セッションの現場で良く使われる
「フリーセッション」
という言葉。
「フリー」と簡略化される事もあります。
直訳すると「自由な即興での合奏」
となるでしょうか。
でも、自由と言うのが
実は一番不自由という鉄則は
この場合もバッチリ適用されます。(笑)
一概にフリーといっても、
範囲が広すぎて解釈の幅があり、
様々な意味が含まれてしまうのです!
そんなフリーセッションですが、
分かりやすく大きくまとめると、
セッションの現場では主に
3つの意味に集約されます。
1 「ジャンルがフリー」のセッションのこと
2 「決めごとがフリー」のセッションのこと
3 「フリージャズ」のこと
1についてですが、
日本のライブハウスやセッションバーで夜な夜なやられている
ジャムセッションの9割以上が、
「ジャズ」か「ブルース」のセッションです。
その他、最近の流行としては、
セッションとは言ってもアドリブは一切なく、
何か好きなバンドやジャンルの譜面を、
その場に集まった人たちでアンサンブルする
「コピーセッション」などもあるようです。
などなど、基本的に大抵のセッションは
【ジャンルやコンセプトを限定して開催しています!】
そこを敢えて、
オールジャンルのスタンダードナンバーから選曲し、
自由なコンセプトでアドリブセッションすることを、
「フリーセッション」と呼ぶことがあります。
(因みに僕たちが教えているのは、
このオールジャンルフリーセッションです。)
次に2ですが、
一切スタンダードナンバーや課題曲はなしに、
コード進行やリズムパターンだけ決めて、
後はそれこそ適当なアドリブで楽しむセッションもあります。
この決めごとがフリーなセッションのことも、
たまに「フリーセッション」
と一くくりに呼んでしまう事もあるので要注意!
(因みに、このセッションも入門~初心者の段階で、
僕たちは取りあげて教えています。)
そして3ですが、
ジャズの中の細かいジャンルの一つで、
キ―やリズムやハーモニーなど、
音楽の基本とも言えるべき内容を全く決めずに、
まさに出たとこ勝負で、ノイズまで含めて
本当の自由の中でアドリブセッションをしよう!
という、本当の意味でのフリーフォーム、
というか哲学的音楽スタイルの事を、
「フリー」と呼んだりします。
と言うように、
ただ「フリーセッション」と言っても、
その時の文脈や、
言った人のそれまでの音楽的バックグラウンド
によって、まったく意味が違ってくるのです!
これ、セッション初心者にとっては意外と厄介な問題。
なぜなら、
「フリーセッション」開催しますと書いてあったので
参加してみたら「フリージャズ」のセッションだった!
なんて誤解が往々にして生まれてしまうからです!
(実体験あり。 笑)
例えば僕は、
2の「決めごとがフリー」のセッションだろうなぁ、
と勝手にイメージして参加してみたら、
ドアを開けるなりサックスの人が、
「ぴぎょ~、ぶぎゃ~、ぶお~ん!!!!」
とやっているので、目が点になった経験があります。(爆)
フリージャズも
もちろん素晴らしいアートフォームの一つなのですが、
人間の思い込みというのは恐ろしいもの。
予想していなかった所に、
パンチのあるサウンドを展開されると、
まさに身動きが取れなくなります!(苦笑)
特に、セッション初心者が、
この経験をするとトラウマになりかねないので、
細心の注意が必要です!
まぁ、実際にはそうやって
色々な人が世の中にはいるんだなぁ、
と勉強しながら大人になって行くのですが、(笑×2)
「フリーセッション」の解釈の幅については
知っていれば誤解は避けられる問題ですので、
是非参考にしてみて下さい。
では、
次回もお楽しみに!