■アメリカ外交は重要です。特に日中韓東南アジア諸国の様な加工貿易国は、アメリカへの製品輸出によって自国経済を発展させ、又、資源や穀物を購入し自国経済や国民生活を支えています。
日中韓東南アジア諸国等の加工貿易立国国家が、アメリカ以外のルートで安く資源や穀物を購入し、内需拡大政策を取れば、自力で不況脱出を図る事が出来ますが、アメリカ以外に資源、穀物を安く売ってくれる国が無いのが実状なのでしょう。
■自国で資源、穀物を生産輸出し金融をコントロール出来るアメリカが世界経済において有利なのは揺るぎない。
そのアメリカに、世界経済は依存して来たし、これからも依存せざるを得ないだろう。
(アメリカが戦争で滅ぼされない限りは…。)
今回の経済危機においても、やはり世界経済は、アメリカの支配者である投資資産家富裕層とその支配企業に頼らざるを得ない。
しかし、アメリカ自体は自国の景気回復を急ぐつもりはないように見える。彼らは世界の資源、穀物、金融をコントロール出来る立場にあり景気回復を急ぐ必要がないからだ。世界経済の様子をみながらじっくりと次の儲け話を模索している段階なのだろう…。
アメリカが動かない限り世界経済も動きようがないジレンマに陥っていると考えられます。
アメリカへの輸出依存によって発展を遂げてきた加工貿易中心経済の新興途上国は、自国産業が潰れる寸前にまで追い込まれ、しびれを切らしアメリカに怒るしかない状態に陥るかも知れない。
新興途上国は、内需拡大政策による自国産業や経済の自立や防衛を考えたり、又、逆に、現在大赤字のアメリカ金融投資経済の損失補填の為の新興途上国経済への逆襲、侵略、支配に注意すべきである。
そのくらいに、欧米資本主義経済は弱肉強食でシタタかと疑ってかかった方が良い。
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■国防の為に日本としては、
○研究、技術開発を国内で行い、高性能、高付加価値品を輸出。
○利益の出ない途上国向け製品は海外の工場で生産。(技術のいる基幹部品は日本で生産して輸出。または加工機を新興途上国に輸出。)
新興途上国(より低賃金の国)⇒新興途上国(比較的物価の高い国)への輸出で利益をだす。
■円高の場合、日本からの輸出にこだわるより、仕向け地での現地生産をすべきです。
海外では、高価な日本の多機能高性能製品のシロモノ家電などより、タフで信頼性が高いシンプルなものが好まれる。
コンプレッサー等の基幹部品だけを日本の技術(材質、加工精度、焼き入れ焼き戻し等の調質、高精度品)の信頼性が高く高効率な物を用いて現地生産し、燃費(電気代等の維持費)と信頼性(壊れ難い)の高いシンプルな製品をブランド品とて現地販売すると良いのではないだろうか?
