玉名市ビジネスホテル鈴鹿を出発だ。


今日から天草を巡る旅へ。
海沿いの国道501号に出て天草の玄関口。宇土半島へ向う。
この半島が面白い。
半島を分けた様に国道57号が走る北側が宇土市。
国道266号が走る南側が宇城市。どちらも海岸線を行くのでどっちを通るか迷うところだけど、去年は南側を走ったので、今回は北側の国道57号を行く。
走り出して思ったこっち側の方が開放感が有るね。



トイレ休憩で立ち寄った道の駅宇土マリーナ。
トイレの周りに沢山のツバメ達。
もうツバメが来る時期かあ…。

ついでに中を覗いて見ると鮮魚が充実。

地魚のオンパレード。
こんなメバルが釣れないかなあ。

イサキも美味いだろうなあ。



月日貝って初めて見たな。
ホタテみたいな貝だね。
安いから挑戦すれば良かったかも。

バイクに戻るとバイクが増えてた。今日は程よい距離感。
小腹が減ったので隣りにあるファミリーマートへ。
定番の肉まんとホットコーヒー。

肉まんに何か付いてる。酢醤油?
へー。家の方では肉まん買っても何もつかないぞ。
ちょっと気になる。
すぐ調べる。
実はこれ九州と一部の地域でしか無いサービスらしい。
逆に九州の人が別の地域に行って肉まんを買うと酢醤油がつかないから、忘れたと思って店員さんに要求してしまい、怪訝そうな顔をされると言う逆パターンも有るらしい。

でもさ…この状態で酢醤油をかけたら流れ無いのかな?
少し試す。流れた…。
あっ!一口齧ってから具にかけるのかも!
ピンポン!正解!上手くいった。
いざ実食!
これ。断然に酢醤油かけた方が旨い。
もはや一度これを味わうと絶対に欲しくなる味だ。
プチカルチャーショックだったよ。

それにしてもここ広々してて気持ち良いね。
夕方だったらテント張りたいぐらい。

九州のハワイ。宇土マリーナ。

更に進むと海に浮かぶ様に絵に描いた様な島が。
地図で見ると中神島かな?

更に進むとこれから渡る天草五橋一号橋。

去年はあっと言う間に橋に入ってしまったから橋を側面から見てから渡れる宇土ルートの方が良いね。

振り向けば中神島が。
いざ!1号橋を渡り天草初めの島、大矢野島へ。
橋の上で停まれ無いから写真が無いけど気持ちいいー!!
何だか去年の印象だと交通量が多くて、それほど感動は無かったんだけど今回は晴れてるし…交通量も程々で凄く開放感のある橋だ両側に見える島々が美しい。
旅ってこんなにも、その時の状況で景色が変わるんだねえ。

そして次の上島に渡る前に本線を外れて立ち寄った天草四郎ミュージアム。

去年ここの存在を知って天草四郎ってどんな人だったっけ?って思いながら通過したポイント。
旅が終わってから調べたら、この人が島原の乱で一揆軍を率いたリーダーだったのか!
歴史を調べて行くうちに感銘を受けたね。次に天草に行く時には必ず表敬訪問しようと思ってたんだ。
入館料600円を払い中へ。
中は平日だった事も有り閑散としていた。
撮影は禁止なので写真は無い。
当時の歴史的背景が良くわかるジオラマや展示物。ミニシアターなども有り順路に沿ってにじっくり見る。各所にQRコードが貼り付けて有りスマホで読む込むと音声で解説もしてくれる。
じっくり見てたら係員の人に声をかけられた。
「シアター上映時間なんですが見ますか?」
ミニシアターで天草四郎のストーリーを見れるらしい。
そのまま案内されると先客1名のみ。
現代風のアニメーションにアレンジされた天草四郎がカッコいい。
幕府による過重な年貢や飢きん。宗教弾圧で苦しむ農民に希望の星の様に現れた神童、天草四郎。
農民「四郎様が海の上を歩いてるのを見た!」
農民「四郎様の手に白い鳩がとまったんだ!」
農民「あのお方こそ神の遣いに違い無い!」
農民「今こそ我らは四郎様の下。立ち上がるんだー!」
群衆「そうだ!そうだー!やるぞー!おー!」
こうして天草四郎率いる一揆軍は幕府軍を討ち破りながら島原半島まで進軍。
当時既に廃城だった原城に立て籠もるも最後は兵糧攻めにあい一揆軍は3ヶ月の籠城作戦に敗れ全滅してしまったのでした。
歴史は流れ四郎の功績は伝説となり。
後に信仰の自由が認められこの地にキリスト信仰が根付いたのでした。

ミュージアムを出たら自分が天草四郎になっていた。
もはやカンフー映画を見た後にジャッキーチェンになってる現象と同じである。
「四郎様。俺に力を下さい!」
やはり天草を旅するならキリシタン信仰の歴史は外せ無いねえ。
その土地の歴史を知ればもっと旅が深くなる。
若い頃には考え無かった旅だね。
感慨に更けりながらも腹が減る。

ちゃんぽんでも食べて行くかねえ。

味千拉麺。
九州に入ってから何回か見たけど入るのは初めてだ。

チャンポンとギョーザ。
味は可もなく不可も無く。
麺が少し柔かいかなあ…。
リンガーハットの方が好きかも。
まあ普通には旨い。
ここからは天草2号橋から5号橋へ。
この橋群は大矢野島から上島までの狭い範囲に小さな島々踏み台に連続して現れるから一見すると何処までが何号だった?ってなるんだけど3号橋を渡った辺りで停まる。




