「そうなの?」
オレはイマイチ自信がない。正直に言えば、緊張していて、相手の表情とか全くと言っていいほど覚えていなかった。
「仕事の話とか、あまり知らない人にしないし、機嫌よかったから大丈夫だよ。」
「だといいけど。。。」
「それよりも、早く始めましょうよ。」
「あ、そうだな。終わらなくなっちゃうからね。」
そういって、物理のテスト対策を始めた。
確かに最初は美央もわからない、という顔をしていたが、後半はだいぶ自分一人で解けるようになっていた。たぶん、これなら今度のテストは大丈夫だろう、というところで一旦一息入れることにした。
「あー、やっぱり物理はよくわからないし、苦手だなぁー」
美央はやっぱり物理はかなり苦手にしているようだ。解けるようになっても、まだしっくりきていない様子だ。
「でも、ほとんど一人で解いてるじゃん。それなら大丈夫だよ。」
「それは、今隣に池田さんがいてくれるからです。事前にポイント教えてもらったし。。。」
「大丈夫だって。自信持っていいと思うよ。」
そこでお母さんが入ってきた。
「はい、これコーヒーどうぞ。」
「あ、どうもありがとうございます。」
「今日はごめんなさいね、強引にまた夕飯前から来てもらって、しかもパパにまで会わせちゃって。」
「あ、いえ、とんでもないです。」
「パパも一度話を聞いたらなんか気が気じゃなかったみたで、でも会って安心したみたいだから、これからもよろしくお願いしますね。」
「あ、こちらこそ、お願いします。」
「じゃ、美央、ちゃんと勉強するのよ。」
「はーい。」
そういって、お母さんは出て行った。
「ほらー、言ったとおりでしょ。パパ、意外とわかりやすいんだから。」
「でも、やっぱ最初は気が気じゃないって言ってたね。ま、そりゃそうか。オレももし娘がいたら、最初に彼氏ができたって言われたら緊張するだろうしなぁ。」
「やっぱ、『どこの馬の骨ともわからんやつに!』って感じ?」
オレは美央の言い方に思わず吹き出した。
「ちょっと、笑わないでくださいよー。なんか変でした?」
「いや、まぁ、どうかな。わからないなぁ。」
そんなことを話しているとあっという間に時間が過ぎてしまう。
オレは仕切り直して最後のテスト対策に入ることにした。
「さ、またはじめよう。早くしないと終わらなくなっちゃう。」
それから1週間ほどたって、いよいよテストが始まったとき、美央からメールがあった。
『池田さん、もうひとつ物理も教えてもらえませんか?これは、ほんとーーーーーーに全く何がなんだかわかりません。。。』
なるほど、確かに物理という教科は、個人的には一番簡単だと思っているが、高校での教え方には確かに問題があるようには思っていた。
『おーけー、じゃぁ、いつにする?』
とメールを返すとすぐに返事があった。
『実はもう明々後日がテストなんです。。。なんで、明日、来てもらえますか?』
おっと、そんなに急な話か、まぁ、こちらのテストはだいたいメドがついているのでいいか、と思い、OKを出すとさらにこんな返事がきた。
『その日はパパも家にいるの。池田さん、いい?』
・・・え?マジですか。うーん、さすがにパパは緊張するなぁ、などと思っていたら、追い打ちでまた美央からメールがきた。
『もう、この前パパには池田さんのこと話をしたよ。怒っていたわけでもなかったし、大丈夫だと思うよ。』
え、もう話しちゃったのか。これはますます緊張するが、裏を返せばお母さんのあの"テスト"には合格したってことか。
それじゃ、仕方がない、と思い、OKを出して行くことにした。
翌日、オレはテスト終了後、すぐにお邪魔することにした。なにせ、今度はかなりの範囲をやらなくてはならない。3時過ぎには美央の家にお邪魔していた。
例によって、お母さんは今度はお茶を準備していたが、二人で早々に済ませ、すぐに美央の部屋で試験対策を開始した。
今は惑星の運動などをしているらしい。これも、色々と公式があるが、本来はこんな公式は要らない。全て、ニュートンの法則で説明可能だが、まぁ、なるべく噛み砕いて説明し、公式丸覚えよりは中身を理解させることに集中した。
その講義をしているだけですでに夕飯になってしまった。
二人とも集中して気づいていなかったが、実はもうお父さんも帰って食卓で待っているらしい。
「お父さんって、どんな人?」
オレは急に緊張してきていた。
「大丈夫、普通のおじさんだよ。ちゃんと池田さんのことは説明してあるし、今日だって、パパから言ってきたんだもん、一緒にご飯どうかって。」
「え、そうなの?」
それはまた試験ということか。若干、手に汗をかいた状態でオレ達はリビングへ移動してきた。
「お邪魔しています。はじめまして、池田と申します。」
「あ、どうもどうも、いつも美央が世話になっているね。さ、座って座って。」
確かに見た目は明るそうだ。
