内股ともも裏の攣りで何回止まったかも覚えていない。
くちびるが妙に乾く。
太もも前面は張り、長距離走行特有の痛みがつづく。
上下黒のウェアは日差しと潮風で所々シミ状に塩が噴いていた。
梅雨入り前のあの日、ウォ―キングを終えたバスルームで去年の夏から続いた左ヒザの痛みから解放された。
遅れを取り戻すべく再開した月間200㎞の目標3ヶ月をクリアできた。
47まで下降したVO2maxは10月に50まで回復した。
折り返しのマーカー、赤い巨大なコーンにタッチしたあと、数歩で気持ちが切れた。
5時間ペースメーカーに抜かれ、思い直したように集団に混ざるも数百メートルでこと切れる。
坂を駆けあがる気力はとうに失せ、下りと平地のみノロノロと走った。
息を吸うとあばら周辺が絞めつけられるように痛む。
やがて走ることを完全にあきらめた。
女性らがおしゃべりを楽しみながら囲む6時間ペーサーに抜かれたあたりでリタイアを決意した。
当日もそうだったが、今これを書きながらも不思議と悔しさは感じない。
これは慣れなのか、老いなのか、斜に構えてた(笑)若い時分の俺も年相応に、といったとこか。
この夏、気持ちの奥では能力の衰えを認識しながらも気力は高く保つことが出来ていたと思う。
昨日は遅くまで飲んで食った。
夜中から始めた麻雀は久しぶりで楽しかったな。
今日は夕方から天気が崩れそうだ。
今のうちに走りに行ってくる。
おわり
