キャンプの朝は早い。

夜明け前から目は覚めていた。

明るくなって来たので外へ這い出す。

今日は雨の心配は無さそうだけど。夜露でびっしょり。

タオルをロープにかけて干しておいたら干す前よりも濡れている。



先ずは湯を沸かしコーヒーを淹れる。


ヤマザキ ランチパック風…。

フジパンのバッタもんサンドで朝食だ。

まだ周りのキャンパーは寝ている様だね。

ここのキャンプ場は広くて周りとの間隔があって夜もストレス無く眠れた。

難点はゴミは持ち帰り。

ゴミ捨て場が無いんだよね。

可燃物は焚火で全部燃やし切った。

朝に出た僅かなゴミと空き缶はコンビニで買い物した時にでも捨てさせて貰おう。

あっと言う間に日が昇りテントもだいぶ乾いて来た。

そそくさと荷物をまとめ出発だ!

今日の目標は紀伊半島に渡る事。

もう伊良湖岬のフェリー乗り場迄はひとっ走りだ。


あっ!ここのパーキングスペース前にも寄ったぞ!

あの時はゲリラ豪雨と稲妻に怯えながらトイレに避難したっけ。



旅なんてのはさ。


天気が全てだよね。

今回はまだ上手く雨を交わしながら走って来てる。

それもこれも晴れ待ち出来る時間があるからだよね。


菜の花が綺麗だったからさらに一枚「カシャッ」

満足したからフェリー乗り場まで走ろうかね。


道の駅クリスタルポルト。

実はずっとクリスタルボルトだと勘違いしてた。どう言う意味か調べたらボじゃ無くてポだったよ。

名前の由来は渥美半島に多く見られるガラスの温室をイメージしているからだとか。

ガラスの温室ってクリスタルポルトって言うんだねえ。


道の駅の中に鳥羽行きフェリーのきっぷ売り場がある。

まだ閑散としてるね…

4200円で買える伊勢湾をショートカット出来る夢のきっぷ。





都市部をぐるっと走るのを回避出来るのは有り難い。

バイクは先客1台。

2番グリッドだね。

ライダーさんの姿は見えない。

こちらも出港迄はお散歩だ。




おっ!海上保安庁の巡視艇だ!



あれは伊良湖岬灯台かな?


ここの浜にトイレや空き地があってね。
海岸から一段上がってるし。

トイレの向こうは広い駐車場だし。

ここは野宿キャンプに最適だな。

見たところキャンプ禁止の看板も無い。

野宿旅の引き出しに仕舞っておこう。


あっという間に積み込み時間。

バイクは乗る時は一番先だから。

一番先に客室に上がれる。



窓際の良い場所に座れた。

空いてるかと思ってたらほぼほぼ席が埋まって来た。

もっと閑古鳥が鳴いてる航路かと思ってたけどちょっと安心した。

この航路は無くなると困るからな。

海はウネリが残ってて結構揺れた。

気持ち悪くなりそう…。

でもその前に鳥羽に到着!1時間かからないぐらいだ。



来ちゃったな。

一気に三重県。

海も違って見える。

何を釣ってるんだろ。

クロダイかな。

いやこの辺りではもうチヌって呼ぶのかな。

出来るだけ海沿いを行く!

県道750号パールロードを走りたい。

丁度いい目的地にライダーズカフェ Route750って言うお店が有るのでそこをグーグルナビにセットしてスタート。

スタートしてすぐに海岸線のクネクネ道を進む。

前に来た時よりも天気が良いから印象が全然違うなあ。

至る所にカキ直売とか牡蠣小屋とか。牡蠣料理の看板が…!

そうか今ってこの辺りは牡蠣のシーズンだったのか。

海上釣り堀かカキ小屋かそんな看板やのぼり旗ばかり。

すっかり頭の中は牡蠣でいっぱい。

グーグルさん「到着しました。目的地は右側です。」

お食事処の前に停車。



右にはライダーズカフェ…。

これはライダーズカフェでハンバーガー食べながらコーヒー飲むとかじゃ無い。


俺は左にあるお食事処で牡蠣を食べる!

いっぱい牡蠣の店はあったけど。ここで良いのかな。評判とかどうだろ…。

そもそもやってるのかな?

