
納得しないと動かない症候群
本のタイトルがパワーワードだったので手に取ってみました。
本のタイトルにもある『納得しないと動かない』人って、家族や友人、仕事と様々なところで起こりうることではないでしょうか。
私はどちらかというと、そうでもないタイプで、言われたことを整理しながらとりあえず動いてみるか、と思うことが多いとも思います。(内容や程度にもよりますが)
私がそういうタイプである以上、納得しないと動かないタイプの人には抵抗があるのも事実です。
そうした人への対処法としてこの本を読んでみました。
まずこの本のの筆者は、27年にわたり多くの企業研修を行なってきた人物です。
しかし最近、若者に対して違和感を覚えるようになり、本書のタイトルに冠したわけです。
その違和感を挙げると、
・(石橋を叩いて)渡る理由がハッキリしないと渡らない。叩くことすらしない
・つまらなければ「笑う必要ナシ」と考えている
・納得できないものはすべて「レベルが低いもの」という根拠のないプライドがある
・状況的に細かく説明しないとわからない
・「結論」「ノウハウ」を知りたがり、人生訓などの「抽象度の高い概念については無反応
このようなものだといいます。
かつての「しらけ世代」や「新人類」と言われたように、人生経験の少ない若者は年上から非難されがちでもあります。
そんなこともあり、若者たちを「平成生まれは納得しないと動かない」という枠組みで決めつけているところには抵抗も感じます。
少し話が逸れましたが、納得のいくまで動かない人にはどのような対処が良いのか一部ご紹介します。
1.断定表現を使って自信を示す話し方をする
人は自信のある人のことを信用するものです。
そこであいまいな言い回しをせず、「必ず」「絶対」などの言葉を織りまぜながら、上司の自信を伝えるべきだと筆者はいいます。
2.短文で話すよう心がける
文章が長いと自信を示せず、「言いわけがましい」表現になってしまうため、バシッと短文で話すべき。それだけで、部下の納得度はグンと上がるのだとか。
かつての小泉純一郎元首相は、短いフレーズにインパクトの残るワードを選んで話すことで、国民の心をキャッチし、支持率も高かったです。
それと道理は同じというわけですね。
3.力強い声で話す
これは、声にメリハリをつけることだといいます。
内容にかかわらずメリハリをつけると、「わかりやすい=説得力がある」話になるといいます。
そして「上司の指示の出し方3大ポイント」も本では解説しています。
1.「報道ステーション」式納得力
ニュース番組であるような、「おもな項目をはじめに伝え」、「そのあとに、ひとつひとつを伝えていく」スタイルが重要です。
全体の展望を眺めさせ、全体の流れを説明しておくというわけです。
2.クドいくらいがちょうどいい
「くどいな」というほど細かく伝えてちょうどいいのだといいます。
「なぜそれをするのか」「すると、こんなメリットがある」と、わかりやすく説明すれば、理解が増し、内容もすんなりと入ってきますよね。
3.プライドには触れないように
実積、キャリアと無関係に「プライド」だけはやたら高い若年世代を変えようという場合、「結論を先に」は御法度だといいます。
まずヤンワリと明らかな事実を指摘し、体調などを気遣っているふうに注意することが大切とのこと。
この辺は細かなフォローが必要ですね。
先述したように、「平成生まれは納得しないと動かない」と世代でひとくくりにすることには疑問も感じますし、それとは別の次元で、「なぜ、ここまで気を遣わなければならないんだ?」という感情も否定できません。
しかし、若い世代のみならず、すべての人々との交流術と考えると、参考になる部分はあるように感じました。
世代によって教育も違えば環境や経験も違う。
それらを肝に銘じて、多様性を認めるコミュニケーションを図っていきたいと思います。