紛れ。

和歌山市民がいつも朝に寄るであろうコンビニへ。

横浜ナンバーのバイクが何しに来たんだ。

「邪魔臭えな。」

とか思われてるかも。

でもそれは被害妄想だ。

お盆明けの世間は旅人には無関心だ。

菓子パンをアイスコーヒーで流し込んだら俺は行く。

世の喧騒には背を向けて。

誰も居ない山の中までひたすら走る。

紀の川沿いを抜けて山に入れば。

そこは昔の旅人が歩いた道。

誰も居ない山道をエンジンに跨り。

スロットルを開る。

小排気量車。

開けきれる快感!

旅は加速する。

50歳はとうに過ぎたがやってる事は四半世紀前と変わらない。


立ち寄りたかったのは東吉野村にあるニホンオオカミ像。


久しぶりにニホンオオカミさんに挨拶してから行こうかと…。


ニホンオオカミが最後に正式に確認されたのは明治38年。

ここ東吉野村で捕獲された個体が最後の1頭とされている。

まあ色々と調べてたら昭和初期迄は実は居たみたいだな。


今日も天に向かって吠えている。

生き残りが居る僅かな可能性も、もはや無いだろう。

ニホンオオカミよ永遠に…。






東吉野村の清流だけはずっとこのままで居て欲しい。

さあ行こうか!



帰ると決めるとひたすら走る。


目の前に現れたループ橋で久しぶりに停まった。

既に三重県松坂市に入った様だ。

このペースだと今日中に鳥羽からフェリーに乗り伊良湖へ渡れてしまうな。

休みは明後日までだ。予定より1日前倒しで明日には帰宅して最終日は家でのんびり荷物を片付けるとしよう。

今日は何処まで行けるやら…。

道の駅 飯高駅でお昼にしよう。



道を挟んでラーメン屋さんがあったのでそちらへ向う。



メニューを見てたら、なんだか冷やし中華が食べたくなった。

冷やし胡麻だれ990円。

食べ始めて半分も行かずに。

ラーメンにすれば良かったかもって思いながら食べる。

一夏に一度ぐらいしか食べない冷やし中華って毎年思うんだ。食べてるうちに飽きる。

けしてこのお店のが美味しく無いとかではなく毎夏一度は食べたくなるのに必ず途中で飽きるんだ。

子供の頃は大好きだったのに本当に不思議な現象だ。




そして道の駅で今晩の買い出し。

地鶏のモモ肉冷凍も買おうかと散々悩んで買わず。

それも買ったら多いかと…。

カマス開き、トロナス、甘長唐辛子、イチジク。

イチジクってそう言えば子供の頃に近所の庭先で実ったのを貰って食べて以来食べて無いなと思い何となく買ってしまった。

なんだか異色な組み合わせの食材達…。

最後の夜も無事にキャンプ出来る場所が見つかると良いなあ…。

あっと言う間に鳥羽市街へ。

前を走るバイクに信号待ちで追いついた。

何やらイカつい大男がヘルメットから長髪をなびかせタトゥーが入ったぶっとい腕でバイクを操る。

バイクはなんだろ。あまり見ないロケットカウルがついた大型バイクだ。

もしかしてちょっと前にでたホンダのホークかな。



↑こんなバイク。

そこからイカつい大男と渋滞した市街地の片側二車線を前になったり後になったり。

強面だし出来るだけ並びたく無いな…。

最後はすり抜けして行く大男を敢えて追わずに見失い鳥羽港に到着!!

係員の人にバイクの待機場所を聞くと「あのバイクが停まってる前迄行って下さいと。」

目をやると車の列と並行して1台のバイクが停まってた。さっきの人だ。

俺「前?あのバイクの後ろでいいんですよね?」

係員「いや、あの人は理解してくれなかったからあの人を抜いてもっと先の突き当たりです。」

どういう事だか良くわからないけど大男を抜いたら現れた二輪と表示された場所へ。

ポールポジションゲット。

そしたらその人も停車位置を間違えてた事に気が付きこちらへ移動。

良く見たら外人さんだった。

なるほど言葉が通じ無かったって事ね。

出港時刻が迫っている事に気がつき慌てて建物に入りチケット売り場へダッシュ。

チケット売り場何処だっけ?2階だっけ?