又、海外で日本のAV家電やシロモノ家電は高いというイメージが定着してしまっている。
そこで、ソニーが かつて新興途上国で生産した自社製品を『アイワ』としてB級ソニーブランドで売っていた様に自社の新興途上国製品と分けて2ブランド体制で自社製品を取り扱う方法もあると思います。
品質はともかく、わざと安かろう悪かろうの格安製品を欲しがる人達向けに、新興途上国生産専用のシンプルな商品開発と新興途上国ブランド商品を自社製品として日本企業が海外展開で作るのです。
物価の安い途上国労働者と日本の労働者を競争させていても始まりません。国内の労働者の労働賃金を他の欧米先進国なみに上げるべきです。
でないと現在、自己責任で納めさせている年金制度、社会保障制度が労働者の失業貧困化によって崩壊してしまいます。
労働者の購買力も廃れ、個人消費の衰退から景気悪化がすすむばかりです。
円高で利益の出ない製造業分野に関してはある程度割り切りが必要で海外生産移管を許すべきです。
その分、国内労働者を使わなくなって楽になった海外進出企業や、円高海外投資でボロ儲け出来る銀行や投資資産家に課税し、交付で国内経済全体に富を還元したり、新産業を興させて内需を拡大させるべきです。
■一般的に社会保障やモラルとして所得再配分や労働賃金保障は必要だと思われがちです。が、しかし、『経済学の理論』としての『所得再配分』や『労働賃金保障』の経済効果、『個人消費』と『信用拡大』に及ぼす影響を検証すべきです。
大企業と労働者は給与においては一対一対応ですが、消費においては一対一対応ではない。
所得再配分を受けた地域経済や、企業労働者の所得の向上、それによる消費効果での地域経済の零細企業の活性化、信用拡大がおきる点や、容量の大きい地域社会の維持による国家経済、社会の底堅さや、飛び地で斑模様に存在する地域社会、地域経済の枠から生まれる未知数のイノベーションの喚起を計算すべきであり、大企業の集約大量生産によるコストダウン、単純化による利益配当の経済しか考えない経済学者は阿呆だと思います。
地球環境の複雑さが生物種の多様性を内包するのと同じで、経済の複雑さは多様な経済と多量の信用創造を内包出来るはずです。
大企業経済だけに着目した、投資家株主=大企業=労働者(消費者)との一対一対一の単純経済では、多様で容量の大きい信用創造は作れません。
特に資産家富裕が守銭奴だった場合は最悪で、資産家が富を独占寡占するために地域経済の信用創造、経済活動が全て制限されてしまう。
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■利益追求の為の債券市場は困りますが、抵当資産、債権の流動化の為の市場は必要だと考えられます。
構造改革がアメリカを真似て行われているにもかかわらず、日本では債権市場がアメリカに比べてあまり認知されておらず、債権市場が未発達な為に、国内経済の問題点として債権の資産、資金の流動性が悪い点があると思います。
日本の空き家率は、平成15年で12.2%、実に約1/8戸が空き家です。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090729AT3S2800X28072009.html
これは、日本の債権や資産の運用効率が悪い事の現れと考えられます。
アメリカには、サブプライム住宅ローン問題で有名になったジニーメイ(連邦政府抵当金庫)、ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)、フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)等が発行するモーゲージ証券等のローン債権市場があり、資産や資金の流動性が高いのが特徴です。
1998年以来、日本経済はグローバル化により混乱、流動していますが、そこで大量に生まれている筈の債権や資産が、日本の債権市場が未発達、未認知な為に、凍り付いて沈滞し、塩漬けの債権や資産が大量に発生して経済に悪影響が出ていると考えられます。
国内にある不良資産を使って国内債権市場作り、一般的にして広めて盛り上げれば、多量の塩漬けの債権が消化されて国内経済の糞詰まり具合が改善される可能性があります。
アメリカのサブプライム問題の様にバブルになって金融、債券市場が崩壊しては困りますが、塩漬けの債権資産を活用し経済の活性化、流動化を図る為にも、一般庶民に認知された開かれた債権市場が必要とも考えます。
○【競売物件情報地域選択】
http://bit.sikkou.jp/
日本の債券市場が活性化すれば、競売物件を購入する一般の人達が増えるかも知れません。
日本がこれからアメリカ似の金融投資社会になればなるほど、負け組の排出する債券や抵当資産が増え続ける訳であり、従って債権市場はこれから必須、有望な産業になると考えられます。