「それじゃ、失礼します。」
そういって、オレは座った。お母さんはせっせと準備をしている。
「どうぞ、召し上がってください、実は私ももうすでに始めてしまっていたので。」
「あ、それじゃ、遠慮なく、頂きます。」
そうしてまた緊張の時間が始まった。お父さんは確かにお母さんがしてきたような質問も少しはしたが、あとは自分の仕事のこととかを話していた。
そうこうしているうちに皆食べ終わり、食後のお茶を飲んでいた。さすがに緊張していたせいか、料理の味などもあまり覚えていなかった。
「お、もうこんな時間か。美央、勉強はどうなんだ?」
「うん、池田さんに教えてもらってほんとうに助かってるよ。でも、今日はまだまだ時間かかりそうかな。」
「おう、そうか。じゃぁ、池田さん、美央をよろしくお願いします。私は先に失礼して、風呂浴びてきますんで。」
「あ、わかりました。」
どうやら、美央が助け舟を出してくれたようだ。
美央と二人で部屋に戻る途中、美央が
「あれはきっとパパ、池田さん気に入ったと思うよ。」
『池田さん、もうひとつ物理も教えてもらえませんか?これは、ほんとーーーーーーに全く何がなんだかわかりません。。。』
なるほど、確かに物理という教科は、個人的には一番簡単だと思っているが、高校での教え方には確かに問題があるようには思っていた。
『おーけー、じゃぁ、いつにする?』
とメールを返すとすぐに返事があった。
『実はもう明々後日がテストなんです。。。なんで、明日、来てもらえますか?』
おっと、そんなに急な話か、まぁ、こちらのテストはだいたいメドがついているのでいいか、と思い、OKを出すとさらにこんな返事がきた。
『その日はパパも家にいるの。池田さん、いい?』
・・・え?マジですか。うーん、さすがにパパは緊張するなぁ、などと思っていたら、追い打ちでまた美央からメールがきた。
『もう、この前パパには池田さんのこと話をしたよ。怒っていたわけでもなかったし、大丈夫だと思うよ。』
え、もう話しちゃったのか。これはますます緊張するが、裏を返せばお母さんのあの"テスト"には合格したってことか。
それじゃ、仕方がない、と思い、OKを出して行くことにした。
翌日、オレはテスト終了後、すぐにお邪魔することにした。なにせ、今度はかなりの範囲をやらなくてはならない。3時過ぎには美央の家にお邪魔していた。
例によって、お母さんは今度はお茶を準備していたが、二人で早々に済ませ、すぐに美央の部屋で試験対策を開始した。
今は惑星の運動などをしているらしい。これも、色々と公式があるが、本来はこんな公式は要らない。全て、ニュートンの法則で説明可能だが、まぁ、なるべく噛み砕いて説明し、公式丸覚えよりは中身を理解させることに集中した。
その講義をしているだけですでに夕飯になってしまった。
二人とも集中して気づいていなかったが、実はもうお父さんも帰って食卓で待っているらしい。
「お父さんって、どんな人?」
オレは急に緊張してきていた。
「大丈夫、普通のおじさんだよ。ちゃんと池田さんのことは説明してあるし、今日だって、パパから言ってきたんだもん、一緒にご飯どうかって。」
「え、そうなの?」
それはまた試験ということか。若干、手に汗をかいた状態でオレ達はリビングへ移動してきた。
「お邪魔しています。はじめまして、池田と申します。」
「あ、どうもどうも、いつも美央が世話になっているね。さ、座って座って。」
確かに見た目は明るそうだ。
「それじゃ、失礼します。」
そういって、オレは座った。お母さんはせっせと準備をしている。
「どうぞ、召し上がってください、実は私ももうすでに始めてしまっていたので。」
「あ、それじゃ、遠慮なく、頂きます。」
そうしてまた緊張の時間が始まった。お父さんは確かにお母さんがしてきたような質問も少しはしたが、あとは自分の仕事のこととかを話していた。
そうこうしているうちに皆食べ終わり、食後のお茶を飲んでいた。さすがに緊張していたせいか、料理の味などもあまり覚えていなかった。
「お、もうこんな時間か。美央、勉強はどうなんだ?」
「うん、池田さんに教えてもらってほんとうに助かってるよ。でも、今日はまだまだ時間かかりそうかな。」
「おう、そうか。じゃぁ、池田さん、美央をよろしくお願いします。私は先に失礼して、風呂浴びてきますんで。」
「あ、わかりました。」
どうやら、美央が助け舟を出してくれたようだ。
美央と二人で部屋に戻る途中、美央が
「あれはきっとパパ、池田さん気に入ったと思うよ。」
「なんか、昔だったら許嫁とか言うんですか、それがいるんです。」
「え?結婚相手が決まってるってこと?」
いまどき、そんなこと聞いたこともない。
「たぶん、ほんとじゃないです。親戚の叔父さんたちもからかってるだけですし、第一今の時代じゃ、近すぎです。」
