梅雨入りかと思えるような雨の
日が続きそうですね。
雨を降らす雨龍の活躍のシーズンが
間近です。
雨龍の読みは、うりゅう、あま
りゅう、あめりゅう、うりょう
など様々です。
雨龍は、螭龍(ちりょう)璃龍(り
りょう)とも呼ばれ、角がなく、
尾が細長く、全身青黄色で描か
れたりしています。
☆雨龍はこう言っています
恵みの雨は、大地へ栄養や潤いを
与え、人々に幸せ・心の潤い・恵み
・知識・成長をもたらします。
あなたの嫌なこと、ストレスも浄化
し癒しを与えます。
もし、心が沈んでいたら雨の日を
逆に楽しみましょう。傘や雨靴を
新調したり、家の水回りを掃除して
みてはどうでしょうか。
そして、空を見上げ、雨龍に感謝
しましょう。
豪雨による河川の氾濫も発生しま
すが、私たちと自然・龍との共存を意識し、自然への畏怖心を失っ
てはいけません。
☆雨龍について
雨龍は、雨を司る龍で、神が
恵みを授けた証に雨を降らせる
と言われてます。
昔の中国では、縁起が良いとして
結婚式に雨乞いをしたとも言われて
います。
日本でも、縁起がよく成長を意味
したりもすることから、日常生活の
中で、いろいろな物に、雨龍の名前
やその姿を目にすることができますよ。
☆雨乞いの歴史
日本では空海が京都の神泉苑で
行った雨乞い(824年)が有名です。
何回も行った雨乞いでも成果が出ず、とうとう天皇から空海に雨乞いの
命令が下されました。
空海は、インドから善女龍王という
龍を呼び寄せ、龍は3日に渡り国中
に大雨を降らせたそうです。
今も神泉苑には善女龍王がお祀り
されています。当時の雨乞いの
模様は「高野大師行状図画」に
描かれ記録されています。
神泉苑や高野山金剛峯寺など
真言宗系の寺院には、善女龍王は
守り神として祀られています。
そして、高野山では、祈雨の法を
行う際、金堂に善女龍王の掛け軸を
掛けて祈願したと言われています。
また「義経記ぎけいき」(1100
年代、源義経について書かれた
書物)によると、御白河法皇が
神泉苑で雨乞いを命じ、白拍子
(踊り子)の静(しずか)という女性に
舞わせると、黒い龍が現れて雨が
3日間降ったそうです。
その頃から雨龍という名前が定着
したらしいです。
その白拍子は、のちに義経と結ばれ、静御前と呼ばれるようになりました。
☆寺紋
雨龍は寺紋としても使用されて
おり、京都の神泉苑、天龍寺、
南禅寺が代表的ですね。
天龍寺や幾つかの寺紋をご紹介し
ます。
☆家紋
家紋の図柄
鎌倉時代に龍は家紋として用い
られるようになっていきました。
陶磁器や着物の意匠などにも使われ
ています。
家紋としては「雨龍」「龍の爪」
「龍の鱗」「龍」などがあり
特に九州の多くの氏族で、家紋と
して龍紋が使用されました。
代表的なものが「雨龍」です。
また、龍の鱗のうち「三つ鱗
ミツウロコ」は、北条氏を始め
多くの武家の家紋にも使われて
いますね。
北条氏が執権政治をとっていた
時代に建てられた、建長寺や円覚
寺の瓦にもミツウロコが記されて
いたようです。
その他、刀の鍔つば、着物や
帯の文様、根付けなど様々なところにも、雨龍が用いられていますから、どこかで会えるかも知れませんね。