日本で債券を保障するモノラインや、債権会社が一般的になる日が来るかも知れません。
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■小泉構造改革以降、日本は決して豊かになった訳ではなく、勝ち組が、負け組の仕事とお金を吸収してお金持ちになっているだけで、どちらかと言えば日本の国全体(地方や非正規雇用労働者も含めて見るに)としては、国民一人当たりの収入が減り貧乏人が増えていと考えます。
企業と投資資産家が、労働者庶民のお金を吸収して太っただけです。
景気には個人消費が深く影響します。(日本ではGDPの50~60%、米国では70%が個人消費。)
それなのに構造改革において政府は労働者の雇用の安定や給与保証に対して積極的ではない様です。
むしろ規制緩和や自由化により失業者を増やし派遣雇用等の非正規雇用を増やして労働者の賃金を買い叩いており、労働者の個人消費を減らして国内経済の悪化を招いている様に見えます。
今の不景気を作り出している一因に企業の派遣雇用やパート、アルバイト雇用の多用があると思います。
雇用主買い手市場、非正規雇用、しかも派遣会社の様な中間搾取者がいると労働者の給与が際限なく買い叩かれる傾向になります。
労働者の賃金が低下するれば当然、労働者の購買力も低下し消費が低迷します。
労働者の消費の低迷からスーパーマーケット等の小売が低迷します。
更にスーパーマーケットの商品が売れない事から製造業の業績も悪化し、そこで働いている労働者の雇用も悪化、給与も買い叩かれます。
結果、非正規雇用労働者層の増加と雇用不安により、日本全体の景気悪化を招き、労働者層の貧困化、消費の低迷による不景気のスパイラルを招いてしまう。
○労働賃金を下げる。⇒実体経済に出回る無金利現金が減る。(給与の低下から使用可能無金利通貨量(給与の低下から労働者の消費活動が低下し流通貨幣の総量)が減る。又、労働者預貯金資産も減る。)⇒労働者庶民の消費活動、経済活動が縮小し続ける。
日本には非正規雇用者の労働組合の全国組織が無く、現状の雇用主の買い手市場の場合、非正規雇用労働者の賃金は最低賃金辺り迄、際限なく買い叩かれ続け首切りにあい、労働者の収入は急激に低下するでしょう。その賃金の低下率は非正規雇用労働者の労働組合ある欧米とは比べものにならないと考えられます。
欧米諸国が着実に経済成長を遂げる中で、日本だけが構造改革でGDPや国民所得を停滞させ続けていました。
『所得再配分』や『労働者の所得や生活の保障』が、国家の経済成長戦略、政策に必要不可欠なものとして考えられない、見抜けない、政界に関わっている単なる守銭奴の財界有識者どものせいで、経済の底辺を支える枠が破壊され底が抜けてしまい、日本経済、社会、国民労働者層の生活がガタガタになってしまっていると考えます。
(※労働者所得の底辺水準がその国の経済活動の基準枠を作ると考えます。即ち、枠が外れれば、低所得者が大量発生し底辺労働者の経済活動が無くなるぐらいに庶民の経済活動、生活が悪化する。途上国化する。中流層の豊かさが日本の消費経済を支えていたはずです。消費促進で経済活性化を考える場合には、中流以下層の所得向上に留意すべきはずです。)
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○【「100年に1度の危機!」…震源地は米国なのに、なぜか日本マスコミが"不況報道"合戦→日本のほうが消費マインド落ち込む。】
http://diamond.jp/series/money_market/10066/
『多くの経済指標が、消費者のセンチメントの激しい悪化を示している。実体経済の厳しさが影響している面がもちろんあるが、マスメディアの影響も大きい。
日銀の「生活意識に関するアンケート調査」によれば、景気判断の根拠として「マスコミ報道を通じて」を挙げるの比率は、2006年12月は18%で4位、07年12月は25%で3位だった。
それが08年12月調査では43%へ急増し、第1位へと“躍進”した(2位は「自分や家族の収入から」、3位は「勤め先や自分の店の経営状況から」)。米サブプライム問題が顕在化した07年以降、金融危機を報じる量は増加し、特に昨年9月のリーマンショック以降は洪水のようだ。
麻生首相は「100年に一度の経済危機のときに、国会を解散して景気対策を止めるべきではない」と頻繁に話している。
「100年に一度の危機」を首相が強調することで、マスメディアを通じて中高年の消費マインド悪化を増幅させた面もあるように思われる。』
■実際に『景気が悪い』のに、メディアコントロールすると国民の感覚が狂って、必要な経済、社会政策の対処が遅れてしまう。
1997、98年と同じ過ちは繰り返さない方が良い…。