梅雨入りかと思えるような雨の

日が続きそうですね。

雨を降らす雨龍の活躍のシーズンが

間近です。


 雨龍の読みは、うりゅう、あま

りゅう、あめりゅう、うりょう

など様々です。

雨龍は、螭龍(ちりょう)璃龍(

りょう)とも呼ばれ、角がなく、

尾が細長く、全身青黄色で描か 

れたりしています。




雨龍はこう言っています

 恵みの雨は、大地へ栄養や潤いを

与え、人々に幸せ・心の潤い・恵み

・知識・成長をもたらします。

あなたの嫌なこと、ストレスも浄化

し癒しを与えます。

もし、心が沈んでいたら雨の日を

逆に楽しみましょう。傘や雨靴を

新調したり、家の水回りを掃除して

てはどうでしょうか。

そして、空を見上げ、雨龍に感謝

しましょう。

豪雨による河川の氾濫も発生しま

すが、私たちと自然・龍との共存を意識し、自然への畏怖心を失っ

てはいけません。


雨龍について


 雨龍は、雨を司る龍で、神が

恵みを授けた証に雨を降らせる 

と言われてます。

昔の中国では、縁起が良いとして

結婚式に雨乞いをしたとも言われて

います。

日本でも、縁起がよく成長を意味

したりもすることから、日常生活の

中で、いろいろな物に、雨龍の名前

やその姿を目にすることができますよ。

雨乞いの歴史


 日本では空海が京都の神泉苑で

行った雨乞い(824)が有名です。

何回も行った雨乞いでも成果が出ず、とうとう天皇から空海に雨乞いの

命令が下されました。

空海は、インドから善女龍王という

龍を呼び寄せ、龍は3日に渡り国中

に大雨を降らせたそうです。




 今も神泉苑には善女龍王がお祀り

されています。当時の雨乞いの

模様は「高野大師行状図画」に  

描かれ記録されています。

 神泉苑や高野山金剛峯寺など

真言宗系の寺院には、善女龍王は

守り神として祀られています。


そして、高野山では、祈雨の法を

行う際、金堂に善女龍王の掛け軸を

掛けて祈願したと言われています。


 また「義経記ぎけいき」(1100

年代、源義経について書かれた

書物)によると、御白河法皇が 

神泉苑で雨乞いを命じ、白拍子

(踊り子)の静(しずか)という女性に

舞わせると、黒い龍が現れて雨が

3日間降ったそうです。

その頃から雨龍という名前が定着

したらしいです。

その白拍子は、のちに義経と結ばれ、静御前と呼ばれるようになりました。


 ☆寺紋


 雨龍は寺紋としても使用されて

おり、京都の神泉苑、天龍寺、

南禅寺が代表的ですね。

天龍寺や幾つかの寺紋をご紹介し

ます。




家紋


 家紋の図柄

⁡    鎌倉時代に龍は家紋として用い

られるようになっていきました。

陶磁器や着物の意匠などにも使われ

ています。


家紋としては「雨龍」「龍の爪」

「龍の鱗」「龍」などがあり

特に九州の多くの氏族で、家紋と

して龍紋が使用されました。

代表的なものが「雨龍」です。

また、龍の鱗のうち「三つ鱗

ミツウロコ」は、北条氏を始め

多くの武家の家紋にも使われて

いますね。

北条氏が執権政治をとっていた

時代に建てられた、建長寺や円覚

寺の瓦にもミツウロコが記されて

いたようです。




 その他、刀の鍔つば、着物や

帯の文様、根付けなど様々なところにも、雨龍が用いられていますから、どこかで会えるかも知れませんね。