修善寺道路を走り伊豆縦貫自動車動へ。
道の駅伊豆月ヶ瀬の辺りから国道136号で土肥港に出た。
土肥金山を横目にダイナミックな西伊豆の海岸線を走る。
そのまま海岸線をずっと進む。
旅は風まかせ。いや…ナビまかせ。
恋人岬も通過して…
自分で運転して無いし。
写真すら撮らずに眠たい目で向かった。
んん?!なんだか凄い断崖絶壁に離れ磯。
連なる離れた小島の僅かな窪地に磯釣り師が一人。海と対峙してるのが見えた。
一気に眠気が吹っ飛んだ。
凄い景色だな。
そう思ったらそこが堂ヶ島だった。
今宵の宿はもう目と鼻の先だ。
てんぷら「ここの信号を右折かな?」
私「その先のはず。」
てんぷら「ここ?」
私「降りて見て来る!」
間違い無い。旅の宿ふかいって書いてある。
私「こんにちは。3人で予約した○○です!」
奥に居た女将さんとおぼしき女性が笑顔で出て来てくれた。
女将さん「〇〇さん!」
私「はい〇〇です。駐車場は何処ですか?」
女将さん「駐車場はこの裏!戻って信号先から入ったとこ。この先は狭いから曲がれ無いから!」
私「…。なるほど。わかりました!」
ホントは良くわかって無い。
凄くパワフルな女将さんだったな。
建物の裏に周り込めば良いらしい。
でも先にある脇道は恐ろしく狭い。
一旦戻ろう。信号まで戻らなくとも、なんとか曲がれる脇道を見つけて入って見た。
入っては見たもののヤバいぐらい狭い。
軽自動車で良かった。
半信半疑で進む。
てんぷら「進み過ぎて無い?」
私「進んでから斜めに戻るのかもよ…。」
何しろ民宿の裏手にダイレクトに行け無いんだ。
漁港に出た。
方向感覚だけで進む。
私「あ〜!ここだよ。旅の宿ふかい駐車場って書いてある。」
車を停めてから小道を進む。
小道を出たらすぐ民宿だった。
私「こんにちは〜。」
マ「靴はどうすれば…?」
おばあちゃん「3名様は部屋どこだっけ?」
女将さん「海港!」
おばあちゃん「海港の下駄箱はここだからここに入れて下さいねえ。」
女将さん「部屋は2階ね!お風呂は一階に2つあるから!鍵かかるから!」
玄関を入ると食堂があってその奥に調理場が見える。
脇に階段があり二階へ。
てんぷら「ここ民宿?綺麗なとこだね。」
確かに!明るい雰囲気の民宿だし。凄く綺麗だな。
宿帳は書かなくて良いんだろうか…。などと思いながら二階へ。
私「何処だ?」
てんぷら「ここかな?」
「ガチャ。」
港も見える。
「部屋にもお風呂がある!」
良いねえ!
早速、3人で一階の温泉へ。
お〜!いい湯だあ〜。
こぢんまりとした露天風呂もある。
民宿とは思え無い設備だよねえ。
3人でゆっくり温泉に浸かる。
〇〇マ君とは十年間の空白を埋める。
てんぷら「こいつは旅ばっかりしてたんだぜ〜。」
私「そうそう!いろいろあったよねえ。」
私「昔、てんぷらさんと北海道で合流したりさあ〜…」
長話しながらのんびり湯に浸かる。
「いや〜良い湯だった。」
風呂から上がれば程なく夕食の宴だ。
夕食は食堂で食べるか部屋に運んで食べるか選べる配膳はセルフサービス。
二階に箱ぶのは大変だから食堂でも良いかなあ。って思ったら、てんぷらさんが運ぶのは苦では無いと…。
そりゃあそうだよねえ。
飲食業40年のベテランですから。
内線電話で「御飯出来ました。」との連絡が来たので取りに降りる。
六段重ねの番重がそびえ立っていた…!
てんぷら「これ全部ですか?」
ご主人「そうだよ。」
私「良かったね。2人で降りて来て。」
三段づつ番重を持って慎重に階段を上がる。
配膳は早いよ。
私もホテルでも旅館でも働いてたし。
てんぷらさんはプロだし。
ど〜ん。
そして豪快な刺盛り。
天然物の真鯛だねえ。
カツオにマグロ。アジ。ホタテ。この白身は何だろ?
てんぷら「凄いなここ!良く此処を探したな。でかした!」
私「まあな!(笑)西伊豆の民宿は何処もこんな感じだけどね!」←(勝ち誇ってる。)
私はビールを飲みながら、天ぷらさんは日本酒を飲みながら、〇〇マ君は御飯を三杯お替りしながら真剣に食べ進む。
ふ〜。中々これは完食は遠いぞ。
〇〇マ君はさすが大学生。
どんどん進んでく。
私は本来、そんなに食べ無いからね。主食はビールだから少しづつ、つまむ程度で良いんだ!
刺し身が1番好きだから刺し身中心に攻めるも攻めきれず。
天然の真鯛。身が締まってて甘みがあって美味いね!
アジも切り方が大胆。半身づつ盛り付けてある。
焼き海老食べ始めるとみんな皮むくので真剣だよねえ。この海老もでかいよねえ。
鍋にそろそろ火をつけてグツグツする。
おっ!鱈も入ってるんだ!下の方にはワタリガニも。
鯛の刺し身も入れちゃえ〜。鯛しゃぶも楽しめるぞ!
私は早々と完食は諦め、〇〇マ君に小鉢は任せた。
金目鯛の煮付けも半身食べたとこで、既に金目鯛を完食してた〇〇マ君がトイレに立った隙に皿ごとこっそり交換。
しめしめ…(笑)
トイレから戻って来てまた金目鯛食べはじめた。
私「実は金目鯛そっちのと交換したwww」
〇〇マ「やっぱり!あれ?全部食べた気がしてたのにって思ってたんだよ〜www」
私「茶碗蒸しもあげる。」
しかし現役大学生。良く食べるなあ。
てんぷらさんと私は職業病。
空いたお皿から皿別に重ね。番重へ。
ある程度溜まったら下に運ぶ。
民宿の人だって早く洗い物終えて本日の業務を終了したいよねえ。
最後まで食べてる〇〇マ君。
「ゆっくり食べてねえ。」
ほぼ完食…いや…流石に苦しくなって来たな。
マ「出だしに御飯を三杯食べたのが失敗だった…」
まあ私の分も食べてるんだから仕方ない(笑)
だいたい完食して番重を下に運ぶ。
私「ごちそうさまでした。凄い量でした。美味しかったです。少し残してスミマセン。」
ご主人「あなた方でもキツかったかい?www」
何だかご主人嬉しそうだな(笑)
もしかして少し残すぐらいがちょうどいい文化がある土地柄なのかも。
全部食べ切ると足りなかった?って心配しちゃう文化圏なのかも…。
ご主人「腹ごなしに散歩でも行って来たら?今ライトアップされてて綺麗だから。」
ライトアップされた夜の海が綺麗だねえ。
ほろ酔いで眺める夜の堂ヶ島。
波の音だけが寄せては返す。
おや?
竹が落ちてる。
拾わなくても良いのに拾う…
「海のバカヤロー!!」
「ギャハハー!」
こうしてせっかくの静寂を台無しにする酔っぱらいの叔父ちゃんなのであった。
明日につづく。