2階に上がるとお土産売り場の先にチケット売り場があった。

バイク積み込み規約同意書に名前を書いて窓口で渡すと排気量を聞かれチケットをゲット。






あの外人さんはチケットは買ったんだろうか…。埼玉のナンバーだったから往復で買ってるのかも?

聞いてあげた方が親切かも…などと思いながらバイクに戻る。

なんて聞けば?

Do you have my ticket?とかかなあ…。

バイクに戻ると予感的中。

不安そうな顔した外人さんが近寄って来た。

なんか言ってるけど聞き取れず。

でもきっとチケットは何処で買うんですか?って言ったに違い無い。

「この建物の2階に上がるとお土産とか売ってるとこがあってその奥がチケット売り場ですよ。」
↑これを英語でなんて言えば…。

咄嗟に俺が放った英語は…。

「レッツゴーチケット!!カモーン!!」

俺に着いて来いのジェスチャー付きだ。時間は無いぞ。あと5分で積み込み開始だ。

「タイムナッシング!!」

腕時計して無いけど腕時計する辺りを指刺しながら伝える。

理解してくれたよ。

走れ!!

エレベーターが来ないぞ。階段で行くぞ!

「カイダーン!!」

www

なんか外人さんにウケてる。

一緒に階段を走り2階に上がりチケット売り場に着くなりバイク積み込み規約同意書を渡し た。
 
「ネーム!プリーズ!」

速攻で名前を書いたら受付へGO!

受付嬢「排気量は?」

外人「??」

排気量は英語で言うと何て言えば…受付のお姉さん俺よりは高学歴だろ英語で言ってあげて!

ダメだ受付嬢が固まった。

俺「エンジン!!エンジン!!」

外人「??」

う〜ん伝わらねえ…。

ちょっと発音を変えて「エンズィン スィースィー?」

外人「Oh! one thousand one hundred」

通じた(笑)1100ccか!

俺「400cc以上で!」って代わりに言ってあげた。

無事に買えたぞ。

ダッシュで2人でバイクに戻る。

頑張ったよね外人さんも俺も。外人さんやっと安心した様だ。

「アリガトウ…」ってはにかみながらも日本語で言ってくれた。

もう車の積み込みが始まってたよ。

バイクは先に積み込みなのに。

係員の人が車を止めてくれて割り込ませてもらう。

スミマセンねえご迷惑おかけします。


いやあ〜焦った。

結果的に間に合って良かった。


あの人は何人だったんだろう。

アメリカ人ぽいけどオーストラリア人だったりして…。

米軍基地に駐留してる米兵かもなあ…。

夏休みでツーリングしてるとか。

レンタルバイクかなあ、あれは?

ホーク11って1100ccだから11だったんだねえ…。初めて実車を見たよ。

あっと言う間に伊良湖へ到着。




後ろに居るのが謎の外人さん。

さてと上陸したは良いけど何処迄行こうかな。

外人さんは挨拶して走り去って言ったし。


うーむ。

あと日暮れ迄は走れて1時間半だな…直ぐに夕方だよ。


此処で前から気になってた伊良湖フェリー港の脇にある緑地帯ってキャンプ出来ないか?を考察する。


トイレもあるしね。 


こう言うのは長年の勘が物を言う。

先ずはキャンプ禁止とか火気厳禁の看板が無いかよく確認する。

このトイレの後ろ直ぐの芝生エリアは張りやすいけど駐車場から目立ち過ぎて危険だ。

夜な夜な集まって来るかもしれない暴走族や若者に襲撃されないとも限らない。

不審者がテント張ってますと通報されかねないし(日本一周時には公園野宿で新潟と沖縄で2度通報された事あり。)


なので少し海に進んだ一段下がった場所に…


大胆にも張っちゃったよ(笑)

少しづつ駐車場に下がると…



だんだんと見えなくなり…。


駐車場からはこの様に僅かにテントの頭が見える程度になり中々気がつかれ無さそうだ。



目の前には浜が広がり素晴らしいロケーションである。




前にここを見つけた時にいつかキャンプしてやるって思ってたけど。


そんな日が本当に来るとはね。



問題は風が強い!張る時は大した事が無かったのにあっと言う間に強風に。

大昔に長期連泊してた北海道の礼文島の当時は無料だった久種湖キャンプ場並の強風だと言えばわかる人にはわかるだろう…。

そして地盤が硬くてペグが刺さりにくく抜け易い。

抜け無い様に一箇所にペグをクロスさせて二本打つ。


そしたらペグが足りなくなり拾った棒も使い打ち込む。


↑それでも風は強まりペグが抜けて来る。


負けてたまるかぁ!