あっ!お店の人が見えるやってる様だ。

入っちゃえ。

「こんちわ。」




まだお店開けたばっかりみたい。

早起きしてるから早目のお昼で良いね。

牡蠣あるよね!

メニューを見たらお刺身定食も捨てがたいし。

貝のお刺身なんかも食べたいけど。

やっぱりこの場は牡蠣定食だ!

牡蠣定食1980円行ってみた。

旅に出てから初の御当地グルメかも。

牡蠣フライも蒸し牡蠣も楽しめる。

味噌󠄀が赤味噌󠄀で味噌汁の中にも牡蠣が居た。

御飯も炊き立てだった様で。

流石に美味かったよ。



外の生け簀にも牡蠣がいっぱいだった。

あ〜大満足。

お金はこういう時に使うんだ。

昔の貧乏くさい旅にはもう戻れ無い。



ここからはちょいちょい漁港に降りてみたり寄り道の旅。

もう此処で釣りをはじめちゃったら根っ子が生えちゃうから。俺がこの地に根がかりしそうだから頑張って走る。


鳥羽展望台って看板に惹かれてまた寄り道。

ここは有名なのかな?

結構賑わってたよ。

ソフトクリーム食べようか迷ったけど450円だったから我慢だ。(まだ金持ち旅になりきれて無い。)


晴れてる日に高いとこ登ればそりゃあ何処だって絶景さ。

海も空も青い。

両方青いから水平線が霞んでる。



今度は一気に標高を下げる。

鎧崎灯台って所を目指したけど道に迷う。
(鳥羽市国崎町付近)

グーグルナビも電波を見失った様だ。

追跡してる匂いが途絶えた警察犬みたいにナビのアイコンの車マークが右往左往してる。


まあ良いさ。

おかげで面白い壁画に出会えた。

地元の子供達が描いたんだろうな。



この辺りは海女さんの漁場の様だね。


海をずっと凝視してるオバちゃんが居た。



仲間が潜ってるのかなあ。

一瞬沖合いの水面にオットセイみたいのが見えた気がした。

息継ぎに出た海女さんだったのかも。

さあ。行こうかね。

実はもう行くキャンプ場を決めてある。

今日は英虞湾に突き出た半島の先端にある御座岬でキャンプだ。

これは密かな目標だった。


前に訪れた時にここでのんびり一泊したいなと思ったのが御座岬だった。

今日その夢が叶う。

その前に買い出し。

伊勢志摩のスーパーと言えば「ぎゅーとら」

てこね寿司のセット売ってたり。

興味津々。

また焼き鳥でも良いかなあ…

冷凍の味付きホルモン トンちゃん気になる。

でもその隣に居るケイちゃんも気になる。

結局迷ってトンちゃんに。


ポツンと売ってるこりゃなんだ?



「かつおのへそ」鶏ハツみたいだな。

かつおの心臓とか?

安いから買ってみる。

後は明日の朝に食べるパンを選ぶ。




超いちおし「あんこブレット」

掴むとずっしりしてるし。触ったからこれに。


御座岬迄に向かう途中にある直線道路。

ここが気持ち良いんだよねえ。

時折現れる英虞湾を見晴らせる橋があったり。

この国道260号って日本の道100選の一つらしいね。

最後の最後でグーグルさんにイタズラされて何もそんな細い道わざわざ入らなくても…って道で辿り着いた御座岬オートキャンプ場。

バイクキャンプは1区画2000円。

どうやら最近のキャンプの相場は2000円なのか?お風呂は別途400円らしい。

昨日もお風呂入って無いからお風呂も申し込む。どうやら時間制貸し切り風呂の様だ。

受け付けで2400円払い指定された区画14番に向かう。

空いてて良いね。

しかも1区画が凄い広い。




テント張ったらこんな。

ソロライダーなら1区画に3張りぐらいは余裕で張れそうだ。

乗り入れ出来るのも有り難いね。

テントを張ったら入浴を済ませよう。

15時か16時枠しかもう空いて無いって言うから15時枠にしたから大急ぎ。

お風呂は受付棟の向かいの旅館?の二階に有る様だ。


建物に入れど人の気配は無い。

施設は年季が入ってそうだ。

旅館としては今も稼働してるんだろうか?

そのまま二階へ。

「←ふろ」と指示されるままに進む。

薄暗い廊下を指示通り進めば発売中止のビールの自販機…

風呂は何処だろ…。

さらに指示が…

階建を三段上がる。



何処?


