初めての方は注意事項に目を通してからお読みください。


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アスペルガー症候群とは何か、発達障害とはどういうものかという理解は、日々進んでいると思う。

「空気が読めない人」程度の認識の人がいることも確かだが、当事者の独特の感覚を学習しつつある人もいる。


今ならちょっと勉強すれば、「世の中にはこんな人もいて、こんな対応が必要」ということは誰でも知識として置いておける。

それ位、書籍などの情報も豊富になったと思う。




しかし、問題はここからだ。


アスペルガーの性質はわかった。

対応もそれなりに上手く行っている。


ところが、アスペルガーに合わせて対応すればするほど、周囲は疲弊する。

いいだけ振り回され、下手をすると精神疾患で倒れそうになる。

「障害なんだから助けてあげよう」という綺麗事は、時にアスペルガーを助けている定型の人間を殺してしまう。




これでは、好意的理解は到底無理だ。






「悪気はない」「いいところもある」「皆が同じじゃない」

確かにその通りだ。


だけど、だったら人を傷つけるようなことをするアスペルガーを放置してもいいの?

それこそ、周囲にただ我慢を強いるのはおかしいと思う。


まずはアスペルガー自身が、なぜ悪気がないのに人を傷つけてしまっているのかを学ばないと、他人の理解などスタートしない。


アスペルガーにだけ一方的に尽くせるほど、他人は暇じゃないのだから。






アスペルガーはなぜ、周囲をくたくたにさせてしまうのか?


それは、アスペルガー自身は助けてもらってるとは思っていないからだと思う。


アスペルガーは、周囲のサポートに対して当然という態度を取っていないだろうか。

ありがとうもごめんなさいもない。

それどころか、粗探しをするように、してくれることにさらに注文をつけたりする。




これでは、理解どころか恨みを買う。






アスペルガーは、心の理論が十分に発達していない。

だから、相手がアスペルガーの自分の為にわざわざしてくれていることなのか、相手自身の都合でやっていることなのか、区別がつかない。


いや恐らく、そもそも区別があることも知らないのだろう。

アスペルガー自身は、自分の言動を決めるのに要するのは自分の感覚だけだから、他人が自分以外のことも考えて行動してることに考えが及んでいない。


アスペルガーが全く他人のことを考えない訳ではないが、定型に比べると極めて希薄な感じがする。






俺は、ここ数年で両親の扱い方を随分学んだ。

「何が障害だ。障害だったら何してもいいのか。そんなものクソくらえだ」と思っていた割りには、真面目にアスペルガーを勉強したように思う。


おかげで、今まで訳のわからなかったことの謎が解け、自分を守る為の対処法もわかってきた。


しかし、わかればわかるほど腹立たしいのも確かだった。




まずは父親対策。


アウトだ、セーフだ叫んでうるさいので、野球は一緒に見ない。
(何度注意しても治らない。)

汚い体でも容赦なく触れるので、洗濯物の干し方を工夫する。

どんな状態で使用してるかわかったもんじゃないので、バスタオルもバスマットも自分用を準備。

食器は洗わず戻してることもあるので、なるべく共用しない。

爪磨きを歯石取りに使うなど、とんでもない使い方をしてることがあるので、父親が触れるものは極力使用を避ける。

間違いなく勝手に弄るので、体重計など俺個人のものは自室に保管。

ロック出来るものはロックし、基本的に父親には使用法を教えない。

どうしても何かを使いたいが父親の目に触れそうな時は、「絶対に触るな」と何度も念を押す。




母親はというと。


二つ以上情報が入ると一つしかインプットされないので、大事なことは繰り返し確認する。
(俺が「女子サッカーは今日の深夜1:00だよ」と言えば、女子サッカーか、1:00のどちらかしか残らない)

話の流れでは結論がわからないので、何が必要か、何を言うべきか、何をしてはダメかを母親本人に確認させる。

母親の知らない事柄を話すときは、知ったかぶりしてこじれるので、子供に説明するくらい基本から話す。

俺の知らないことを母親に聞くときは、「これくらい常識」というオーラで打ちのめされるので、予備知識を得て覚悟を決めておく。

小説やドラマなどのオチを知らない作品については、とにかく話題にしない。
(前フリなく突然結末を言われる)

他言されて困ることは、世間話程度でも絶対に言わない。
(勝手に、会ったこともない人に性同一性障害だと告げられたことがある)




ちなみに、母親には父親ほどの注意は必要ない。

逆に、父親には母親にも注意が必要なことでは関わらない。

もはや、注意や工夫でどうにかなるレベルではないので。






何もご丁寧に、「いつもありがとう」なんて言ってほしいわけじゃないんだよ。

俺に色々してもらってるという感覚だって、さして必要ない。


ただ、両親が自分で対応出来たら、俺はわざわざこんなことしなくても済むんだということを知ってほしいだけ。




父親が、使ったものを汚したり壊したりほったらかしにしなければ、俺は後始末に追われなくて済むだろ。

それを防ぐ準備も必要ない。


母親が、必要なことは人に伝え、不要なことは他言しなければ、俺はこんなに怯えなくて済むんだよ。






苦手があるのは恥ずかしいことじゃない。

苦手を補ってもらうのも悪いことじゃない。


だけど、自分の不足を誰かが補うことは、決して当たり前じゃない。




アスペルガーがストレスなく生活できているのは、周囲の配慮のおかげだと自覚すること。

そして、それを伝える術を知ること。




どんなに難しくても、この二つは出来ないと好意的理解には繋がらないと思う。


もう、「悪気はない」だけではダメだ。






そういや、洗濯で二度失敗したな。

一度は予約機能を使って、一度は風呂水使用で。


父親は、3歳児だと思ってないと何するかわかったもんじゃないよ……。