メンバーに誘われた20㎞程度のジョギングの予定が、いつの間にか客先主催の「駅伝大会」出場にすり替わる。すでに選手登録され無下に断ることはできなさそうな状況。
しぶしぶ出場を了承するも、初めて参加する駅伝に緊張のせいか気分は高揚、当日何時に家を出てぇーなんて考えるとこなど案外とワクワクしてるツンデレ感が我ながらキモい。
最長区間は4㎞、俺の受け持ちは最短区間で1.5㎞。
短い距離にラッキーだと浮かれていたが、よくよく考えれば距離が短くなるほど誤魔化しは効かない。
「いやいやぁ~いいんだって、和気あいあいの雰囲気で楽しむのが趣旨だから」
とか言っといて、周りは明らか走り込んでいるツータイムズユーな装備多数。あらあら、話が違うじゃん?
寒いからって、ウインドブレーカーに直接ゼッケン取り付けてた俺の横で、おもむろにジョガーパンツを脱ぎだすキャプテンは短パン半そでスタンドバイ!
こいつはガチもよう、どうやら俺だけゆとり仕様。
いいの?走っていいの?ありのままの初老の俺で?
そんな俺の情緒不安を察してか、短パンキャプテンがコースジョグに誘う。
コースは河口沿いの直線道路、路面はやや荒れてはいるが勾配はなく走りやすい。
12月初旬の朝9時台、吐く息は白いが晴天で風も無く穏やかだった。
ゆっくりとコースを回りスタート前10分、タスキを受け取る集合場所に着く。
点呼が終わりスタートの連絡を待つ。
ジョグをしたせいか幾分気持ちが落ち着くも所在なくストレッチを繰り返す。
ほどなくハンドマイクから連絡放送。
「~の~で、(諸般の事情で)コースを変更します」
「最長区間は400m、最短区間200mに変更です!」
はっ!?
感嘆なのか落胆なのか、はたまた驚嘆なのかわからない悲鳴とも呻きともとれる声があがる。
そのうち方々で今までと明らかにテンポが違うアップが始まる。
俺もその波に乗っかりハイペース仕様を試みるが息切れのため中止とする。
だが、俺が距離短縮に呼応した想いはあきらかに悦!満面にて悦であった!
ただ問題だ。
1500m走者の俺は200mに短縮された。
世のオジサンの90%は200mを真剣に走った事など最近の記憶にないはず。もちろん俺も例外ではない。
記憶をホジればひょっとすると息子の運動会、父兄参加のリレー以来ではなかろうか。
駅伝大会はまさかのリレー競争となり、約30数年ぶりの200mガチ走りは今まで経験したことのない疲労と翌日以降の筋肉痛に見舞われることとなる。
翌日、参加賞として俺のデスクにいいニオイがするバスボールがそっと置かれていた。
Edie Brickell & New Bohemians - What I Am