You're My Only Shinin' Star (306) 対策会議 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。


マスコミが騒ぐ。

暴行事件と不倫発覚。

テレビのワイドショーでは連日テギョンのことが取り上げられ、司会者とコメンテーターが好き勝手にしゃべり続ける。そして当然のことながら、騒がしいのはテレビだけではなかった。


「うっわー、テギョンヒョンの記事多すぎ、しかも悪口ばっか。こないだまでは少しは俺のことも書いてあったのに~」


「仕方ないだろ、みんなインパクトのある方に注目するからな。」


自分とミニョのことが消えたとパソコンに向かってため息をつくジェルミの後ろからシヌが覗き込んだ。

週刊誌に掲載されたキス事件から始まった騒動は、男性への暴行、不倫現場激写と続きテギョンの不祥事は韓国中に知れ渡っている。ネット検索ワードの一位が「ファン・テギョン」、二位が「不倫」という現状では仕方のないことだった。


「それにしてもヘジンさんもよくやるよね、テギョンヒョン罠にかけるなんて。」


「ジェルミはテギョンのこと少しも疑わないのか?」


「そりゃあね・・・・・・テギョンヒョンだもん。ミニョ以外の娘とどうこうなんて、ありえないよ。マ室長だってそう思うでしょ?」


「まあな。」


「ちょっと待てジェルミ、さっきの”間”は何だ、俺の方を見ただろ、俺ならあり得るのか?」


「そんなんじゃないって、ただちょっとシヌヒョンの方に顔が向いちゃっただけだよ、気にしないで。」


「先輩、どうやったらテギョンさんへの誤解が解けるんでしょうね。」


「そうだな、ここはひとつ俺がヘジンさんの前で土下座して発言の撤回をしてもらうしか・・・」


「あれは間違いだって訂正してくれたとしても、テギョンが言わせたって思われるんじゃないか?」


「そうだよ、ちゃんとヘジンさんの言ったことがウソだって証明できないと。」


「おーい、いつからここはテギョンヒョン救済対策本部になったんだ?」


うーんと悩む男たちの傍ではミナムがまだ痛みの残る身体をベッドから起こしていた。


ここはミナムの入院している病院。

スンウは毎日病室に通っているが、他の三人はそれぞれがバラバラに時々顔を出しに来ている。

最近は特にソロでの仕事が忙しく、合宿所でも顔を合わせることが少ないシヌとジェルミはちょうどいいと病室でテギョンの話をし始めた。そこにマ室長とスンウも加わり、ミナムの病室は一気に賑やかになった。


「先輩、テギョンさんの迎え、行かなくていいんですか?そろそろ時間でしょ。」


今日はドラマの撮影がある筈と、スンウはマ室長に自分の腕時計を見せた。


「のんびりしてると遅いって怒られますよ。」


「そうだ、きっと記者が現場で待ち構えてるだろうからさ、テギョンヒョンがカメラの前できちんと説明すれば・・・」


「そのことなんだがな・・・テギョンは倒れて入院中なんだ。」


「「「えっ!?」」」


みんなが声を揃えてマ室長の方を見た。一瞬にして複数の視線が集まり、マ室長はその勢いに押され半歩後退った。


「・・・て言うのは表向きで、ホントはホテルから出られない。」


驚くみんなの顔を見ながらマ室長は昨日かかってきた電話のことを話した。

夜遅く事務所にかかってきた一本の電話はテレビ局からで、テギョンを使うことが出来なくなったというものだった。

警察沙汰になったことが問題か不倫騒動が原因か、それともその両方か。とにかく今回のことが関係しているのは間違いない。しかし降ろされたと公にしたくないアン社長はその報道が流れる前に、テギョンは体調不良の為入院したと発表し、これ以上のダメージを防ごうとしていた。


「今朝あっちこっちにファックス送ったよ・・・そんなことしたってあんまり意味ないと思うけど。テギョンは入院ってことにしてるからうかつに外にも出られないし、ホテルに軟禁されてるようなもんだ。社長が暗に勝手な行動するなって釘刺してるってとこかな。それだけ社長も必死ってこと。ま、ミニョさんが一緒にいるからテギョンも言うこと聞いておとなしくしてるけど。やっぱミニョさんを連れて来た俺の功績は大きいよな。」


はっはっはっ・・・と笑うマ室長は、さすが先輩!とスンウに尊敬の眼差しで見つめられ、後ろに倒れそうなほどふんぞり返った。


「何か引っかかるな・・・いくら不祥事起こしたからってもうちょっと擁護するコメントがあってもよさそうなのに、そういうのが全然ない。」


テレビにはテギョンを辛辣に非難するコメンテーターばかりが映し出され、ネットではまるでテギョンをかばうコメントが消されているかのような、罵詈雑言ばかりが並ぶ画面にシヌは怪訝な顔をした。

「軟禁なんて、テギョンヒョンかわいそう、何とかなんないのかな。」


「何とかって言ってもなぁ・・・」


「とりあえずミニョに考えがあるみたいだよ。レストランとホテルに行って従業員に話聞いて来るって言ってたから。ま、ミニョが一人で行ったって、すんなり話してくれるとは思えないけど。」


そう言いながらミナムはサイドテーブルにのっていたジュースに手を伸ばした。


「何だよミナム、相変わらず冷たいな。それが判ってて一人で行かせたのか?」


「俺にどうしろってんだよ、俺はここから出られないんだぜ。」


自由に動けないのは判っているが、あまりにも他人事のように言うミナムにジェルミはムッと眉根を寄せる。一方シヌはミナムの表情を探るようにじっと見て。


「その様子だと、適任者がいるみたいだな。」


心の中を見透かしたようなシヌの笑みに、ミナムは素知らぬ顔をしてジュースを飲んだ。



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