現在放送中のNHKのよるドラ。

4話まで放送したのだが 、2月18日深夜(19日AM1:01~、カーリングの放送で変更)に1話~4話の再放送がある模様。


この作品を知った時は「こんなセクシャリティをメインで取り上げる時代が来たんだ」とかなり驚きでした。


自分のセクシャリティについて知っていく流れで 、アロマ・アセクについても20年くらい前に知ったけれど、 ドラマの主人公はイメージできませんでした。

シスジェンダーで異性愛者が正しい性のあり方で、 LGBT Qには否定的、どんなに良くても興味本位な外側からの目線で描かれる印象です。

まあ、それこそが僕の中にもある偏見かな。


今では、LGBTQにしても障害者やギフテッドのような人にしても、普通にフィクションの中に出てきていいんだという指摘があります。

現実の世界に一定割合いるマイノリティーを、フィクションの世界では一人も登場させないというのはおかしいと言われています。

それこそ、排他的な扱いですよね。



本題の『恋せぬふたり』だが、とにかくサクコの元カレだというカズというのがこの上なくうざい。

 サクコの親にしても高橋さんの同僚にしても、とにかく恋愛至上主義で決めつけは強いのだが、 中でもカズの絡み方が尋常じゃなくしつこい。

恋愛は男と女でするものでもないし、しない人もいるという認識の身としては、見ていて吐き気がしてくるレベル。

実際こういう思考の人はいるし、デフォルメして伝えるという部分はあるのだろうが、毎度、見るのに覚悟がいる。アロマ・アセクの二人がメインなので、異性愛至上主義のポイントをしっかりと洗い出してくれると思うんだけれど、最後まで気持ちが持つか……。

 綺麗事で有耶無耶にするようなことは絶対にして欲しくないと願う。


何でも恋愛と絡めてしか考えられないカズは、第4話の最後で俺が思った通りの言葉を口にする。

ネタバレなんでそこは伏せますが 、LGBTQを理解するってそういうことじゃないんだよな。

でもこれって、LGBT あるあるというよりも恋愛あるあるなんだろうなと思って見ています。




掲示板上でのやり取りではあるが、以前アロマアセクの 当事者の人に聞いたのも、恋愛感情がないというだけで冷たい人と思われると言っていた。

それ以前の友人の言葉の中にも、「恋と愛は違うのものなのに、なぜ『恋愛』と一緒にして言うんだろう」というのが あって心に残っている。



異性愛至上主義、恋愛至上主義の人ほど、恋とは何か愛とは何かも考えず過ごしていると思う。本人はそれでもいいと思う。

でも、他人にそれを押し付けないでほしい。


付き合っていたらこれくらい求めるのは当たり前とか、結婚したら同居するもんだとか、そんなのは自分勝手な理想でしかない。

相手に求めるなら同意を取るのは当然のことだと思う。


自分とは違うかもしれないという気持ちを持たないまま の言動は、暴力と言っていい。

価値観の押し付けというのが、殴る蹴るよりも悪いということは知ってほしいかな。




ちなみに、Googleに向かって「こいせぬふたり」と話しかけると、必ず「恋する二人」と変換される。

こういうところに補正がかかるのも、恋はするものだという決めつけがあるのだと思う 。