状況は悪化の一途を辿っているように思えた。この方は本当にどうしたいのかと思う魔神だった。ドンドンと上昇を始める魔王ジュラザード。だが、神童はいたって冷静を保っていた。
『 どうしました?さあ、貴方の実力を見せなさい。私が力を見計らってあげますから。』
「 ごちゃごちゃとうるさいですね・・・・・。私に神の力?そんなのどうでもいいですよ。私は私の力なのですから。何が神の力なんですか。勝手に話を大きくしないで下さい!」
神童は冷静ながらも心持はかなり怒りに似た感情が湧きあがってきていた。敵わないと言われながらも話はドンドンと大きくなり、神の力とまで言われている事。自分の力は自分の根底から来るものと思っていただけに、歯がゆさも感じていたのだ。どうして自分の力だけでどうしようもないのかと。
それを冷静に感じ取った魔神が神童に告げる。
「 神童、勝手におやりなさい。これは貴方が選んだ戦いです。神の力?そんな事は関係ないでしょう。貴方は貴方なのですから。そこから出る力は正真正銘貴方の力です。そうでしょう?」
「 ・・・・・・分かってるよ。この体から出る力は私の力。何者の力でもありません。」
「 分かってるようでなによりです。」
「 魔神お前に言われるまでもない。これからの私を見ていなさい。」
お互いの意思がつながっていた。これは長くパートナーを続けていたからなのか。それともお互いの意地がそうさせているのか。だが、その後の神童の行動でそれは明らかにされていく。
今までに押さえ込んでいた心のリミッターが完全に外れたようだ。闘気は一気に加速する。今までに無い程に上昇を見せていた。
『 ほう~。まだ上昇するみたいですね。いいですよ、私を本気で楽しませてくれそうですね。さあ、私も少し力を入れますよ。』
力の規模は以前にも増して増大の一歩を辿る。これが現世なら周りは一瞬にして浄化していただろう。建物さえも残らない程の力量だった。
「 さあ、神の力が解放されますよ。」
「 ・・・・・・貴方はこれを初めから狙ってらしたんですか?」
「 違うと言えば嘘になりますかね。ただ、予想外も大きくありましたから。まさか、今回の相手が魔王とは思ってませんでしたから。」
「 貴方方は以前から様子を伺っていたのですか?あの場に即座に現れた節。おかしいと思っていたんですよ。」
「 ・・・・・・そうですね。貴方方の戦いは常に監視下にありました。それは貴方もうすうす気づいていたのでしょ?貴方方は特別ですからね。」
「 そうですね・・・・・。気のせいかもと思っていた時もありましたが、最近は特に感じていました。」
「 貴方方の力が戦いを通して成長を続けているのです。このままだといずれ現世では対応しきれなくなる。それは初めから気づいていましたから。」
「 それで私達にはリミッターを付けていたと言う訳ですか。」
「 その話は今はいいでしょう。この戦いがちゃんと終わった時にしましょう。」
力の抑制はきつくなっていた事は、魔神も神童も同じだった。度重なる戦いで神童の力は増していた。それに呼応するように、魔神自信も直接の戦いをしないにも関わらず、力が増大していく事を感じていたのだ。