You're My Only Shinin' Star (278) 疑い 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。


帰国を明日に控えた夜、宿泊先のホテルの部屋でテギョンは目の前の光景にため息をついた。


「いつまでここにいるつもりだ。」


テギョンの部屋には今、シヌとジェルミがいる。

ついさっき軽いミーティングをこの部屋でやった。その後二人はそれぞれの部屋に戻らず、ここにとどまったまま。シヌは雑誌を読みながらくつろぎ、ジェルミは自分の部屋から持ち込んだお菓子の袋を開け、パリパリと軽い音を立てていた。


「もうちょっといいじゃん、俺まだこの部屋に用事があるんだよね・・・あ!来た来た!ルームサービス~」


チャイムが鳴り、ジェルミの顔がパッと明るくなる。


「ルームサービスだと?」


いつの間に頼んだのか、ジェルミはうきうきとルームサービスを受け取りに行く。

その為にまだこの部屋にいたのかとテギョンはジェルミの背中を軽く睨みつけるが、ドアから姿を現したのはボーイではなくマ室長だった。


「どうしてもテギョンに会いたいって女の人が下に来てるんだが・・・」


テレビ局や移動先でファンが待ち構えているのはよくあること。しかしホテルにまで押しかけてきて、マネージャーに呼び出しを頼むなんてどういう神経してるんだ、と怒るよりも呆れてしまう。


「昔の知り合いだって言ってたな。ずっとアメリカにいたからテギョンが歌手になったのも全然知らなくて、偶然テレビで見たって。」


マ室長も相手がただのファンならすぐに断っていた。しかし彼女はファンではないと言い、十数年ぶりにテギョンの姿を見て、どうしても会って伝えたいことがあると熱心に話す姿に、マ室長はほだされてしまったという。


「それって何か嘘っぽくない?」


「俺もそう思うな。」


「ファンは大切にしたいけど、そういう強引なのってどうかと思うよ。」


ジェルミとシヌの意見はもっともで、テギョンも容易には信じられない。


「そんな話を信じてわざわざ俺を呼びに来たのか?」


「いやぁ、あまりにも真剣な顔で頼むから・・・」


三人の責めるような口調に、マ室長の視線は段々と下がっていく。


「そういうのいちいち相手にしてたらキリがないよ。マ室長がピシッとガードしてくれなくちゃ。」


「判ったよ、ピシッと言って帰ってもらうよ。でも俺は知り合いっていうの、嘘だとは思えないんだけどな・・・」


「根拠はあるのか?」


「いや、俺のマネージャーとしての勘だ。」


マ室長はキリリと口元を引き締めると、丸い眼鏡の奥の小さな目をキラリと光らせる。

その勘は一番あてにならないだろうと、口には出さなかったが三人は顔を見合わせた。


「名前も名乗ってたし、テギョンに伝えてくれればきっと判るだろうって言ってたんだけどな。」


「何だ、だったら最初から名前を言えばいいじゃないか。」


「そうだよ。」


「で、何て名前なんだ?」


「シン・セリって言ってたな。」


「テギョンヒョン、知ってる?」


「・・・・・・いや。」


「ほら、やっぱりその子、知り合いじゃなくてただのファンなんだよ。」


「そんな風には見えなかったけどなぁ・・・」


自分の勘に未練があるのか、マ室長はう~んと首を傾げるが、下で待っている”自称テギョンの知り合い”だという女を追い返す為、ドアノブに手をかけた。


「あ、そうだ、昔病院で何度か会ったって言ってた。まあ彼女の言うことが本当だとしても、テギョンが憶えてない通りすがりの知り合いじゃ、わざわざ会う必要もないしな。」


確かにそういうもの全てを相手にしていたらキリがないとマ室長は部屋を出て行った。

マ室長と入れ替わるようにルームサービスを運んできたボーイが料理を置いていく。


「どうかしたのか?」


ジェルミはさっそく手を伸ばすが、シヌはすっきりとしない顔のテギョンが気になった。


十数年前・・・シン・セリ・・・病院・・・


気にする必要などないのに、なぜかテギョンの頭の中にはマ室長の言葉が引っかかっている。


「あれ?ごめんテギョンヒョン、これエビが入ってる。テギョンヒョンは食べれないね。」


「・・・エビ?」


ピザを頬張るジェルミの言葉にテギョンがピクリと反応した。そして考えるように眉間にしわを寄せていたテギョンだが、急に何かを思い出したようにハッと顔を上げると部屋を飛び出した。


まさか・・・あいつか?


そんな思いが頭を過り、テギョンの身体を突き動かす。

エレベーターで一階に降り、ドアが開く間も待てないという勢いで飛び出したテギョンは、ロビーを見渡すとマ室長を見つけ詰め寄った。


「さっき言ってた人は?」


「な、何だよ・・・ちょっとだけでも会わせて欲しいって頼まれたけど、ちゃんと断ったからな。」


「どこにいる?」


「どこって・・・あ、ほら、今ちょうど出て行こうとしてる・・・」


マ室長が顔を向けた先には後ろ姿の女が三人。ブロンドの髪が二人と黒髪が一人。


「セリ!」


そこへ駆け寄ったテギョンは、迷うことなく黒髪の女の腕を掴んだ。




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前回のお知らせの記事にたくさんのいいね!とコメントをどうもありがとうございましたm(_ _ )m


みなさん待っててくださったんだ~(‐^▽^‐)って、すごく嬉しかったです!





ずいぶん久しぶりのお話の更新です。


お話どこまで進んでたか忘れちゃったくらい時間が経ってしまいました(;´▽`A``


過去の記事をちょこっと読み返してみて・・・あーそっか、ミナム怪我したまんまだーって(笑)


まるで他人事のようσ(^_^;)


そして忘れていたのは他にもあって・・・


お話の下書きが書けたのはいいけど、サブタイトルが全然ついてない!


後で考えればいいやーって、すっかり忘れてましたー。゚(T^T)゚。






さて、お話の更新は再開しましたが、また以前のようにのんびりとした更新になると思います。


これまで同様、気長にお付き合いいただけると嬉しいです(。-人-。)





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