高知県津野町で2連泊目の朝が来た。

本日もお店は定休日ながら豆の焙煎作業はあるとか…。

でも昨晩からそそのかしておいた。

「早朝だけ一緒に釣りに行かないかい?」

まんまと誘いに乗せ兄と二人で早起きして昨日の場所へ。

兄「釣れ無いなんて事なんて無いだろ!川虫なら釣れる。」

確かに昨日はルアーだった…。

十年前に釣った時もミミズと川虫でカワムツが沢山釣れた記憶がある。

それにしても昨日は魚の気配も無かったんだよねえ…

魚が居る時って釣れないまでもルアーを追って来たりするからなあ…。



今日は川虫を採ってから二手に分かれて渓流竿での餌釣りで開始。

ここを逃したら魚は居ないだろと言うポイントでやはりアタリも無い。

少し下流にいる兄は釣れてるんだろうか?

しばらくしたら兄がこっちに来た。

兄「ダメだ全然釣れない…」

私「やっぱり!全然ダメだよね。」

ここで仮説を立てた。

まず魚が居ない。

これさ。漫画釣りキチ三平の作者の矢口高雄さんが漫画とエッセイで書いてた現象なのでは?

矢口さんが少年時代を過した秋田県の山奥では夏の夜には渓流に繰り出し箱メガネで水底を覗きカンテラで照らしながらヤスでカジカを突いてたんだとか。

社会人になり(漫画家になる前は銀行員だった)
里帰りして久しぶりにカジカの夜突きをしようと繰り出したらカジカが一匹も居なくて愕然としたとか…。

その原因を探ると田んぼに撒く農薬散布で魚の餌となってた虫が死滅したからだったと記憶している。

私「これ農薬のせいなのでは?」

兄「あっ!それは有るかも。もうすぐ田植えだから水を張る前に農薬入れたとかあるかも。」

やはり…。

魚も水質が良いとこに避難したのかもねえ…

こちらも一度、道路まで上り魚を探して移動する。

それにしても四万十川って蛇行が凄くて歩いてるうちに川の流れが右になってたり左になってたり…更に支流もあるから何処までが四万十川なのか方向感覚がおかしくなるな。

簡単な道のはずなのに一人だったら迷いそう。




今度の場所は小魚が見える。

釣れた!アブラハヤだ。

今度はウグイ。



更にウグイ追加。

う〜ん。

やはり10年前には入れ食いだったのにポツリポツリだね…。

小魚3匹持って帰ってもなので放流。

一先ず朝御飯を食べに戻る事に。

帰り際に近所の商店の人と兄が喋ってる。

商店主「おっ!珍しいな。釣り?」

兄「久しぶりに来たけど釣れ無いね!」

商店主「魚も最近少ないよなあ!堰のとこ行けば居るかもよ!」


午後から一人でまた来ようと堰の釣り場だけリサーチしながら戻る。




用水路でイモリを見つけた。

可愛いいい〜。

子供の頃にイモリを夜店で買ってもらい飼ってたよ。

雨の日に逃げちゃったけど。名前はタモリだったなあ…。

帰宅したら◯カちゃんが御飯を用意してくれていた。

朝食は昨日採った山菜づくし。

わお!

ワラビの玉子とじ。

絶対に美味いやつだ。

イタドリ。

歯ごたえがコリコリ。初めて食べたけど山クラゲみたいな美味さがあるね。

山椒の醤油漬け。

清涼感のある箸休めだね。

ここに連泊してると健康になれそう。

水も美味しいとこだしね。

午後からは兄は珈琲の焙煎作業に入ってしまったので1人で堰のポイントを目指す。

あれ?こっちだったっけ?

用水路づたいに降りて。

早速迷いながら畑を超えて。

あっ!ここだ。

藪漕ぎをしながら堰を目指す。

あっ!

川の中に沢山のイモリが居る。



歩いてるとわあ~っと深場に逃げて行く。

イモリって居るとこには沢山居るんだなあ…。

などと思いながら浅瀬を下流に進んで行く。

ヤバい!深みにハマった。

長靴に水が入った。

最低…。

俺が最もテンションが下がるやつだ。

靴下もズボンも濡れた。

長靴を逆さまにして排水。

「ジョボジョボ…」




なんとか堰の下まで辿り着いた。

痛手を負ったけどね。


ここは居るぜー!

尺ヤマメに尺イワナ!

自らにそう奮い立たせる。

だが10分もするとそれは幻想だったと悟る。

釣れ無い…。

アタリも無い。



粘ってやっと釣れた一匹。

タカハヤ…。

ありがとよ。釣れてくれて。「ポチャン!」

逃がして帰ろう。

足が気持ち悪い…。

「ペッタン」「ペッタン」「ペッタン」…



用水路の水が飲めそうなぐらい綺麗だった。

傍らに咲く可憐な花も美しかった。

良いんだ釣れなくても自然を満喫出来れば…


そう自らを納得させ、さあ戻ろうかねえ…


帰りにちょっとだけ足を伸ばして全日食チェーン西森商店へ。(画像は拾い物)

ここは実は田舎の商店と思いきや鮮魚コーナーが凄い充実してて特にカツオなど刺身買うならここ!と言わしめる程の名店。



ここの藁焼きのカツオを食べたら絶対にやみつきになる。

一昨日の晩に食べた十年ぶりの本物のカツオの味はやはり格別だったよ。

今日はここでアイスを3個と地元の焼酎飲み比べセットを買う。

アイスを買ったからダッシュで戻らなきゃ!

私「ただいま〜!アイス買ってきたよ。冷凍庫入れといてー!」

兄嫁「えー!ありがとう!釣れた?」

私「釣れ無い…足が濡れた…長靴がタポタポ。」

兄嫁「えー!」

私「お風呂貸して〜入って来る…」

兄嫁「長靴、後で布団乾燥機で乾かそう!明日迄には乾くよ。」

私「ありがとうねえ…お願い。」

私「好きなアイス食べて良いからね。」




晩御飯を食べ終わり普段はお酒を飲まない兄と利き酒大会。

「ダバダバダバダー…」

「ダバダバダバダー…」

「ダバダバダバダー…」

私「◯カちゃーん。俺の分のアイスも食べて良いよ…!!」

こうしてダバダバダな三日目の夜は更けて行くのであった。

つづく。