迂闊に行動がとれない、考えれば考えるほど身動きが出来なくなりかけていた。そんな状態の時に告げられる一言で大きく動き出す結果に。
「 神崎君がドンドン本気になっていきますよ。このまま放置していていいんですか?貴方も分かってるんじゃないんですか。このまま力を解放し続ければ、この現世では影響が大きすぎませんか?ほらもう既に建物とかに影響が出始めてませんか。私が許可します。まあ一時的だけなら大丈夫でしょうから。」
「 ホントにいいんですか?そんな簡単に言われて。」
「 そうですね~。簡単に思えます?」
「 いえ、そんな事は・・・・。」
「 そうですよね。そうなんですよ、簡単じゃないんですよ。まあ、私が言うんですから、責任は私になりますからね。それでいいじゃないですか、ねえ、魔神さん。」
「 ・・・・・分かりました。一時的にでも何とかしないといけませんから。でもホントにいいんですか?貴方ほどの方が簡単すぎませんか?ホントは深く考えてないとか・・・・?」
「 ・・・・・なるほど、やはり貴方は頭がキレますね。そうですよ深くは考えてません。まあ何とかなるでしょう。そんな事より時間が無いですよ。もうかなり影響が来てますから。」
周りの建物がドンドンと塵の様に消えてゆく。神童の力と魔王の力がドンドンと原子を破壊してゆく。残るのは何も無い荒野と化してゆくのだった。
「 さあ、急ぎなさい。これが貴方の鍵ですよ。」
そう言って鍵を魔神に渡す。それは黄金に輝く鍵だった。鍵自体は黄金に輝きを放っていたが、素材は透き通っていた。
「 これから、私が補助します。いいですか?一時的に解放したら直ぐに閉じるんですよ。そうしないと大変な事になってしまいますからね。」
「 ・・・・分かってます。大丈夫ですよ、神童じゃないんです。安心して下さい。」
「 ・・・・そうですね。信じてますよ魔神さん。それじゃ、よろしく!!」
魔神は渡された鍵を使って、自身のリミッターを解除する。すると、今までの状況が一変する。塵のようになりかけていた建物進行が止まる。それとは別に周りの空気が大きく変わった。それに気づくのは、拳をぶつけていた神童。それに神童だけではなく魔王も気づいていた。と言うよりも知っていたのかもしれない。2人の動きが止まる。
「 魔神さん!!いいですか?行きますよ!」
そう言って大きく手を上に上げ、光が放たれる。それに合わせて魔神が力を解放する。天空には時空の歪が瞬時に現れていた。魔神はすぐさま右の拳をそこに目掛けていた。それは思っていたよりももの凄い質量の拳から放たれる力だった。大きく歪が裂ける。そして2人に対して魔神は手をかざす。遠く離れた場所に居たにも関わらず、力が及ぶ。2人をそのまま歪に向けて飛ばしたのだった。それと同時に魔神とサポートする人物と共に一緒に歪へと飛び上がっていた。そして魔神は再び自分にリミッターを掛けるのだった。
「 ・・・・何とか上手くいきましたね。」
「 はい、何とか・・・・・。」
時空の歪へと消えてゆく4人。姿が見えなくなると直ぐに歪は消えていった。そしてそこには静寂だけが残っていた。崩れかけた建物の他に人影は無かった。だが直ぐに気づくそこには7人の人影があった事を。
「 あ~あ、あの人はホントに勝手な行動しますね~。」
「 まあ、いいじゃないですか。現世は、ほら、このように守られたんですから。」
「 心配する事はないでしょう。勝手に帰ってくるでしょうから。」
「 ・・・・・・。」
「 貴方も何か言いなさいよ。」
「 いいじゃねえか、お前はいつも無口だろ。」
「 さあ、帰りましょうか?私達も仕事が在るんですから。」
そう言って7人の姿は一瞬で消えていた。消えた人物を信じての事であろう。それとも呆れていたのだろうか。それは今は分からない。