急に結論めいたことを言われたので面くらいながらも答えた。
「それは、、、自分の素直な気持ちを伝えるってこと?」
「はい、このままじゃ、竹原さんにも失礼だし、たぶん、そのうちもっとひどい状態になっちゃうし。そうなったら、きっとお店の人にも迷惑かけちゃう。」
「いや、この際店はどっちでもいいと思うけど。。。」
「そういうわけにはいきません!だって、それで池田さんにも迷惑かけちゃうかもしれないし。。。」
こういうところは真面目な子だった。だから文化祭の委員とかやるのだろう。
「それで、どうするの?もう今言ったとしても、それなりには大変そうだけど。。。」
「そうですよね。。。でも駄目です!ここでちゃんとしたいと思います。」
決意は固まったようだった。かれこれ話始めて2時間は経過している。この時間がきっと、彼女の決断には必要だったのだろう。
「わかった。そういうことなら、オレも何かできるわけじゃないけど、応援するよ。あ、応援っていうのも変か。」
「いえ、池田さんには色々と話を聞いてもらって助かりました。ありがとうございます。」
「いいよ、これくらいならいつでも。」
そういってパッと時計を見るとすでに夜10時半だった。オレはメンテ番なのでまだ仕事をしているくらいだが、さすがに美央にとってはもう遅い。
「石田さん、時間大丈夫?」
「あ、もう10時半!さすがにちょっとまずいかも。。。」
「了解、じゃぁ、支払いしてくるから帰る準備しといて。」
「え、話聞いてもらったのに。。。」
「いいからいいから。これでも石田さんよりはバイト代もらってるから。」
そういって、オレはレジに向かった。さて、美央は一体どうするつもりなんだろう?いきなり竹原に別れ話を持ちかけるのか、それとも。。。
そんなことを考えながら席にもどった。
「じゃぁ、帰ろうか。」
「はい。」
美央は少しだけすっきりした顔をしていた。
「今日はどうもありがとうございました。」
「いや、いいよ。でも、まぁ、すごく悩んでいるんだと思うけど、いいね、なんか。オレなんかバイトばっかりでそんな話とは無縁だよ。」
ちょっと嫌味っぽかったかと思ったが、言ってしまった。
「そんな、池田さんならモテますって。だって、井村さんとか絶対に池田さんに気がありますよ。」
「え?なんで?」
「絶対そうですって。見てたらわかります。これでも私も女ですから。」
ちょっと考えてみた。井村ゆかりとオレが並んで歩く。。。やっぱり想像できない。確かに彼女は、緊張せずに話せる数少ない女性の一人ではあるが。。。
「そりゃないよ。」
「また、そんなこと言ってるとチャンス逃しますよ。」
もうチャンス逃したよ、と言いかけて焦った。当人に言ってどうする。
「ま、じゃぁ、考えとくよ。じゃぁ、気をつけて帰ってね。」
「わかりました。ありがとうございました。
そういて、美央は帰っていった。そして、これからが大変だった。。。。