あった!

ご丁寧に名前まで記入されている。

貸し切りなのは良いね。

ゆっくり入れる。


おっ!中々良いじゃん。

身体を洗い、暫く湯船に浸かってたら壁から何か気配が…

!!

うわっ!軍曹が居る。

普通の人だったら此処でギャー!!ってなると思う。

軍曹とはこれ↓


タランチュラ並にでっかいクモ。

でもコイツは益虫なんだ。



ゴキブリを退治してくれるクモだから殺しては行けない。

でもお風呂に落ちたら死んじゃかも…

外に逃がしてやろ。

ちょっと見た目がデカいから怖いんだけど。

隙をついて手でぱっと掴む。

このクモってジョロウグモや地グモやオニグモみたいに噛み付いたりしないんだよなあ。

手の平の中でモゾモゾしてるだけ。

戸を開けてリリース(笑)

これで次にお風呂に入る人も驚かないだろう。

さらに湯船に浸かっていると蛇口付近にまた気配が…

!!

今度はムカデだ。

そんなに大きく無いけど。

これは刺す(噛む)からなあ。

俺もほっとくしか無い。

色々と居るね。自然が豊かなんだね。

そろそろ出ようっと。

「あ〜!いい湯だった。」


お風呂から出たら猫がいっぱい。

北杜市のライダーハウスみたいだな。

バンガローも年代物だね。

コテージなのか「ボストン」

当時はお洒落な名前付けたつもりだったんだろうなあ…。


早目に薪を集めに行こう!

ものの徒歩一分。

ちょっとした堤防の向こうから波の音が聞こえる。




おおー!

キャンプ場からは見えないけど海がこんなに近かったのか!



御座白浜とは別にこんな浜があったの知らなかった…。



そして流木溜りを発見。

こりゃあ燃やす物に困らない。


キャンプ場まで2往復。

まあこれだけ有れば足りるでしょう。


ちょっとした忘れ物を買いに走る。

キャンプ場からすぐの御座白浜。

ちょっと雲って来ちゃってて、

海が荒れた後だからか海藻が流れついちゃってるけど。

この景色が好きでさ。

またここに来ちゃったんだよね。


少し走ったら100円ショップもあって。

お店も普通に有るんだよね。

思ってたより田舎じゃ無いのかも…。

実は住めば都なんだろうな。



帰りに立ち寄った漁港。



ここにもこんな浜があったんだな。

半島の真ん中を抜ける国道じゃない、熊野灘側の海岸線にも綺麗な道があったの知らなかった。

静かな良いとこだ。

旅っていつもそう。

同じ土地に2回訪れてやっとゆっくり見れるんだよねえ。

キャンプ場に戻れば本日の宴の始まり。

煮付けに最適って書いてある、かつおのへそをニンニクチューブも入れて甘辛煮にしてみよう。



うん!食感は鶏ハツみたいで味は魚。

臭みも無くこれは中々いける。(わさび醤油はホタルイカ用)


釜揚げホタルイカも新鮮で美味いね。

焚き火の準備も始めよう。


太い流木は燃えやすいように斧で割って行く。

燃えろ燃えろ〜!!





昨晩の残りのポテト。

一応匂いで食べれそうか確認。

すっかり解凍されてるけど問題無さそう。

家から持ち歩いてた、たった一本のナスをいよいよ揚げナスに。

塩コショウだけなのに何故か物凄く上手い。

ポテトもこうしておけば何時までもアツアツだ。


暗くなってくれば今日も焚き火本番。


お手製のランタンスタンドも流木で作る(笑)

絶妙な角度だな。

本日のメインディッシュ。

おそらく伊勢志摩のソウルフード、トンちゃん。

トンちゃん行きまーす!

「ジュー!」

「熱っ!。」「ハフハフ。」

「トンちゃん美味えー!」


これ。ビールに合うなあ〜。





今日も焚き火が出来た。

それだけで良い1日だ。

拾って来た流木は全部燃やしてやる!



赤々と炭火になって来たね。

夜の冷え込みもへっちゃらだね。

最後のビール飲んじゃお。

「プシュッ!」

なんか楽しい旅になって来たね。

明日も焚き火出来ると良いなあ。

つづく。