国内A級野宿ライダーの俺の経験値を見せてやる。

ペグを押さえる為のペグをロープでジョイントさせて打つ。


雑草の根っこの抜けづらい場所に親ペグを打ち込む。


良いものが落ちてる。

古タイヤも使う。


コンクリートの瓦礫だって使う。



どうやら俺は風に勝ってるらしい。

今のところは…。

やっと落ち着いた頃に堤防の上をこちらに歩いて来る人が…。

ここでも経験値が物を言う。

不審者がキャンプしてると思われない様に目が合った瞬間に笑顔で「こんにちわー!」

これで一気に相手の警戒心を解くんだ。

話して見たら同年代と思われる方で午前中は会社で仕事してたんだけど、ちょっと煮詰まってしまい午後休をもらい愛車のロードスターでフラッとドライブに出たのだとか。

釣りやアウトドア好きな人で釣りの話で盛り上がる。

小一時間ぐらい話してたかも…。

此処は堤防の先端迄行くとクロダイやスズキも釣れる人気の釣り場なんだとか…。

ロードスター氏「ここでキャンプとか凄い良さそう。俺も釣りも兼ねて今度やろうっとwww」

俺「たぶんここは大丈夫かと。もし警察に通報された時の為にもう手は打ってある!」

ロードスター氏「えっ?」

俺「テントを張ったら速攻でビールを飲むんですよ!わかりやすく空き缶をテントの前に置いたりしてさ。万が一警察が来たらもう飲んじゃってて移動出来ないんです。明日の朝には直ぐに撤収しますので、スミマセン!!って言えばたぶん大丈夫。」

いやあ〜楽しい時間だった。

ロードスターさん、いつかまたここで、お会いましょう!!(笑)


日が傾いて来た。

夕陽が正面に沈むのか。

ヤバいな。

旅の最後の夜を迎えるのにふさわしい。


キャンプ場じゃ無いからまだ焚き火はしない。

炭を起こして煙があまり出ない様にカマスを焼く。 


いつしか風も止み。


なんだかなあ…。


俺は長年の旅人生の中でベスト5入りする程の夕陽を喰らった。


マジかよ…。


21歳。北海道の知床ウトロの夕陽台で見た夕陽や。

25歳。オーストラリアのナラボー平原に沈む夕陽で人生初めて夕陽で泣いてしまった時の事を思い出した。

伊良湖の夕陽で久しぶりに若い頃の純粋な気持ちを思い出したねえ。


感傷に浸ってるうちにカマスも甘長唐辛子も焼けた様だ。


トロナスとやらも焼いてみる。




このカマス…思ったより脂がのって無いね…。


油をいっぱい鉄板にひきトロナスはジューシーで美味。


まあ良いさ。

最高の肴は夕陽が沈んだ後の余韻だ。



3尾目のカマスは多かったな。

箸が止まる。

明日の朝に食べようかな。

やっぱり地鶏モモ肉の冷凍も買うべきだったかもしれないがこの夕暮れの余韻がそんな心を打ち消すほど美しかった。


↑感動の伊良湖の薄暮れ。たぶん泣きます。
風の音。さざ波の音。音量を上げられる環境で再生する事をオススメします。


↑更けて行く伊良湖の夜。

焚き火は魔物。

焚き火は生き物。


だいぶ酔って来たね。


今日も流木が気持ち良く燃えてくれた。


ランタンとビールが何か主張してた。

どっちがエライかって。

俺の口からは言え無いなあ。

どっちにもお世話になってるし。

風が頬を撫でた。

星が瞬いた。



そろそろ寝ようか。

もう1本飲んだら眠りにつこう。

泣いても笑っても明日には旅が終わる。

朝が来たらまた走るぜい!

つづく。