まだ夏休み直前で、駐車場はそこまで混んではいなかった。
オレは適当なところに車をとめた。
あれから、まだ半年も経っていないのに、ずいぶんと昔のような気がした。あのときは、まだ美央はオレの中ではかわいい後輩という存在だったのでは?と今では思うが、たぶん、その時から気があったはずだ、ゆりさんが言うように。
それに気付いていなかったのか、気づいていて意識的にその気持ちを避けていたのか、今ではもうわからない。
ただ、それが結果として美央を苦しめることにつながってしまった。
それが悔やまれた。
オレ達はあの日、初日の出を眺めたあたりにきた。
「懐かしいですね~。あの時は寒かったなぁ。」
美央が感慨にふけっている様子だった。
「そうだね。もう暑いくらいだもんね。」
そういって、初日の出を眺めたあたりに歩いてきた。
「このあたりで見てましたね。ほんと、きれいだったなぁ、今でも思い出すなぁ。」
「そうだったね、オレもあんなにきれいとは思いもしなかったよ。」
そういってしばらく黙っていた。
「そういや、あの時は朝でそのまま出ちゃったけど、ちょっと中入ってみる?」
「そうですね。」
中に入ってみると、結構レストランとかあって、立派な施設だった。
「まだ、ご飯には早いけど、またちょっとドライブだから何か軽く食べていこうか?何がいい?」
「えーっと、笑いません?」
「え、いきなり何?どうしたのさ、別になんでもいいよ。」
「わたし、ラーメン大好きなんです。いつもはたまに家族で行くんですけど、そうなるといっつも同じ店で。。。そこの博多ラーメンがきになるなーって。」
「ラーメン?そうなんだ。オレもラーメンは好きだから、いいよ。博多ラーメン、おいしいしね。」
「よかった、いきなり初めての遠出のデートでラーメンなんて言ったら女の子らしくないかなって思って。」
「いいじゃん、好きなもの食べればさ。」
そういって、2人でラーメン屋の暖簾をくぐった。まだ昼には早い時間だったので、割と空いていた。
ひと通り注文を終えて、ちょっと物珍しげにまわりを眺めていると美央が話しかけてきた。
「ここからだったんですよね。」
「え、何が?」
「どうして、私たちが付き合うまでこじれちゃったかってことです。」
「あの初日の出ドライブが関係あるってこと?」
「まぁ、本当はもっと前からですけど。たぶん、池田さんと初めて会って、色々と仕事の話をしているときにはもう、気持ちは傾いていたと思ってます。」
そこで美央は少し話を切った。たぶん、オレも同じなんだろうなって思って聞いていた。やっぱり、女の子の方が早く大人になる分、そこも冷静に判断できるのかな、と妙な感心をしていた。
「でも、どうして、あのドライブがそこまで関係あるの?」
その質問をした時点で店員さんがやってきた。
「お待たせしました。麺は固めでよろしかったですか?」
「はい、どうも。それじゃ、まずは食べようか。」
「そうですね。」
そういって、オレ達はラーメンをすすり始めた。ラーメンはこんなところにある店のものとしてはうまい方だった。
食べ終わり、勘定を済ませると、お土産屋が目に入った。
「池田さん、ちょっと見ていいですか?」