太陽光線が浅瀬を照らしてすっごい青。

去年はこんな風には見えなかった。
もう少しくすんでた。

南国だな。

海の色はその時の心の色でも変わるのかもね…。
5橋を渡り切れば上島だ。
上島まで来るとぐっと田舎になるね。
海岸線の国道324号を爽快に走る。


次は橋を渡り下島へ。
下島は天草諸島最大の島。
走り応えが有りそうだ。
下島に上陸してすぐの本渡でスーパーを探して本日の買い出しを済ませておく。
何処へ行っても気になるのは鮮魚売り場。
一番地域性が出るからねえ。

九州って本当に魚が新鮮で魚種も豊富。
見ててワクワクする。
クロダイ、タチウオ、牡蠣にブダイ?熱帯魚?

カサゴ。

さっきの熱帯魚みたいのがパックに入って沢山売ってる。
ハンタって言うんだ。
ブダイにもコブダイにも似てるけどハンタ。
イラとも言うらしい。
捕まえようとすると噛みついて来てイライラするからイラとか。ぬるぬるしてて掴みづらくイライラするからイラとか諸説あるらしい。
タスキをかけた様な模様が特徴的だからタスキダイとかどう?

ウツボ!!
これは自分で釣って捌いて食べるけど、四国〜九州は完全にウツボを食べる文化圏だよねえ。
買い出しを済ませてやって来てのは苓北町にある白岩崎キャンプ場。

このキャンプ場がね…。去年秋の九州ツーリングで出発前に予約したのに九州上陸三日目に時間的に辿り着けず途中でキャンセルしたんだよねえ…
どんな所だったんだろうと寄って見たら誰も居ない。
海に面した高台にある。
今日は此処で良くないかい?
苓北町観光案内所に電話すると近くにある苓北観光汽船の発着場で受け付けしてくれれば大丈夫だと言う事で向かう。
のんびりした時間が流れてる施設内でお姉さんに受付してもらう。
入場料が500円。持ち込みテント500円。
※看板に書いてある入場料300円は旧料金の様です。
お姉さん「薪はどうしますか?」
聞けば500円で薪が使い放題だとか。
薪集め薪割りの時間を買った事にして薪もお願いする。
合計1500円。久しぶりに無料じゃないキャンプだな。

キャンプ場に戻るとやっぱり誰も居ない。
区画サイトだけど何処張っても良いって言うからトイレも近い、海も見える一番奥へ。



薪が山の様にあるね。
使い放題って言っても1人じゃたいして使わない。
でも沢山あると安心。


まだ時間も早いので久しぶりに寝袋を干そう。
誰も居ないしテーブルに大胆に干す。
落ちついたら観光汽船の出る港で釣りだ。
防波堤には先客1名。
浮きフカセ釣りをしてる。
私「こんにちはー釣れますか?」
釣り師「ダメですね鯵が一匹釣れただけ。」
私「※クロ狙いですか?」
※九州ではメジナはクロ。クロダイはチヌ。
釣り師「クロかチヌ狙いなんだけどねえ。」
私「先端でルアー投げようかと…」
釣り師「あ!先端でルアー投げると※シーバスが上がる時あるよ!」※シーバスはスズキ。
それは期待が持てる。


私「ところでこの鳥は?なんで近くに居るんですか?」

釣り人「要らない魚をみんながあげるから釣れるまで待ってるんだよー。可愛いんだよ。」
「ちょっと先端に行くから通らせて!」
逃げたけどまた戻る(笑)
アオサギかなあ。

それにしても綺麗な海だな。
何と無くアオリイカでも釣れないかなとエギを投げる。ダイソーのタコエギだけど…。

防波堤の際に落としてシャクると重くなった。
来たか!?
あっ!甲イカ?

えっ?何これ。
イカの胴体を持ち足が退化した謎の生き物。

※凄く調べるのに難航しましたがミヤコウミウシと言うウミウシの一種だと判明しました。

更に今度はメタルジグでチクワみたいな生物が…。

今度はヤツメウナギをずんぐりさせた様なヤツだな。
針を外すと不気味な粘着力のある白い糸を大量に吐き海に帰ってった。
う〜む。今のは何だ?
モンキーマジックのタケカワユキヒデみたいな奴だな。
どうやらこちらはナマコの一種トラフナマコの様である。
俺は無脊椎動物の研究をしに来てるんじゃないんだー。食べれる魚かイカを釣りたい。
しかし風も強くなって来たし撤収。
キャンプ場に戻ろう。

まあ良いさ。
こんな事だろうと買っておいたシビカツオと天草産の茹でタコと山クラゲもある。

まだ明るいけど行っちゃいますかー。
行っちゃいましょうー!
グビグビ。
シビカツオって…関東で言うメジマグロなのでは?
タタキになってるのが斬新。
さっぱりしてるけど美味いな…。
そして天草産の地タコが買えるなんて!
流石に美味い。

お次は焚き火が控えて居る。

夕陽を見送ったら着火しよう。


サヨナラ。今日の夕陽。

本日も行きまする!
着火!!
♪「孤独なー焚き火を俺は今日もするんだぜー!!」

「メラメラメラ!!」

「薪は幾らでもあるぜー!!」
こうしてダメな大人の一人旅は今日も火の粉を天高く上げながら孤独に更けて行くのでした。
メデタシメデタシ。
つづく。