"近い"、というのは親戚関係として、ということだろうか。
「でも、その当人が結構まんざらでもないっていうか、なんというか、帰る度にデートまがいなことを要求してくるんですよ。」
「え、そうなの?それは、、、ちょっと嫌だね。」
「ですよね、池田さんにも嫌な思いさせちゃうし、今までは別になんとも思ってなかったけど、ことしは嫌だなって。」
なるほど、心配の一部はそこにあるらしい。
「オレの気持ちのことなら心配しないで。そんなことでいちいち怒ったり、問い詰めたりしないから。」
「でも、私が嫌なんです。なんで、そんなことを聞かされるんだろうって思っちゃう。」
「まぁ、それは、わかる。わかるけど、たぶん、もう少し大きくなれば違うんじゃないのかな。その彼はいくつなの?」
「私の1つ上です。」
「じゃぁ、大学なり就職なりして人生の前が開けたらきっとちがってくると思うよ。だから、今年が最後なんじゃないのかな、そんなことがもしあるとすれば。」
オレは努めて明るい顔をして、美央を励まそうと思っていたが、一方で気が気ではないのも事実だった。まわりは親戚だらけ、冗談がそのうち冗談でもなくなるかもしれない、来年は就職だから、とか妙な話になるかもしれない、とか色々と考えていた。
「そう、だといいけどなぁ。。。」
「大丈夫だって、会うのは帰ったときだけなんでしょ?大丈夫だよ。」
なんとなく、自分に言い聞かせているような雰囲気になってしまった。
「池田さん、ほんとは嫉妬してます??」
なんでこう女という生き物は嗅覚がするどいのか、その辺は女子高生だろうが変わらないらしい。
「そんなことないよ、大丈夫だって。」
「でも、嫉妬っていうか、そういう気持ちもってもらえるのもいいかな。それだけ好きってことの裏返しですもんね。心配してくれてありがとう。」
そういって身を寄せてきた。だんだん、大胆になってきている気がするな、と妙なことをオレは思っていた。
オレもてを回し、しばらくそうしていた。
「あ、時間大丈夫?もうお父さんおうちに帰っているんじゃない??」
「あ、やばい!今何時ですか?」
「そろそろ10時かな。」
「まずーい、帰らなきゃ。あーぁ、結局こうなるのかー」
「しょうがないよ、またメールするよ。じゃ、お休み」
そういって、軽くキスをしてオレ達は別れた。
「え?結婚相手が決まってるってこと?」
いまどき、そんなこと聞いたこともない。
「たぶん、ほんとじゃないです。親戚の叔父さんたちもからかってるだけですし、第一今の時代じゃ、近すぎです。」
"近い"、というのは親戚関係として、ということだろうか。
「でも、その当人が結構まんざらでもないっていうか、なんというか、帰る度にデートまがいなことを要求してくるんですよ。」
「え、そうなの?それは、、、ちょっと嫌だね。」
「ですよね、池田さんにも嫌な思いさせちゃうし、今までは別になんとも思ってなかったけど、ことしは嫌だなって。」
なるほど、心配の一部はそこにあるらしい。
「オレの気持ちのことなら心配しないで。そんなことでいちいち怒ったり、問い詰めたりしないから。」
「でも、私が嫌なんです。なんで、そんなことを聞かされるんだろうって思っちゃう。」
「まぁ、それは、わかる。わかるけど、たぶん、もう少し大きくなれば違うんじゃないのかな。その彼はいくつなの?」
「私の1つ上です。」
「じゃぁ、大学なり就職なりして人生の前が開けたらきっとちがってくると思うよ。だから、今年が最後なんじゃないのかな、そんなことがもしあるとすれば。」
オレは努めて明るい顔をして、美央を励まそうと思っていたが、一方で気が気ではないのも事実だった。まわりは親戚だらけ、冗談がそのうち冗談でもなくなるかもしれない、来年は就職だから、とか妙な話になるかもしれない、とか色々と考えていた。
「そう、だといいけどなぁ。。。」
「大丈夫だって、会うのは帰ったときだけなんでしょ?大丈夫だよ。」
なんとなく、自分に言い聞かせているような雰囲気になってしまった。
「池田さん、ほんとは嫉妬してます??」
なんでこう女という生き物は嗅覚がするどいのか、その辺は女子高生だろうが変わらないらしい。
「そんなことないよ、大丈夫だって。」
「でも、嫉妬っていうか、そういう気持ちもってもらえるのもいいかな。それだけ好きってことの裏返しですもんね。心配してくれてありがとう。」
そういって身を寄せてきた。だんだん、大胆になってきている気がするな、と妙なことをオレは思っていた。
オレもてを回し、しばらくそうしていた。
「あ、時間大丈夫?もうお父さんおうちに帰っているんじゃない??」
「あ、やばい!今何時ですか?」
「そろそろ10時かな。」
「まずーい、帰らなきゃ。あーぁ、結局こうなるのかー」
「しょうがないよ、またメールするよ。じゃ、お休み」
そういって、軽くキスをしてオレ達は別れた。