ミカエルは神童の様子を見ながら途中から言霊を発し出していた。
『 汝に集う力の御霊。今、我の願いに応える聖なる息吹よ。未来永劫と続く古の道を辿って我が身に纏え聖なる盾と共に。・・・・・・・・』
詠唱が終わる頃には神童の力の解放も終わりかけていた。
「 貴方もようやく本気になってくれそうで嬉しいですよ。今の力を試せそうです。」
「 ・・・・・試せる?笑える事を言うなお前は。お前の方が試されるんだよ。本気?そんな事したらお前が此処には居られなくなってしまう。本気なんか出せるか!」
「 ・・・・・それは舐められたもんですね。まあ、言うよりもまずは始めましょうか?」
黄金に輝く闘気と聖衣(クロス)を纏った神童。ミカエルも同じ様に聖衣を纏っていたが、明らかに違うのは背中に生えた翼の数だった。
「 お前はこの翼の意味を知っているのか?この12枚に拡がる翼は力の表れでもある。お前の翼と明らかに違うんだよ。」
「 力の事なんてやってみなくちゃ分からないでしょう・・・・・。」
そう言って神童が握り締めた拳をミカエルに向けていた。ミカエルとの距離は離れていたが、拳圧がミカエルへと飛んでいた。神速の拳圧。だが表情を変えず片手掌で受けるミカエルだった。
「 ほう・・・・。思ったよりは力が出てるようだな。だが、こんなもんでは私は倒せないぞ。倒す気でいるのならこれ位は見せてくれ。」
ミカエルは指を銃の様に構えて、神童に向けて指弾を放つ。それは神速で放たれる数万の指弾であった。それを神童は両手ではあったが、ミカエルの指弾を受け流していた。
「 この程度なのか?もっと力を見せてもいいんじゃないですか?」
神童はミカエルが放ったよりも多い数億の指弾を一瞬。神速の速さで繰り出していた。
「 なかなかやるではないか・・・・・。」
ミカエルもまた両手で神童からの指弾を受け流していた。どちらも今の状態を見る限りは互角の様子を見せていた。
「 さあ、これからがお前にまだ無い戦い方だ。よく見ておくんだな。」
そう言ってミカエルは詠唱を始めていた。それはまさしく対悪魔に行う聖なる言霊の詠唱だった。神格同士の戦いに効くのだろうかと思われるが、神格が高いミカエルの力は今の神童には効果が現れるのだった。